<校庭 13:45PM>
「ハァハァハァ・・・」
荒い息をしながら相沢祐一は校舎にもたれかかる。つい先ほどまで謎の怪人と激しい戦いを繰り広げていたのだ。かなりの体力を消耗している。
「変身できた・・・俺が・・・」
ずるずると校舎にもたれたまま、彼は地面に座り込む。これ以上立っていることが出来なかった。
「・・・そうだ・・・名雪は・・・」
弱々しい声でそう呟き、立ち上がろうとするが、力が全く入らなかった。だんだんと意識も薄れていく。それに伴ってか視界まで歪んできたようだ。
「・・・名雪・・・」
歪む視界の中、彼は自分に近付いてくる人の姿を見ていた。その人影は彼の方に手をさしのべている。その姿が彼には名雪に思えたようだ。
「無事だったのか・・・良かった・・・」
そう呟き、祐一は完全に意識を失った。
 
仮面ライダーカノン
Episode.2「強襲」
 
<病院 17:39PM>
ゆっくりと・・・意識が回復してくる。
少しずつ開けられた視界に入ってきたのは見知らぬ天井。それに驚き、身を起こそうとするが力が入らず、寝かされているベッドにまた倒れ込む。
「まだ動いちゃダメですよ、祐一さん」
すぐ横から優しい声が聞こえた。
「詳しい検査の結果も出ていませんし、それに点滴も終わっていませんから」
その声の言う通り、彼の左腕には点滴の針が刺さっており、チューブを伝って液体が着々と流れ込んでいた。
「ここは・・・?」
ようやく声を振り絞ってそれだけを聞く。
「病院です。詳しい話は知りませんが、被害にあった人はみんなここに運ばれているそうですよ」
「被害・・・?」
祐一はそう呟くことでようやく自分の意識がはっきりしてきたことを確認した。すぐそばにいるのは水瀬秋子。彼の叔母にして現在の保護者だ。
「夢・・・じゃなかった・・・と言うことか?」
声に出さずに呟く。
あれは意識を失っている間に見ていた夢などではない。現実だったのだ。どれだけ非現実的でも、実際にあったことなのだ。
突如現れた謎の怪人。学校を舞台に暴れまくり、その結果大勢の怪我人が出た。その怪人は新たに現れたもう一人の怪人によって倒されたと言う・・・。そのもう一人の怪人というのは祐一が変身した姿に他ならないのだが。
「・・・!そうだ、名雪は?秋子さん、名雪は無事なんですか?」
不意に祐一の脳裏に甦った光景、それは階段の踊り場で倒れて、血を流している名雪の姿だった。とてもじゃないが無事そうには見えなかったのだが、それが彼を変身に至らせる原因の一つであったことは確かである。
「名雪は・・・頭を打って少し出血したようですが特に異常はないそうです」
「そうですか・・・良かった」
「ただ・・・・」
「ただ?何かあったんですか?」
秋子の様子はいつもと全く変わらない。娘のことを心配しているのだろうが表には出していない。それは、さほど名雪の身に起きたことが大きいことではないという証拠だったのだが、それでも祐一は不安を覚えていた。
「ずっと眠ったまま起きないんです」
「・・・・ずっと?」
思わず聞き返す祐一。
秋子は頷いて、
「何度も起こそうとしたんですが全く反応がないそうで・・・あの子のお寝坊さんにも困ったものね」
平然と言う。
「まぁ・・・名雪ですからね」
祐一も苦笑してそう返していた。
「そう言えば・・香里とか北川は・・・」
「二人とも大丈夫です。香里ちゃんは少々錯乱状態だったので鎮静剤を打ってもらって今は別の病室で休んでいるそうですよ。北川さんは打ち身がかなりあったそうですが今はぴんぴんしています。確か香里ちゃんの病室の前でいるんじゃないかしら?」
秋子が微笑んでそう言ったので祐一は少し安心できた。
そこに背広を着た男が入ってきた。
「お、気がついたようだね。私は○×警察のものだが・・・」
背広のポケットから警察手帳を見せ、自分の身分を明かした上で勝手にイスを出して座った男は早速祐一に質問を始めてきた。どうやら何が学校で起きたのかを聞き回っているらしい。祐一は自分が変身して怪人を倒したと言うことは伏せて、知っていることを答えたのだった。
 
