ストーリー解説

ストーリー解説
（裏話付き）

第一クール（Episode.1～6）
いつもと変わらない日常・・・それが一気に崩壊する時、少年の怒りと共に戦士カノンが復活する。

ある日、相沢祐一はかねてからの念願だったバイクを買いに隣町まで出かけていく。
それはまるで運命が引き合わせた偶然だったのか。
その翌日、彼の通う学校に一人の男が裏山で発見された遺跡から逃げ込んできた。その男の名は中津川忠夫。城西大学考古学研究室の助教授である。
彼を追って蜘蛛の怪人（蜘蛛種怪人）が学校に襲来する。その目的は中津川が持っているベルト状の装飾品であった。
そんなことなど知らず、学校は怪人襲来に大混乱に見舞われる。
祐一はクラスメイトの北川潤、美坂香里、そして従姉妹でもある水瀬名雪と一緒に怪人の魔の手から逃れるべく校内を逃走するが、怪人は偶然にも彼らの行く先へと姿を現すのだった。
名雪と香里を逃がすために祐一と潤が囮になって怪人に立ち向かうが全く歯が立たない。一方先に逃げ出していた香里と名雪だが、香里が階段から足を踏み外し、二人は踊り場へと落下してしまう。香里は何とか無事だったが名雪は落ちた時に頭を打ち付けたのか意識不明となっていた。
香里の声に祐一が階段までやって来、彼は見てしまう。
倒れた名雪の頭から流れている血、その前でどうすることも出来ず泣きわめいている香里の姿を。
それを見た瞬間、祐一は怒りに我を忘れ、怪人へと後先省みず突っ込んでいく。しかし、彼の力で怪人に敵うはずもなく、怪人の手が彼の頭をつぶそうと振り下ろされかけた時、時は止まった。
そこに現れたのはダッフルコートを着、背中に羽の生えたリュックを背負った少女。
彼女はベルトのような装飾品を指で示して言う。「あのベルトを身につければ戦う力を得ることが出来る」と。
しかし、彼女は続ける。「あのベルトを身につけ、戦う力を得ても、それは新たな苦難の始まりかもしれないかも」と。
祐一はそれを聞いて決断する。
それを彼女に伝え、時が動き出すと同時にベルトに向かって飛び出し、ベルトを身につける祐一。
ベルトが体内に吸い込まれ、祐一は叫ぶ。「変身！！」
次の瞬間、彼の体は灰色の戦士・カノンへと変わっていた。
初めての戦いにとまどいながらもカノンは中津川の助言を受け、何とか怪人を必殺のキックで倒すのだった。
しかし・・・新たな影が四つ、初の戦闘に勝利したカノンを冷ややかに見下ろしているのだった。（Episode.1「戦士」）

初めての戦闘後、祐一は急に体の力が抜けていくのを感じていた。そして、彼は意識を失ってしまう。これが彼にとって初めての体調の変化だった。
次に彼が意識を取り戻したのは病院であり、彼はそこで名雪や香里も同じ病院に収容されたこと、名雪の意識が未だ戻らないことを名雪の母親・秋子から聞かされる。
同じ頃、謎の影達が何やら動きを開始していた。
翌朝、祐一は香里の病室を見舞った。名雪の怪我のことを気に病んでいる香里に大丈夫と安心させるために、だ。そこに香里の妹、栞が入ってきた。姉妹水入らずなので祐一は病室を出て屋上へと向かう。
屋上で彼は再びダッフルコートの少女に出会った。
祐一は彼女に問う。「あれで終わりじゃないな」と。
彼女は答える。「終わりじゃない。そしてもうやってきた」と。
病院に現れたのは四つの影の一つ。禿頭の男。
その男は入院患者や医師、とにかくその場にいたものを物凄い力で投げ飛ばし、傷つけていく。
逃げまどう人々。その中には栞の姿もあった。
禿頭の男がその真の姿（亀種怪人・玄武）を現し、栞に迫る。
そこへ駆けつける祐一。すかさず変身して玄武に飛びかかっていくが、そのパワーの前に圧倒されてしまう。
「無敵の鎧の玄武」と名乗った怪人・玄武のパワーとその強固なボディの前にカノンは追いつめられていく。
蜘蛛種怪人を倒した必殺のキックも玄武の背の甲羅には通じなかった。それどころか、カノンは玄武の体当たりを食らい吹っ飛ばされてしまう。玄武がとどめを刺そうとした時、空に現れた新たな影がそれを制止する。
「運がよかったな」
そう言って玄武が姿を消し、カノンは何とか助かった。そして、そのまま栞のそばに行くと、彼女はカノンを見て、「お願い・・殺さないで」という。その言葉にショックを受けるカノン＝祐一。
そこに香里達がやってきて、カノンと栞を見つける。
「栞から離れなさい、この怪物！」
香里がそう言ってカノンを睨み付ける。
カノンはショックを受けたまま、病院から去っていった。
変身をといた祐一は何とか水瀬家に帰り着き、死んだように眠った。
そして、その翌朝、彼は家の前で恐ろしい程の殺気を放つ男と会う。
同じ頃、学校へと向かう香里達を静かに見つめる姿があった・・・。（Episode.2「強襲」）

