<千代田区皇居付近 15:08PM>
ソルンは右手の石の力を解放させようと、意識を集中させる。
その時、ナノヂ・ゴバルは左手の中指を伸ばし、猛毒の針を発射させた。
「!!」
力の解放に意識を集中させていたため、ソルンの反応が遅れてしまう。
そのまま猛毒の針は……ソルンの首に刺さり、体内に入り込んだ。
「ぐっ!?」
途端、ソルンの意識が揺らぎ始める。
足元がふらつき、まともに立っていられない状態だった。
意識も朦朧としていて、体の自由が利かない。
「ロサレミバ・ショグテシュマ・ジョグン・ギョルヂニシャ・ゴデリイョル・ロデモ・ニャサバ・ナネマリ!!」
そう言い、ナノヂ・ゴバルは無防備な状態のソルンに向かって飛び掛かった。
しかし、ソルンはまだ意識が回復してなく、成す術がない。
そうしている間に、ナノヂ・ゴバルの鋏がソルンの首を捕えた。
「ぐっ!?」
ソルンはその鋏を外そうとするが、手に力が入らず、ナノヂ・ゴバルの成すがままとなってしまっている。
鋏の力はさらに強まり、ソルンの首を挟み切ろうとしている。
(まずい………意、識が……持、た…な………)
ソルンの意識が朦朧とし、手の力が無くなってしまった。
「ゴデシェ・ロヴァヂ・ジャ!カノンソジョギ!!」
ナノヂ・ゴバルは鋏を一端離し、空いた手でソルンを支える。
そして……トドメと言わんばかりに鋏を勢いよく振った。
鋏がソルンの首を捕えるまさにその瞬間───
「ウオォォォッ!!!」
颯爽と青いカノンが飛び出し、手にしている青いロッドでナノヂ・ゴバルを突き飛ばした。
不意を付かれた攻撃でナノヂ・ゴバルは大きく吹っ飛ばされる。
支えを失ったソルンは、そのまま前に倒れて行く。
「広本!」
カノンは慌ててソルンを受け止めた。
そこに、1台の覆面パトカーが現れる。
中から出てきた国崎往人はカノンと倒れたソルンの元に駆け寄る。
その時、ソルンは昇太の姿に戻った。
「広本は?」
「気絶しているだけだ。国崎さんはこいつを病院に!」
カノンは昇太を往人に任せると、起き上がっているナノヂ・ゴバルの前に立ち塞がる。
「ゴヲジョ・バ・カノンガ・シュグシュグ・ロサレダガ・ゼースン・イャサン・ニシャリ・ギョルジャマ!」
ナノヂ・ゴバルは鋏を動かし、カノンに迫る。
カノンはロッドを振り回し、ナノヂ・ゴバルと距離を取りつつ、攻撃を行っている。
しかし、ナノヂ・ゴバルの胸部の装甲は、カノンのロッドの攻撃を殆ど受け付けていない。
(あそこだけが他よりも硬い……なら!)
カノンは一旦後ろに飛ぶ。
「フォームアップ!!」
そしてカノンは青から赤へと色を変えた。
色が変わったのを見て、ナノヂ・ゴバルは左手を伸ばす。
「!!」
しかし、途中でナノヂ・ゴバルはある事に気付き、伸ばした左手を戻してしまう。
その間にカノンは強化された右腕を振り、突進するように前に出る。
ナノヂ・ゴバルは慌てて避けようとするも、反応が遅れて避け切れなかった。
「ウオオリャアァァァァァッ!!」
そして炎を纏った拳をナノヂ・ゴバルに叩き込む!
ナノヂ・ゴバルは大きく吹っ飛ばされ、そのまま姿を見失う。
カノンは後を追うが、既にナノヂ・ゴバルの姿は無かった。
「くそっ、逃げたか……」
そう呟き、カノンは祐一の姿に戻る。
昇太の様子を見ようと、祐一はロードツイスターに跨り、関東医大病院へと向かった。