<市内某所 21:37PM>
薄暗い中、不意に炎がともる。
誰かが蝋燭に火を灯しているのだろうか。
その炎の光の中に四人の人影が浮かび上がる。
「始めは誰が行く?」
子供のような声。
「今度のカノンもまた我々の邪魔をするだろうな」
やたらと渋い声。
「あの程度の奴が今度のカノンなら私たちの敵じゃないわ」
女性のような高い声。
「今の時代に俺達にかなう奴がいるとは思えないがな」
若い男の声。
「始めに行くのは誰でも良いじゃねぇか。要はどれだけ人間を消せれるか、って事だろ?」
「じゃあ、ここにくじを用意した。これで決めよう。文句はないね?」
「わしは文句など一切ござらん」
「私も良いわよ」
「俺も文句はない。さぁ、始めようぜ」
炎の前にすっと四本の棒を持った腕が現れる。その棒を三つの手が一つずつ取っていく。
「俺じゃねぇな」
「残念、私も外れ」
「申し訳ないがこのわしが一番手のようだ。早速始めたいのだが良いかな?」
「好きにしな。俺はちょっと出るぜ」
「あら?何処行くの?」
「肩慣らしだよ。相手が人間でなければ邪魔にはならないだろ?」
「余り派手なことはしないでね。僕たちの動きを鈍くすることぐらいは今の人間でも出来そうだからね」
「ただのキツネ狩りさ」
二人分の人影が消えていく。残った二つの人影も炎が消えると同時に消えてしまっていた。
 
<病院 23:17PM>
病室の中で祐一は天井を見上げていた。
点滴が終わり、警察の質問が終わったのはつい先ほどである。秋子は娘の病室に行ったようだ。今は電気も消えた病室の中に祐一は一人である。
「眠れない・・・」
何となく呟いてみる。
身体に残っていた疲れ、脱力感はもう無い。その回復力は今までにないものであった。これこそがあのベルトを身につけた証拠なのだろうか?何か自分の身体が別のものになってしまったような気がしてならない。
ベッドから起きあがり、掛けられていた毛布をはいで、床に足を着く。
「大丈夫・・・だな」
そう呟いて、祐一は歩き出した。
自分の病室を出て、薄暗く、冷え冷えとする廊下を歩き出す。
流石にもうじき日が変わるという時間なので廊下や待合室に人影はない。それでもきっと今日入院した生徒の家族はいるだろう。例えば・・・秋子さんのように。
何となく自動販売機の前まで来たとき、彼は意外と言えば意外な人物と出会った。
「おっさん・・・」
「誰がおっさんだ。僕はこれでもまだ二十六だ」
そう反応したのは昼間彼らを怪人騒動に巻き込んだ張本人(少なくても祐一はそう思っていた)中津川忠夫であった。確か城西大学考古学教室助教授と名乗っていたような・・・。
「まだ居たのかよ?」
「一応僕も怪我人だからな。検査というわけだ。後、警察に帰るな、と言われてもいるが」
自動販売機でコーヒーを買いながら中津川が言う。
「もっとも帰れ、と言われても帰る気はないけどな」
そう言って中津川はニヤリと笑った。それから彼はもう一本コーヒーを買って、それを祐一に差し出した。
「飲むだろ?」
「あ、ああ・・・」
コーヒーを受け取りながら祐一は中津川をじっと見ていた。
「どうかしたかね?」
自分のコーヒーに口を付けながら中津川が自分を見ている祐一に聞く。
「あ、ああ・・・あんたに聞きたいことがあったんだ。あんた、あのもう一人の怪人・・を仮面ライダーって呼んでいたけど」
「おお、あれか!」
祐一の言葉に必要以上に反応する中津川。誰も相手にしなかったのだろうか、相当嬉しそうだ。
「あの姿はまさしくテレビの中の仮面ライダーそのものだった。赤い大きな目、筋肉を模したボディ、卓越した格闘能力、あれでバイクに乗っていれば完璧だが・・・」
「そのもの、ね・・・」
祐一は呟くように言って床に視線を落とした。
「しかし、あのライダーはまだ未熟だったようだ。あの戦い方は決して戦士のものではない。むしろケンカもしたことのない素人っぽい戦い方だったな」
「そりゃそうだ。ケンカなんかそんなにやったこと無いからな」
まだ喋っている中津川の横で祐一がぼそりと呟いた。
「しかし・・一体誰だったんだろうな、あの仮面ライダーは。警察も知らないようだし」
不意に中津川がそう言ったので祐一は顔を上げて、彼を見た。
「警察は・・あの戦士を捜しているのか?」
「それはそうだろう・・・あの戦士が本当に人類の味方かどうか・・・僕は味方だと信じているが警察はまだ信じてないだろうからな。むしろあの怪人と同じく人類の敵とすら思っているだろう」
「そりゃ・・・そうだろうな」
そう答え、祐一は一気にコーヒーを飲み干した。
頭の中にダッフルコートの天使、あゆの言った言葉が甦る。
『何時か人は祐一君も敵だと、あの怪人と同じように思うかも知れないんだよ』
確かにそうだ。冷静に考えて、あの力は何の力も持たない人類にとって脅威以外の何ものでもないだろう。そして、人類はその脅威を取り除こうと・・・。
「僕の使命はその誤解を解くことだ。仮面ライダーが人類の味方であり、人類のために自らを犠牲にして戦う仲間であることを証明することが」
中津川がそう言ってニッと笑った。
「でも・・・本当にあんたの言う仮面ライダーは人類の味方なのか?あの時怪人と戦ったのはただあの怪人が敵対関係にあっただけかも知れないんだぜ?」
思わず反論する祐一。
「それは違うな。これはまだ推測だが、あの仮面ライダーは始めに怪人が出てきたときには存在していなかった。その証拠にベルトは僕の手の中にあったからな。と言うことは、だ。誰かがあのベルトを身につけたことで変身できるようになった、そしてあの怪人を倒した、と考えた方が納得がいくだろう?」
そう言うものか、と祐一は思ったがあえて何も反論はしなかった。
「しかし・・・一体誰が仮面ライダーになったんだろうなぁ?」
中津川はそう言うと隣に立っている祐一を見た。別に答えを期待してのことでもなかったのだろうが、祐一は何故か彼が全てを理解した上で回答を求めているような気になってしまった。
「そんなこと、俺が知るわけないだろう」
不機嫌そうにそう言うと、祐一は手に持っていた紙コップを握りつぶした。そして、それをゴミ箱へと投げ入れ、さっと中津川に背を向けて歩き出した。
黙って中津川は祐一が去っていくのを見送っていた。
 