祐一は夢の中で三度ダッフルコートを着た少女と会う。
彼女は忠告する。「変身する時はよく考えて」と。
夢から覚めた時、彼を中津川が訪ねてきた。
中津川は薄々祐一がカノンだと言うことを知っているようで協力を申し出る。だが、祐一はそれに答えず、倒すことはおろか手もでなかった敵のことを中津川に相談する。彼のアドバイスは「マシンを使う」、「弱点をつく」というものだった。
そのころ、学校に玄武が出現し、暴虐の限りを尽くしていた。誰も玄武に敵わない。
学校側の通報を受けた警察が到着するがそこに空から新たな怪人（鳳凰種怪人・朱雀）が現れ、警官達に襲いかかった。
逃げまどう生徒達の中、香里と潤は栞を救うため玄武に立ち向かっていく。何とか栞を救いだしたのもつかの間、今度は朱雀が香里達の前に立ちはだかる。絶体絶命のその瞬間、戦うことを新たに決意した祐一がバイクに乗って駆けつける。
彼女たちの前で祐一は変身し、玄武に立ち向かっていく。
驚愕のあまり彼女たちは何も言うことが出来なかった。
カノンと玄武の戦いは続く。
前と同様圧倒的なパワーと絶対の防御を誇る玄武にカノンは乗ってきたバイクを変身させて立ち向かう。
スーパーマシン・アーツランダーを駆使し、玄武を徐々に追いつめていくカノン。そして必殺の体当たりをかわし、アーツランダーでの体当たりを食らわせた上でカノン必殺のキックが玄武の頭を直撃した。
何とか玄武を倒したカノンに続けて朱雀が襲いかかる。そのスピードを生かした攻撃と、必殺のキックを放ったことによる消耗でカノンは追いつめられていくが、間一髪名雪との約束を思い出したカノン＝祐一の猛反撃が始まり、朱雀はたまらずに空へと逃げ出した。遙か高空からカノンを倒そうというのだ。それに気付いたカノンはアーツランダーでの特攻攻撃を思いつき、屋上へとアーツランダーを走らせた。屋上から一気にジャンプするアーツランダー、そしてカノンがその上から更にジャンプする。空中で朱雀を捕まえ、その翼を引きちぎる。
地面へと落下し朱雀は爆発して果てた。
何とか朱雀を倒し、そして地面に叩きつけられ無惨な姿をさらしているバイクを見ながら放心している祐一。
そこに容赦ない非難の声が浴びせかけられる。
ふらつく体を必死に支えながら祐一は何処へともなく歩き出した・・・。（Episode.3「焦燥」）