仮面ライダーソルン
Episode.10「覚醒」


<彩の家・彩の部屋 15:41PM>
講義を終え、彩は真っ直ぐ家に帰り、明日の支度をしている。
支度そのものはすぐに済んだが、彩はそわそわして落ち着かない。
明日の事を考えると、どうしても気持ちが昂ぶってしまう。
「昇太君……」
昇太の名を呟きながら、彩は早く明日にならないかと思っていた。
だが、その日は昇太が生きるか死ぬかの瀬戸際だと言う事を、彼女はまだ知らなかった。

<関東医大病院 16:28PM>
病院に到着した祐一は、足早に霧島聖のいる診断室に向かった。
ドアを開けると、聖と往人が何やら話しをしていた。
「おお、祐の字。C4号は?」
「逃げられた……それで広本は?」
「首を強く締められた痕が残っているが、傷に関しての心配はない……」
言葉とは裏腹に、聖は深刻な顔をしていた。
「何かあるのか?」
「……さっき彼の体を調べた時……C4号の毒針らしき物が見つかったんだ」
「なっ!?」
驚愕の表情を浮かべる祐一。
未確認生命体C4号ナノヂ・ゴバルは、猛毒の針を遠くから刺して人を次々と毒殺している。
その毒が、昇太の体にも埋め込まれてしまったのだ。
「取り外せないのか?」
「残念だが……現代医学では取り外すのは不可能だ」
聖は悔しげな顔をした。
自分の、現代医療の力では未確認生命体の被害者を救う事が出来ていない。
以前祐一が死の危機に陥った時も、何も出来なかったのである。
「あと、これは恐らくとしか言えないが……C4号の猛毒は発生するまで少し時間が掛るみたいだ」
そう言って聖は往人を見る。
聖の視線を受けた往人は警察手帳を開いた。
「C4号の被害に対する目撃者の話で共通点が見られたんだ」
「共通点?」
「ああ。何でも被害者は死ぬ前日に身体が急によろけたって話だ」
警察手帳のページを捲りながら往人は言う。
「それが妙に思えて色々調べてみたんだ。個人差はあるが、どの被害者もその身体のよろけは毒死する大体24時間前に発生しているんだ。多分その毒針は刺さってから約24時間前後に毒が発生して毒死させる特製を持っている」
往人が警察手帳を閉じると、今度は聖が口を開けた。
「……広本君の身体に毒針が埋め込まれたのは大体午後3時過ぎ。だから明日の午後3時までに何とかしなければ……」
「広本が………死ぬ……」
その言葉に、祐一の頭の中で嫌な映像がよぎる。
皮膚が紫に変色し、醜い痕を残しながら死んでいく昇太の姿が。
「……何とかならないのか?」
やや青褪めた顔で呟く祐一。
「すまない……現状ではどうしようもないんだ」
「じゃあ広本は助からないのか!?」
祐一は思わず声を荒げて立ち上がる。
昇太がソルンとなってまだそれ程経ってはいなが、それでも祐一にとって、昇太は共に未確認生命体と戦って来た大切な仲間なのである。
その仲間が死んでいくのを黙っている訳にはいかなかった。
往人も聖もそれは同じである。
だが、現状では昇太の毒を取り除く方法は無い。
だから2人共答えられなかった。
「……」
祐一は悔しげな顔をして椅子に座り込む。
その時3人は気付かなかった。
ドアの向こう側でその話を聞いていた者が居た事に。

<都内某所 18:27PM>
人気の無い地下の通路で座り込んでいる者がいた。
ナノヂ・ゴバルである。
先程の戦いでカノンの攻撃によるダメージが大きく、その傷の再生を行っていた。
特に自分の体の中で最も硬い胸部の装甲にかなりの罅が残っている。
「……サラ・リリ、カノンソジョギバ・ソル・シャヌガダマリ……ゴモササ・ギャデバ・ゼースザ・ロヴァヅ……」
そう呟くナノヂ・ゴバルの元に、小型の物体が現れ、そのままナノヂ・ゴバルの左手の中に入って行く。
ナノヂ・ゴバルにとって、それは当たり前の事であった。
傷の再生が済むと、ナノヂ・ゴバルはゼースを再開する。