<病院 10:27AM>
一晩経ってから祐一はようやく同じ病院にいる美坂香里の元へとやってきていた。どうやら鎮静剤が効きすぎたのか一晩だけ入院したらしい。
「元気そうね、相沢君」
病室に祐一が入るなりそんな声が彼を出迎えた。
「お互い様だ」
そう言って苦笑する祐一。
香里はベッドの上で上半身だけを起こして窓の外を見ているようだった。決して祐一の方を向こうとはしない。
「そう言えば北川の奴、外で寝ていたけど」
「帰ってなかったの?」
「みたいだな。暇な奴だ」
「酷い言いようね」
「一応あいつはお前のことが心配でずっと居たそうだ。礼ぐらい言ってやれよ」
「考えておくわ」
この会話の間、香里は一度も祐一を見ようとはしない。不意に沈黙が訪れる。何を話せばいいのか、何も話すことなどなさそうな、そんな空気が病室内を包み込む。
どれだけ沈黙を保っていたのだろうか?先に我慢の限界に達したのは香里のほうだった。
「御免なさい・・・謝っても仕方のないことだけど」
「何の・・・事だ?」
わかっていたがあえて聞いてみる。
「名雪のこと・・・あの子が怪我したのは私のせいよ。私が足を滑らせて・・・あの子を巻き添えにしたの」
そう言った香里の肩が震えている。
目が覚めてからずっと気にしていたのだろう。香里は親友が自分のせいで怪我をしたことに責任を感じているのだろう。更に今、そばにいる男が親友のことを少なからず好意的に思っていること、その男が自分を信頼して親友を任したのにも関わらずその親友を負傷させてしまったことにも責任を感じている。信頼にこたえることが出来なかったことを悔やんでいるのだ。
「名雪なら・・別の病室で今頃楽しい楽しい夢の中って奴だ」
祐一はそう言ってため息をついた。
「全くいい気なもんだ。俺や秋子さんや香里にさんざん心配かけているのにその本人はくーっていつもみたいに眠っているんだからな」
それを聞いて香里がようやく祐一の方を振り返った。彼女の目には涙が浮かんでいる。
「相沢君・・・」
「なぁ・・・香里、お前、何でもそう抱え込むなって。栞の時もそうだったし。それに名雪が怪我したのは不幸な偶然だよ。お前が気にすることはないさ」
そう言って祐一は微笑んだ。
「でも」
「でももストもない。俺や秋子さんが気にするなって言ってるんだ。それに名雪も気にしないさ、きっとな」
「相沢君・・・ありがとう」
香里がそう言って目を伏せた。
と、その時、病室のドアがバンと開けられる。中に入ってきたのは香里に似たショートヘアの女の子・・・美坂栞である。
「お姉ちゃん!」
「栞・・・病室にはいるときはもっと静かに入ってきなさい」
心配そうに声をかけてきた妹にそう返す香里。
かつて死を宣告された程の病だった栞だが奇跡的に回復し、今はその療養のため入院しているらしい。かつて栞が病気だった頃、その病状に絶望した香里は妹の存在を消し去ろうとした事があった。それを上手く仲直りさせるきっかけを作ったのが祐一である。そして、今は昔と同じく、仲のいい姉妹に戻ったのだ。
「さっき、家に電話したらお姉ちゃんが入院したってお母さんが・・・」
泣きそうな顔で栞が言う。
「大丈夫・・・」
そう言って香里は栞の頭に手を置いた。
「さてと・・俺は名雪の様子でも見に行ってくる。じゃ、また後でな」
どちらに言ったのか、祐一は笑顔でそう言って香里の病室から出ていった。
 