学校を後にした祐一は一体何処へ向かおうというのか。
水瀬家に刑事が現れ、祐一の所在を問う。不安になる秋子。
同じ頃、学校の保健室で香里は栞から祐一に関する懺悔を聞いていた。
「祐一さんにひどいことをした」という栞を香里は黙って抱きしめる。
ものみの丘で三人の少女がそこに住むという妖狐の死骸を埋葬していた。
川澄舞、天野美汐、沢渡真琴の三人は何かに引き寄せられるようにこの場にいたのだ。
そこに祐一がふらりと現れ、気を失って倒れてしまう。
意識を失った祐一は舞の家に運ばれ、一度意識を取り戻すがまた気を失ってしまう。それほどまで彼は疲弊していた。
夜の街を家路を急ぐ真琴と美汐。その二人の前に物凄い殺気を放つ男が姿を現した。
男が真琴を殺そうとその手を伸ばし、真の姿（虎種怪人・白虎）へと変身する。間一髪舞が二人を助けに来るが、さすがの彼女も苦戦を強いられてしまう。そこにカノンが現れ、何とか白虎と引き分けに持ち込むが、そこで力つき、カノンは祐一へと戻ってしまう。
倒れた祐一を水瀬家へと運び、再び夜が明ける。
朝早くから水瀬家に香里がやってきた。様子のおかしい香里に秋子が優しく話し出す。「二人は無事」だと。
そんな時、祐一が一人、外へとでていく音がし、それを追って秋子も外へでた。
でていく理由を話さない祐一に「貴方の帰る場所はここだから」と言って見送る秋子。
涙を浮かべて立ち去る祐一、そして涙を見せないように空を見上げる秋子。
祐一はものみの丘に帰ってきていた。
そこで待っていた美汐に全てを話し、彼女から白虎を早く倒すよう頼まれる。しかし、そこに真琴が現れ、自分の存在についての秘密を知り、動揺する。
そこに現れる白虎。
真琴の本当の姿を話し、更に動揺を誘う。しかし、そこに舞が現れ猛然と斬りかかっていくがやはり敵わない。
祐一は変身して白虎に立ち向かっていった。
白虎のパワーに苦戦するカノンだが、舞の助力もあり、そして真琴や美汐の想いに答えた妖狐達の魂が力を貸したのか何とか白虎を撃退することに成功する。
戦いが終わり、祐一のそばに寄ろうとする舞を制する祐一。
自分は奴らと同じだと言い、空を見上げる。
そこにかけられる美汐の声。
「貴方は違う。少なくても貴方はあの子達のために泣いてくれた」そう言う美汐。
祐一はその場に崩れ落ち、天を見上げて涙を流し続けた。（Episode.4「憤怒」）

遙か昔の夢を見る祐一。
そこで彼はとても悲しいことがあったことを思い出す。そして自分の戦う理由の再確認も。
川澄家を出た彼はとある公園でばったりと香里と出会う。
ぎこちなく香里と話を始める祐一。自分が変身したこと、そして敵は後一匹だけだと言うことを伝え、彼は去っていく。
そのころ遺跡では中津川が再び調査に訪れていた。
そこで彼は驚愕の事実を知る。今のカノンのベルトは試作品であること、そして封印されている更に凶悪な存在のことを。
伝えたのは少年の姿の怪人だった。
消えた祐一を探す舞、美汐、真琴、そして佐祐理。
病院では入院している栞を見舞うことを口実に潤がやってきていた。潤はそこで香里に驚くことを伝える。「警察が祐一を探している」ことを。更に彼は言う。「何故祐一は戦うのか？」
彼なりの答えを聞いた香里も確信する。
祐一は誰かのために戦っている。誰かを守るために。
その頃祐一は駅前の広場でダッフルコートの少女と話をしていた。
祐一は問う。「お前は誰だ？」と。そして、「何でもいいから敵のことを教えてくれ」と。
少女は答える。「ボクはメッセンジャーとして選ばれただけ」と。そして祐一の身につけているベルトが試作品であることを伝え、「もうやめよう」と言う。
しかし祐一は言う。「限界は後何回だ？」と。彼は戦うことを決意していた。
少女は祐一に戦うことをやめるように言うが祐一は聞き入れない。
「誰かのために何かが出来るんだ・・それっていいことだろ」
そう言って微笑む祐一に少女はもう何も言えなかった。
翌日の学校に、ついに最後の怪人が姿を現した。それは遺跡で中津川に重大なことを教えた少年。少年は手始めに学校中を混乱の渦に叩き込み始める。
祐一は中津川から最後の怪人が自分を呼びだしていることを知り、学校へと急ぐ。
カノンが来ないことをいいことに少年は次々と生徒達を傷つけていく。その手が香里達に伸びた時、祐一がその前に現れた。
何時か自分を非難したにも関わらずこうしてまた助けに来た彼に驚く潤と香里。
祐一は言う。「俺の信念だ」と。
少年は怪人の姿（竜種怪人・青龍）に変身し、祐一もカノンへと変身する。壮絶な戦いが始まった。（Ｅｐｉｓｏｄｅ．５「信念」）