<警視庁未確認生命体対策本部 21:43PM>
警視庁に戻った往人は、未確認生命体C4号の被害を纏めた資料を1枚1枚読んでいる。
何か見落としている物はないか。
毒を取り除く方法はないのかと。
「国崎さん?」
そこに住井がやって来る。
往人はそれに構わず資料を読み尽くしている。
「どうしたんですか?そんなに熱心に調べて……」
「……知り合いがC4号の餌食になっちまったんだよ」
「えっ!?」
思わず驚く住井。
「だから何とか毒を取り除く方法はないか探してるんだ……」
そう言う住人の手が止まる。
そのページには死体から小型の物体が現れ、その物体は何処へと飛んで行くと言う内容が書かれていた。
(小型の物体?何でそんな物が……)
さらに調べると、C4号による被害は、平均して1日に約10人前後と決まっていた。
(何故だ?殺そうと思えばもっと殺せる筈だ……何故こんなに決まった数なんだ?偶然にしては出来過ぎている……何かあるのか……?)
往人は暫くの間、その疑問について思考を巡らせていた。
タイムリミットまで、あと約17時間。

<翌日、新宿区新宿御苑 8:51AM>
C4号から受けた傷は1晩で完治し、昇太は直ぐに退院出来た。
病院を出た昇太はベンチに座り、ナノヂ・ゴバルとの戦いを思い出していた。
あの堅牢な胸部の装甲は自分のキックを簡単に弾き返している。
そして、咄嗟に色を変えようとした時に猛毒の針を受けてしまった。
実は、ソルンの色の変化はカノンの変化よりも僅かに時間が掛ってしまう。
さらに色を変化する為に意識を集中しなくてはならない。
お陰でその僅かな時間、ソルンは無防備な状態になってしまうのである。
だから毒針が来た時反応が遅れてしまったのだ。
そうなると、場合によってはどんなに不利な戦いでも色の変化が出来ないまま戦わなければならない時も出てくるだろう。
だが、今のままでは決め技の力が足りない。
もっと強いキックでないと倒せないと昇太は考えていた。
今、昇太は頭の中で様々なキックの方法を思い浮かべている。
(どうすれば……どうすればもっと強いキックが出せる?)
さらに威力のあるキックを出すにはどうすればいいのか、昇太はそれだけを考えていた。
「随分難しい顔をしていますね」
その声で、昇太の意識が現実に引き戻される。
声の主は鹿塚直樹だった。
直樹は缶コーヒーを片手に、昇太の隣に座る。
「何を考えていたのですか?」
「ちょっとイメージトレーニングをしてたんだ。今のままじゃヌヴァラグに対抗出来ないと思ってな」
昇太はC4号との戦いの事を直樹に話した。
「……そのC4号の毒は人の体に刺さったら大体24時間で毒死するんだ。今その毒を取り除く方法はないかと調べてる」
「……ひょっとしてそのC4号はこんな姿をしてませんでしたか?」
そう言いながら直樹は背負っていたバックから紙と鉛筆を取り出し、昇太の話したC4号の姿を書く。
「こんな姿でしたか?」
直樹の書いた物は、C4号の姿そのものであった。
「……そうだ!奴を知ってるのか?」
考えてみれば知っているのは当然である。
彼とてヌヴァラグであり、今までに何体ものヌヴァラグと行動を共にしたのだからヌヴァラグの事を知っているのは当たり前の事だ。
「はい、こいつの名はナノヂと言うのですが……奴は左腕の中に毒針を仕込み、それをビサンの体に埋め込んでその毒で殺す能力を持っています」
「その毒を取り除く方法はあるのか?」
「方法はただ1つです……奴を、ナノヂを倒すしかありません」
やや複雑な表情で直樹は答える。
本来なら、直樹はヌヴァラグと言えども極力倒さずにしている。
だから倒すしか方法はないと言うのは、直樹にとって複雑なのだ。
現に、今まででも殆どのヌヴァラグを倒す事でしか止める事が出来ない状態である。
「倒すって……だけど毒は……」
「心配ありません、実はあの毒針はビサンの身体に入った時点ではまだ卵の状態なのです。その卵は熱に弱いので身体に入っても毒は消滅してしまいます。ですがナノヂは遠隔操作で卵が消滅しないよう、守っているのです」
「守っているって……そんな事が出来るのか!?」
信じられないと言った表情の昇太。
今までにも信じられないような事は何度もあったが、やはり信じ難いと思ってしまう。
「可能です。ナノヂは毒針と一緒に小型の球体をビサンの身体に入れます。その球体はナノヂから発せられる力を受け取り、卵に結界を張るんです。それによって卵が消滅する事無く埋め込まれ、やがて卵が孵化して猛毒が発生したら、その球体は再びナノヂの元へ戻ります」
「戻る?」
「はい、その球体は何個もあるわけではないので、役目を終えたら次の卵を守るために戻らなくてはならないのです。ですから1日にビサンを殺せる数はかなり限られています。それで本題ですが、ナノヂを倒す事によって、結界を張る為の力の供給が断たれるので、卵は自然に消滅するのです」
「そうだったのか……しかし、よくそこまで知ってたな」
「以前ナノヂが自分の能力を不満に思っていた事を聞きましたので」
思わず昇太は納得する。
方法が分れば、後は実行すれば良い。
しかし、昇太はまだそれが出来なかった。
いくら方法がわかっても、それが出来なければどうにもならない。
C4号を倒す為には、さらに強くならなければならないのである。
強いキックを編み出す事もそうだが、己の戦闘能力も向上していかなければ、この先ヌヴァラグと渡り合えるかもわからない。
「……鹿塚さん」
「なんですか?」
「ちょっと頼みがあるんだ」
昇太は自分の戦い方が気になり、直樹にある頼みをした。