<病院前 10:49AM>
一人の禿頭の男が病院の前に立つ。
すっと病院の白い壁を見上げて口の端をゆがめてニヤリと笑う。
「さぁ・・・始めるか・・・」
 
<病院屋上 10:53AM>
香里の病室を出た後、祐一は名雪の病室には行かず屋上に出てきていた。
名雪の様子を見に行くのが何となく怖くなったのだ。それで自然と足が彼女の病室から遠のいたのだろう。屋上に来たのに意味はなかった。ただ一人になれる場所を考えたらそこが浮かんだだけなのだ。
屋上に出た祐一は何気なく空を見上げた。
いい天気である。雲一つない青空が広がっており、太陽が明るい光を降り注いでいる。風はいつもと変わらず冷たいが、今の彼には何とも心地よく感じられた。
「はぁ・・・」
何となくため息をつく。
一体この先どうなるというのか、不安だった。あの時、怒りに駆られてベルトを身につけ、変身したが、それが良かったのかどうか、今は判断できなかった。
「どうなるんだろうな、俺?」
『祐一君がしっかりと自分を見失うことがなければきっと大丈夫だよ』
後ろからそんな声が聞こえてきたが祐一は驚かなかった。
「簡単に言うんだな?」
『ボクの知っている祐一君は強い人だから』
その言葉に祐一は苦笑した。
「俺はそれ程強くはないよ。今だって変身したことが良かったかどうか悩んでいるし」
『ボクは・・・』
「お前のせいじゃないさ。どっちにしろ、決めたのは俺だ」
そう言って目を閉じ、初めての変身の時のことを思い出す。
「そう言えば、お前嘘ついただろ。『変身』って叫べば良いって言ったけど、それだけじゃダメだったぞ」
『うぐぅ・・・嘘だったわけじゃないと思う・・・』
困ったような、泣きそうな声。
「まぁ、いいけどな。お前の言ったとおり、あの怪人は倒せたわけだし」
『うぐぅ』
「あれで・・終わりなのか?」
『え?』
祐一のその質問は意外だったようだ。そもそも質問されること自体思いも寄らなかったのかも知れない。
「怪人はあの一体だけじゃないような気がするんだよ。他にもいる・・・もっととんでもない奴が」
そう言った祐一の声は緊張感あふれるものだった。むしろ・・恐れていると言った感じもあるが。
『・・・祐一君の言う通りだよ。怪人は一体だけじゃないんだよ。もっと強い怪人がまだ・・・ほら、もう来た』
「来た!?」
祐一は屋上の手すりに駆け寄り、下を見下ろした。しかし、何も起こった様子はない。
「一体何を言い出すのやら・・・」
そう祐一が苦笑したとき、一階の窓を突き破って人間が外に投げ出されていくのを彼は見た。
「何ッ!?」
祐一は驚き、一瞬身体を硬直させたがすぐにきびすを返して階段へと向かっていった。
『行くんだね、祐一君』
「ここには名雪や秋子さん、香里、栞がいる!俺が行かなくて、誰がみんなを守る!?俺が・・・やらなきゃいけないんだ!」
祐一はその声にそう答え、階段へと続くドアを開け、中に飛び込んでいく。
『気をつけてね、祐一君・・・ボクはもう・・・君を助けることは出来ないから』
その声の無視は悲しげにそう言って消えていった。
 
