ZOIDS 
〜勇気ある獅子と正しき邪竜〜

第1話 「始まり」



俺は相沢 祐一。
ヘリック共和国の少尉だ。
もう少し詳しく言えばガーディアンフォース部隊の隊員になる。
先に俺たちの部隊、ガーディアンフォースの主な行動内容を簡単に説明しておこう。
俺たちガーディアンフォースは別名、治安維持部隊。
その名のとおり各地で起こっている「ZOIDS」を使った犯罪事件の鎮圧を任されている。
その他にも未探査地域や遺跡の調査などもやっている。
基本的にひとつの基地にとどまっていることは無いと言っていい。
各地を転々としながら任務を遂行していくんだ。

そして、俺は今、何をやろうとしているかというとさっき言った遺跡の調査だ。
最近、新しくこの近辺で遺跡が発見されたらしい。
その遺跡の内部に何があるか探って来いとのことだ。
とりあえずさっさと行って基地にもどってから久しぶりの休暇にいそしむとしますか。


砂漠を一つの大きな影が進む。
共和国軍ライオン型ゾイド、ブレードライガーMk−Uだ。

このブレードライガーMk−Uは名前のとおりブレードライガーを元に開発されたゾイドだ。
ブレードライガーの量産機でその特徴であった一対のレーザーブレードやオリジナルより縮小されたロケットブースターも積んである。
しかし、ロケットブースターが縮小されたため、オリジナル機より速力は落ちてしまった。
それでも高速型ゾイドとしては申し分ないスピードを叩きだしている。
(オリジナルは305km/hで本機は290km/hである)

風のような速さで砂漠を突き進んでいく。
そして、一つの大きな古ぼけた建物の跡らしきところで立ち止まった。
コクピットが開き、中から年頃17,8の少年が降りてくる。
この建物跡の調査に来たらしい。
しばらくして、
「おーい、名雪!そっちは反応ないか?」
自分が降りたゾイドに向かって叫んだ。
『そこから少し行った右のほうに反応があるよ〜』
するとゾイドから声が聞こえてきた。
中から少女と思わしき人物がスピーカーを通して話しているようだ。
「よし、今からライガーにもどって一緒に入ってみる」
『わかったよ〜』
そう言い少年は自分のゾイドの元へもどっていった。
手馴れた動きでゾイドに乗り込む少年。
「よし、中に入ってみますか」
「うん」
名雪と呼ばれた少女の言うとおりゾイドを元いた位置より少し移動させたらすぐに入り口は発見できた。
ゾイドから降りて入り口の様子を調べる少年。
「十分、ゾイドでも入っていけるな」
この入り口は大型ゾイドでも入れるぐらいの大きさをであった。
『祐一、早く入ってみよう』
「わかった、わかった」
名雪の呼びかけに答え祐一と呼ばれた少年はゾイドに乗り込み共に建物跡に入っていった。
「壁が少しボロいなぁ」
祐一が言うとおり壁の老朽化は進んでいた。
「出来て大分経ってるみたいだね」
「あぁ」
そう言いながらもそのままゾイドを進ませる二人。

「地下か・・・」
祐一の目の先には地下へ通じると思われる通路があった。
「地下にはいろいろと広がっているみたいだよ」
後ろに座していた名雪が言ったとおり、ゾイドのセンサーはそれを示しだしていた。
センサーを見る限り大分入り組んでいるようだ。
「行くぞ」
誰に言うでも無く祐一はつぶやき中にゾイドを進ませる。


地下に降りてしばらくすると広い空間に出た。
以外にも内部の方はそこまで古めかしいものではなかった。
「広いな」
「祐一、中は結構きれいだね」
「あぁ、もう少し奥まで行ってみよう」
祐一は少し警戒心を強めながら言う。