青龍との戦いが始まる。思いも寄らない程の接近戦の弱さにとまどいながらもカノンは必殺のキックを放とうとする。だが、青龍は近くにあったロープを鞭にしてカノンのキックを防いだ。青龍は手にしたものを自分の武器にすることが出来る力を持っていたのだ。今度は棒をロッドに変えてカノンに襲いかかる。苦戦を強いられながらも何とかロッドを放させることに成功したカノンだが青龍は今度は鉄パイプを剣に変えてカノンに襲いかかる。その一撃がカノンを捕らえた。血を吹き出しながら倒れるカノン。今にも青龍の手によってとどめは刺されようとした時、生徒達が駆けつけ、カノンに声援を送る。香里や佐祐理達が周りの誤解をといたのだ。
その声を受け、カノンが再び立ち上がる。
周りの声援に恐れを抱いた青龍を圧倒し、必殺のキックを決めるカノン。
青龍は「ゲームはまだ終わらない」と言い残し、爆発した。
気を失った祐一は保健室に運ばれ、眠り続けた。
全てが終わったように見えた・・・しかし、まだ終わっていなかった。遺跡の内部に封印されていた最後の敵、黒麒麟が復活したのだ。
その頃、祐一を拘束するべく警察が保健室にやってきていた。
香里と潤の抵抗も空しく、祐一は警察に引き渡される。
「名雪のことを頼む」と言い残し、祐一は去っていった。
外に出、パトカーに乗り込んだ祐一達の前に黒麒麟が現れる。
黒麒麟は青龍とよく似た少年の姿で警官隊を一掃し、祐一を挑発する。
祐一は意を決し、変身するが、その力は今までの半分以下であった。
黒麒麟の力の前に為すすべもなくカノンはやられていく。必殺のキックも通じず、カノンはついに敗れる。そのベルトの中央を黒麒麟の手刀に貫かれて。
そこに駆けつけた香里達は無惨な姿のカノン＝祐一を見て、絶望する。だが、それでも潤と中津川は黒麒麟に抵抗を試みた。全く通じず、二人は追いつめられる。
その頃・・・祐一に関わった全ての少女達に異変が起きていた。その少女達は皆、祐一の危機を知り、自らの持つ力を祐一に貸し与える。その力を得て祐一は復活した。
「変身！！」
そのカノンの姿は今までとは違い、黒く染まっていた。そのパワーは黒麒麟と同格。このままでは打つ手がないと判断したカノンは必殺のキックを放つ。それを受け止める黒麒麟だが、カノンはそこで反転し渾身の力を込めたパンチを食らわせた。その一撃が黒麒麟の胸を貫いた。黒麒麟の目から光が失われた時、辺りに爆発が起こった。
その爆炎の中、祐一は微笑みを浮かべながら潤や香里に向けて左手の親指を立てて見せた。そして、彼の姿は更に起こった爆発の中へと消えていった・・・・。（Ｅｐｉｓｏｄｅ．６「炎上」）

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