<病院内 11:06AM>
突如現れたその禿頭の男はまずロビーにいた人を次々と投げ飛ばし、うち倒し、病院中を一気にパニックに陥れた。
警備員が何人か禿頭の男に挑んでいったがあっさりと倒されてしまう。昨夜から何人かの警官がいたのだが、彼らもその禿頭の男にはかなわない。
「応援を呼ぶんだ!」
誰かが叫ぶ。
入院患者達はその様子を見て我先に逃げ出そうとして更にパニックを大きくしていた。
「おい、早くしろ!」
頭に包帯を巻いた北川潤がそう言ってクラスメイトの香里の病室のドアを開ける。
「今更じたばたしても遅いわ。それこそ昨日と同じよ」
「今度は人間相手なんだぞ!逃げ出せるに決まってる!!」
北川はそう言うと、香里の手を取って病室から出ていった。
「ちょっと、相沢君は!?」
「知るか!朝から会ってないっ!!」
走りながら語気荒く答える北川。
香里はそれを聞いて、足を止めた。同じように足を止め、北川が香里を振り返る。訝しげな顔をして彼女を見ると、彼女はさっと手を離し、
「栞と名雪が心配だわ。見に行ってくるから先に行っていて」
それだけいうときびすを返し、廊下の奥へと走っていく。
「お、おい、待てよ!俺も行くから!」
北川も大慌てで香里の後を追った。
その頃、栞は自分の病室のベッドの上で この騒ぎを聞きつけていた。
「何?」
ベッドから降りて、廊下に通じるドアを開ける。
廊下では逃げまどう人で一杯だった。一体何が起きたのかわからなかったがこのままこの場に居てはいけないような気がした栞は急いでカーディガンを羽織って病室を出た。そして人の流れに乗って急ぎ足で歩いていく。
少し遅れて、そこに香里と北川が到着した。
「栞!?」
ドアを開けるが中には誰も居ない。
「騒ぎを聞きつけて先に出ていったようだな」
「みたいね・・・でも、大丈夫かしら・・・?」
ドアを閉めながら香里が言う。
栞の病気は快方に向かってはいるもののまだ完全に直ったわけではない。いつまた再発するか・・・心配の種は消えたわけではないのだ。
「次は水瀬さんのところだな」
「相沢君がそこにいればいいけど・・・」
先ほどから二人は彼のことを見てはいない。先に病院から脱出したか、そうでなければ名雪のいる病室か栞の病室に来ているだろうと考えたのだが。もっとも彼が名雪をおいて先に一人逃げ出すことなど考えられなかったが。
二人は一つ上の階にある名雪の病室に急いだ。途中の階段で少し混雑があったもののすぐに上の階に辿り着き、名雪が眠っている病室に走る。ドアを開けると、中では秋子がベッドに眠る名雪をじっと見つめていた。
「秋子さん、早く逃げないと!」
香里がそう言ったが秋子は首を左右に振ってから二人を振り返った。
「名雪をほっておけませんから・・それに祐一さんも。二人とも私の家族です。それより、あなた達だけでも逃げた方がいいわよ」
「・・・秋子さん、名雪は私が背負いますから」
言いながら香里が名雪の眠るベッドのそばに歩み寄る。ベッドの中で静かに眠っている名雪を見て、一瞬顔を曇らせる香里だったがすぐに毛布を引き剥がし、名雪を抱きかかえる。「行きましょう」
「でも・・祐一さんが」
「相沢ならきっと大丈夫ですよ。なんだかんだ言って昨日も無事だったようだし」
そう言ったのは北川だ。彼はドアのそばに立ち、外の様子をうかがっている。
秋子はそれを聞いて小さく頷き、立ち上がった。
「行きましょう・・・祐一さんはきっと大丈夫だと信じて」
北川がドアを開け先に廊下に出る。続いて名雪を背負った香里、秋子の順で外に出ていく。
一方栞は人の流れに乗ったまま、裏口に辿り着いていた。狭いドアに人が殺到しているためかなり混雑している。その中を栞は必死で外に出ようとしていたがやがて人の波にはじき出されてしまう。
「いたた・・・」
背中を壁に打ち付けたらしく、少し傷む。これはちょっと待った方がいいかも知れない。そう思った栞はその場にしゃがみ込んだ。
「お姉ちゃんとか・・・大丈夫かな?」
天井を見上げてそう呟く。
と、その時、ドアの方から悲鳴が聞こえてきた。
慌てて立ち上がり、ドアの方を見ると、そこには禿頭の男が立ちはだかり数人の人を軽々と持ち上げているではないか。思わず栞もひっと息をのんでいた。
禿頭の男は掴んでいた人たちを投げ飛ばすとまた別の人を掴みあげ別の方向へと投げ飛ばす。それを繰り返しながら栞のいる方へと近付いてくる。
「どうして、どうして・・・?」
何で私がこんな目に遭うの?私が何をしたというの?
がたがた震えながら栞はそんなことを考える。そうでもしないと気を失ってしまいそうだ。
逃げまどう人々。それを掴んでは投げ飛ばす禿頭の男。全てが現実的でない。だが、今、目の前で起きていることは現実だ。やがて禿頭の男の姿が変化を始める。全身が黒い硬質の肌に変化していき、頭も凶悪な容貌へと変化していく。それは最早人の顔ではない。怪物の顔である。あえて言うならば・・・亀と蛇、そしてワニのような・・・そんな顔である。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 
<病院内階段 11:21AM>
階下から聞こえてきた悲鳴。
思わず足を止める祐一。
「あの声は・・・栞!?」
今彼のいる場所は名雪の病室のある階へと続く階段の踊り場である。ちょうどこの下の方に裏口があるのだ。
「く・・・・」
上を見上げ、唇を噛む祐一。
「・・・済まない、名雪!」
そう言って祐一は階段を駆け下りていく。
一気に何段かとばして、一階に辿り着いた祐一はその廊下の向こうに怪人が立っており、その近くに栞がいることを発見した。
「・・・変身ッ!!」
右手を十字に切り、構えていた左拳のすぐ上に添える。そして、両手を広げると、腰の辺りにベルトが浮き上がり、その中央が放射状に光を放った。
「うおおおぉぉぉぉっ!!」