そして遺跡の最深部と思われる場所にたどり着いた。
「ここは?」
「なんだろう?壁にたくさん何か掘り込まれてるね」
名雪が言うとおり壁にはなにやら文字が掘り込まれていた。
「古代文字なんだろうか?」
「中の様子録画しておくね」
「頼む」
そのとき、コクピット内に鋭い音が鳴り響いた。
「なんだ!?」
「動力反応!!この反応、スリーパーゾイドだよ!!」
「確認した!数は……3体か!」
「来るよ!」
名雪の声と共に前方に一体のゾイドが現れた。
共和国軍サソリ型ゾイドのガイサックだ。
8速歩行による高い走破能力を持ち、格闘専用のレーザークローとウェポンラック兼射撃兵器を搭載の尾を持つ、隠密性に優れた機体である。
「ここはライガーが戦うには少し狭すぎる!!一度、遺跡の外へ出るぞ!!」
「待って!!出口はふさがれてるよ!!」
「ちっ!!」
名雪は最初に現れた一体の後ろにまた二体いることをレーダーで確認していた。
「なるべく遺跡を傷付けたくないがしょうがない!!レーダー頼む!!」
「任せて!」
ガアァァァァァッ!!
ライガーが雄叫びを上げる。
そして祐一が操縦桿を握るとブレードライガーは敵に向かっていった。
ガイサックが敵を仕留めようと射撃武器を連射してくるのを巧みに機体を左右にずらし回避しながら進むことで着実に相手との距離を詰めていく。
相手との距離がほぼ0になったときライガーの前足を大きく振り上げた。
ガイサックはライガーが目前に迫ったので一対のレーザークローを構え応戦しようとしたが反応が遅すぎた。
「こいつでも喰らいやがれ!!」
そう叫び前足を振り下ろした。
敵ゾイドのガイサックは頭部にライガーの足先にあるストライククローの直撃を受け沈黙した。
「一機目!!」
敵が沈黙したのを確かめ、目標の背後に迫ってきていた二機へターゲットを移した。
「名雪、しっかりつかまってろ!!」
「わかったよ!!」
「一気にカタを付けるぞ!!ブースター、ON!!ブレード展開!!」
背部に装備してあるロケットブースターを点火し、左右にレーザーブレードを展開する。
左右に展開したブレードが微細な振動により輝き始める。
そして、そのままフルスピードで駆けてゆく。
敵が攻撃して来ようと怯まず左右へ機体をずらすことによって一気に距離を詰める。
「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
機体が二機の敵の間を交差するのと同時に展開されたレーザーブレードが切り裂く。
ライガーが足を止めるのと同時に上下に真っ二つに切り裂かれたガイサックが崩れ落ちる。
そして二機は沈黙した。
ガアァァァァァァァァッ!!
ライガーが勝利の雄叫びを上げる。
「終わったな、とりあえずここを出て調査班を呼んでおこう」
「うん、だけど何でこんなところにスリーパーゾイドがいたんだろうね?」
「わからない、調査をすれば出てくることじゃないのか?それと後ろを見てみろ」
「えっ?」
祐一の問いかけにゾイドで後方確認をする名雪。
「あっ!!」
「ボロボロだぞ」
祐一が言ったとおり後方にあった遺跡の壁は敵ゾイドの攻撃を全てかわしていた為、
ライガーを超えていった銃弾はそこに命中していたのだ。
そのせいか壁は蜂の巣状態だった。
「はぁ、調査班のやつらこれを見たら泣くぞ」
「そうだね……」
戦闘をしたことがまずいと思ったのかテンションが下がる二人。
「しょうがない、このことは放っておいて帰るぞ」
「それは酷いと思うよ……」
「だけど、俺たちだけでは何も出来ん」
「……」
そう言って入口の方へとゾイドを進めていった。


基地へ戻る途中。
「今日は少し疲れたな、早くリバーサイド基地へ戻って休みたいもんだ」
「じゃあ、もどったら近くの町へ遊びに行こうよ?」
名雪は行く気満々である。
「部屋で寝ときたいんだけどなぁ」
「全然動かないでいると運動不足になるよ」
「町に出るぐらいでもなると思うけどなぁ」
簡単に話しながら二人は基地へと急ぎ戻るのであった………



深き森の中。
一人の少年が歩いていた。
「今日もここは気持ち良いな、木々の間から照りつけてくる光がちょうどいい明るさで」
そうつぶやき、草が生い茂る地面へ腰をおろす。
その時だった。
ズウゥン!
地を揺らす大きな音に気づいたのは。
「なんだろう?」
ズウゥン!ズウゥン!
だんだんその音は近づいてくる。
強く、はっきりと。
すぐ後ろの方まで聞こえてきたところでその音は止んだ。
「えっ?」
少年が振り向いたそこには一体のゾイドが立っていた。
グァウゥゥゥゥゥッ
唸るゾイド。
「これは?」
大きく、見るものに恐怖を与えれるほど、
まがまがしい竜の形をしたゾイドが立っていた・・・・・・









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第2話「出会い」

獅子と邪竜は平和を望む・・・・・・

続く
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