走り出す祐一の身体が少しずつ変化を始める。胸は筋肉を模した灰色のボディアーマーに覆われ、左右の手には同じ灰色の手甲とナックルガード、手首には赤く輝く宝石がはめ込まれている。膝には灰色のサポーター、足にも灰色の足甲が備わり、最後に頭がヘルメットのような仮面に覆われる。赤い目、口には牙の意匠、輝く角。
変身が完了し、戦士となった祐一が今にも栞に襲いかかろうとしている怪人に飛びかかる。だが、怪人はそのタックルをあっさりと受け止め、なおかつ戦士を持ち上げると、外に向かって放り投げた。裏口のガラスの扉を突き破って外に投げ出される戦士。それを追って怪人も外に出てくる。
「く・・・・何て力だ。昨日のとは桁違いだ・・・」
そう呟きながら何とか立ち上がる。
「久しぶりだな、カノン!再び会えるとは思ってもみなかったぞ!我が名は玄武!無敵の鎧の玄武だ!」
怪人が大声でそう名乗りを上げる。だが、それよりも重要なことがあった。怪人・・・玄武は戦士のことを「カノン」と呼んだのだ。
「カノン・・・そうか、カノンか・・・」
戦士となった祐一はそう呟くと玄武の方を見て身構えた。
「いくぞ!」
戦士、カノンが一気に玄武に詰め寄りパンチを食らわせる。だが玄武はそのパンチをかわそうともせずその大きな胸板で受け止めた。
「何ッ!?」
何度も何度もパンチを打ち込むカノンだが玄武は平然とした顔でそのパンチを受け続ける。全くダメージを受けていないようだ。
「その程度の力でわしを倒すことは出来ない」
玄武はそう言うと、カノンの首筋をぐいっと掴み、持ち上げる。そして、一気に投げ飛ばした。宙を舞い、病院の壁に激突するカノン。
倒れたカノンに向かってゆっくりと近付く玄武。
地面に手をついてなんとか立ち上がろうとするカノンの脇腹に蹴りを食らわせ、更に吹っ飛ばす。
「ぐああっ!!」
吹っ飛ばされ、地面を転がるカノン。そのカノンをわざわざ追いかけ、踏みつける玄武。
「今の貴様などわしの相手ではない」
そう言って玄武は更にどんとカノンを踏みつけた。
その足を両手で掴み、持ち上げると、カノンは身体を転がして玄武の足の下から脱出して、何とか立ち上がった。
「相手でないか・・・」
カノンが再び身構える。
「これでも喰らえッ!!」
玄武に向かって走り出すカノン。玄武との間合いを計った上でジャンプ。空中で一回転し、右足を前に出す。昨日怪人を倒した必殺のキックだ。
だが、玄武はそれを見てもひるまない。それどころか悠然とキックを待ちかまえているようだ。
キックが直撃する直前、玄武が背中を向ける。そこには甲羅のような装甲が備わっており、カノンのキックはそこに直撃した。次の瞬間、吹き飛ばされたのはカノンの方だった。
大きく宙を舞い、地面に叩きつけられるカノン。
「その程度で・・・笑わせるなっ!!」
玄武が吠え、倒れているカノンに向かって走り出す。
玄武が接近していることにも気付かず、カノンがよろよろと立ち上がろうとする。そこに首を引っ込め、背中の甲羅を前方につきだした玄武が突っ込んできた。
その一撃を受け、またも吹っ飛ばされるカノン。今度は病院の壁に突っ込み、そこを崩してしまう。厚いコンクリートの壁を突き破ったカノンは倒れたまま身動き一つしない。
玄武はそれを見るとつまらなさそうにカノンに背を向けた。
「この程度でわしに立ち向かおうとは・・・愚かな・・・」
そう呟き、その場を立ち去ろうとする玄武。だが・・・。
「・・・愚かだろうが何だろうが・・・・」
よろよろとカノンが崩れた壁の間から姿を現す。
「負けられないんだよ、俺はっ!」
その声にはっと振り返る玄武。一瞬、ぎょっとしたような顔を見せたがすぐに不敵な笑みを浮かべて、
「その心意気は誉めてやろう・・・だが・・・」
言いながら玄武がまたも首を引っ込め、背中の甲羅を前方に動かした。先ほどカノンを吹っ飛ばしたあの技の前触れである。
「これで終わりにしてやろう!!」
玄武が走り出そうとした時、その足下に真っ赤な鳥の羽根のようなモノが突き刺さり、玄武の動きを止めた。むっとして変形を解き、空を見上げる玄武。
玄武の視線の先には真っ赤な姿の大形の鳥のようなモノの姿がある。
「朱雀か・・・邪魔をするな!」
「玄武、ここは引きあげなさい。青龍がいい場所を見つけたの」
遙か上空にいるはずの赤い鳥のようなモノ・・・朱雀がそう言う。
「むう・・・」
「それに今倒しちゃったらもったいないじゃない。もっと楽しみましょうよ」
朱雀にそう言われて玄武は少しの間黙り込んだが、やがてクルリときびすを返しカノンに背を向けて歩き出した。
「運が良かったな。だが次はないと思え」
「く・・・」
今のカノンに玄武を追う力は残っていなかった。それどころか立っているだけでも精一杯だったのだ。まさに玄武の言う通り、運が良かったのだろう。
「・・そうだ・・・栞・・・」
カノンは病院裏口に戻ると、中で震えている栞のそばに駆け寄った。
栞は始めにカノンが見たときと全く同じ位置にいて、まだがたがた震えていた。駆け寄ってきたカノンを見ると彼女はまたびくっと体を震わせた。
「い、いや・・・お願い・・・殺さないで・・・」
その呟きを聞いて、カノンはさしのべようとしていた手を止めた。止めざるを得なかった。
「・・・・俺は・・・」
何かを言いかけた時、不意に後ろから大声が聞こえてきた。
「栞から離れて!!」
香里である。背中には名雪を背負っているが、その名雪をそばにいた秋子に預けて栞のそばに駆け寄ってくる。
「栞から離れなさい、この怪物!!」
そう言って香里は栞とカノンの間に割り込んできた。
「お、お姉ちゃん・・・」
「大丈夫、私がいるから・・・大丈夫よ、栞には指一本触れさせないから」
香里はそうは言ったものの震えが隠しきれていない。
一方カノンは先ほど香里が言った「怪物」という言葉にショックを受けていた。
(そう・・・だな。他から見れば俺もあいつらと変わりないか)
自嘲の笑みを仮面の下で浮かべ、カノンは立ち上がった。そして、裏口から走り去っていく。
その後ろ姿は何かとても寂しげだった。
 
<市内某所 13:14PM>
薄暗い部屋の中にボッと炎がともる。
その炎の光の中に玄武、朱雀の姿が浮かび上がる。
「何かいい場所を見つけたそうだな、青龍?」
不機嫌そうな玄武。先程のカノンとの戦いを中断させられたのが気にくわないのだろう。その隣にいる朱雀は人間の姿で指の爪にマニキュアを塗っている。
「若い人間が大勢いるところだよ。きっと君も気に入ると思うけど」
子供のような声がした。この声の主が「青龍」なのであろう。
「そう言えばさぁ、白虎はどうしたのよぉ?」
朱雀が余り興味なさそうに尋ねる。
「キツネ狩りとか言っていたけど?」
「ものみの丘の妖弧・・・またあいつは・・・」
玄武が吐き捨てるように言う。
「あのような血に飢えた野獣が我々の一員だと思うと虫酸が走る」
「そうは言っても誰も白虎には敵わない・・・白虎はこの中では一番早く動けてなおかつ強いからね」
青龍がそう言って玄武をなだめる。
「あら・・・動きだけで言えば私の方が早いわよぉ」
「地上に限定して、の話だよ、朱雀。空を飛べる君の方が動きは確かに素早いけどそのぶん戦闘能力は落ちるだろう?玄武は防御力と力に優れるけどスピードに欠ける」
「青龍は魔力に優れるけど直接的な戦闘は苦手」
「まぁ、どちらにしろ今のカノンは我々の敵ではない」
玄武がそう言ってニヤリと笑った。
 
<住宅街 13:45PM>
祐一はふらふらとよろけながら住宅街を水瀬家の方へと向かっていた。
先程までの戦闘で身体はぼろぼろで、更に香里の言葉に精神的なショックも受けていた。今はただゆっくりと休みたい。そのために水瀬家に向かっているのだ。
「くそ・・・まただ・・・」
視界が歪む。意識が朦朧としてくる。
変身を解くとこのような状態になってしまう。戦闘の為にかなり体力を消耗しているようなのだが、それだけではないような気もする。しかし、今はそれよりも・・・。
「どうすれば・・・・奴に勝てるんだ・・・?」
必殺のキックも通じない相手。
正面から殴り合っても力の差と鎧のように硬い皮膚に全く通用しない。今のカノンに勝てる要素など何処にもないように彼には思えた。
「それでも・・・やらないと・・・」
塀に手をつき、ゆっくりと歩きながら祐一は考える。
例え勝ち目が無くてもやらなければならない。他に戦えるものがいない以上。例え何度倒されても。例え命を失っても。
「・・・祐一?」
歪んだ視界に栗色の髪の毛が飛び込んできた。
「・・・真琴・・・?」
そう呟いたきり祐一は意識を失った。
 
<水瀬家 19:23PM>
「そう、ご苦労様ね、真琴」
秋子はそう言うと真琴の頭をなでてやった。一方その真琴はぷうっと頬を膨らませたままである。
水瀬家のダイニングである。テーブルについているのは真琴と秋子だけであったが。
あの後、秋子は祐一と名雪の退院の手続きをし、今だ眠っている名雪をタクシーで連れて帰ってきたのだ。それで、家の前で祐一を背負って必死に運んでいる真琴と会ったのだ。真琴に背負われている祐一は苦しそうな息をしていたが今は自分の部屋でぐっすりと眠っているようだ。
「全くもう・・・あたしみたいなレディに力仕事させるなんて祐一が起きたら・・・」
まだふてくされている真琴を笑顔で見ている秋子。
「ちょっと遅くなったけど晩ご飯の準備するわね」
「あたしもてつだうー!!」
そう言って真琴が椅子から降りる。
ここ最近真琴は何かというと秋子さんの手伝いをするようになっていた。そのせいか、料理の腕もそこそこ上がっているようだ。
結局、その日のうちに祐一と名雪が目覚めることはなかった。
 
<水瀬家 07:31AM>
翌日の朝、祐一は重い体を引き剥がすようにベッドから離れ、一階に向かった。
「おはようございます・・・」
いつもとは様子の違う祐一を見て、秋子はやや怪訝な顔をして彼を出迎えた。
「おはようございます、祐一さん。顔色が優れませんが、大丈夫ですか?」
「・・大丈夫です・・多分」
そう言って力無く笑う祐一。
椅子に座ると、大きく息をついてしまう。まだ完全に体力が回復していないのだ。
「今日は休みますか?」
「いえ・・・行きますよ、学校。ああ、そうだ、名雪、起こしてこないと」
そう言って再び立ち上がろうとする祐一だが膝に力が入らず椅子から倒れてしまう。
「祐一さんっ!?」
秋子が驚いたように倒れた祐一に駆け寄った。
「大丈夫、大丈夫です!」
思わず強い口調で行ってしまう祐一。本気で焦ったのは彼自身なのだ。しかし、その動揺を悟られまいと思わずそう言ってしまったのだ。
「あ・・・すいません。俺は本当に大丈夫ですから」
そう言ってテーブルに手をついて祐一は立ち上がった。だが、まだ足下がおぼつかないようだ。
「祐一さん、やっぱり今日は学校休んだ方がいいですね。連絡は私がしておきますので上でゆっくりと休んでください」
秋子はそう言うと、すぐに電話機に向かっていった。その後ろ姿を見送りながら祐一はまた椅子に座った。
(やばい・・・今の身体じゃ変身しても戦えない・・・)
テーブルに肘をつき、がっくりとうなだれる。
(あの玄武に対抗する方法が見つからないのに・・・これじゃ・・・)
祐一がそんなことを考えていると、秋子が戻ってきた。
「連絡しておきましたから・・・朝ご飯はどうします?」
「頂きます」
そう言ったとき、祐一の全身に悪寒に似たものが走った。
(何だ、今の感覚は・・・)
下を向いていた顔を上げ、左右を見回す。
この場には秋子と自分しかいない。真琴と名雪はまだ眠っているのだろう。しかし・・・祐一は全身で何かの気配を感じていた。
(まさか・・・奴らが動き出した・・・・?)
その考えに至ったとき、祐一の身体は自然に立ち上がっていた。そして、何も言わずにダイニングを出ると廊下を駆け抜け、玄関から外に飛び出す。
「・・・・・!!」
水瀬家の前の道路の先に一人の男が立っている。昨日病院にいた禿頭の男、玄武ではない。かなり野性的な容貌を思わせる若い男。まるで・・・血に飢えた獣のような雰囲気を漂わせている。
その男は祐一の姿を見るとクルリときびすを返して歩き去っていった。
 
<校門前 08:13AM>
登校してくる生徒達でにぎわう校門前。
つい先日、謎の怪人が現れて様々な被害を出したはずなのだがそれもたった一日の休校で全て処理できたらしい。
「お姉ちゃん、待ってってば」
栞が息を切らせて姉である香里の後を追って校門にまでやってくる。
「そんなに慌てなくても良いじゃない。あなたはまだ完全に回復してないんだから」
あきれた顔をして香里が言う。
そんな様子を少し離れたところから見ている影があった。
それはけして美坂姉妹を見ていたわけではない。登校してくる生徒全てを見ていたのだ。新たな戦いの火蓋が切られようとしている・・・。
 
Episode.2「強襲」Closed.
To be continued next Episode. by MaskedRiderKanon
 
次回予告
学校を襲う玄武、朱雀の二大怪人。たった一人立ち向かうカノン。
中津川「どんな奴にも弱点の一つや二つあるものだ」
舞「・・・・許せない・・・・」
苦しい戦いの中祐一に向けられる非難の声。
久瀬「お前だ!お前がいるからあいつらは襲ってくるんだ!」
香里「そんな・・・どうして相沢君が・・・」
満身創痍になりながらも祐一は守りたいもののために戦う。
祐一「・・・変身!!」
次回、仮面ライダーカノン「焦燥」


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