<静岡駅 9:14AM>
駅のホームに東京方面行きの新幹線が到着した。
扉が開くと、彩は荷物を持ち直して中に入り、窓際の席に座る。
『間もなくドアが閉まります。ご注意ください』
暫くして駅員のアナウンスが流れ、ドアが閉まる。
そして新幹線はゆっくりと動き出し、東京に向けて出発した。
彩は静かに外の風景を見つめている。
(昇太君……)
彩の手が強く握られる。
正直、昇太を見付けられる可能性はかなり低い。
それでも、その僅かな可能性に賭けて昇太を探すと決めた。
(絶対……見つけるから)
彩を乗せた新幹線は順調に東京に向かって行く。
だが、こうしている間にも昇太の死は刻一刻と迫っている。
残された時間は、あと6時間も無い。

<都内某所 9:47AM>
人目の付かない森の中、昇太と直樹は向かい合っていた。
「悪いな、こんな事に付き合わせて」
「気にしないで下さい。それに僕も昇太さんの力が気になりますから」
「そう言って貰えると助かる……」
昇太はそう言い、さっと胸の前で腕を交差してその腕を左胸の前に引き、十字を作る。
すると、昇太の腰の部分が光りを発し、ベルトが浮かび上がる。
続いて左手を引き、右腕を真っ直ぐ前に伸ばす。
そして肘をゆっくりと曲げ、右手を胸の前まで引いた。
「変身!!」
そう言って右手を引き、左腕を直角に突き立てる。
するとベルトの中央から光が放たれ、淡く発光し始める。
淡い光は徐々に強く大きく光り、戦士・ソルンへと姿を変えた。
「それが昇太さんの新しい力、ソルンなのですね」
ソルンの姿を見ると、直樹は左手を腹部に据え右手で印を結び、左腕を立て剣指にして右手をそのまま腹部へ動かす。
すると、彼の腰にバックルで覆われたベルトが出現する。
次に右手を横に突き出し、空を切るように腰に引いた左手に宛がう。  
そして右手を腰に引きつつ左手を逆剣指で前にゆっくり突き出す。
「変真!!」
そう言って左手を反し腰に引き、右手を剣指にして左上に掲げる。
バックルが左右に開き、現れた霊石から光が放たれ、直樹は戦士・ゼルバへと姿を変えた。
互いに構えるソルンとゼルバ。
静寂の空間が2人を包む。
「では……行きます!」
そう言い、ゼルバが動き出した。

<東京駅 10:06AM>
『まもなく、東京、東京。御出口は左側です』
駅員のアナウンスが流れ、新幹線のスピードが緩む。
彩は荷物を纏め、ドアの前に立つ。
そして新幹線は止まり、ドアが開くと、彩はゆっくりとホームに降りる。
「えっと……文京区は……丸の内線で茗荷谷駅だったわね」
メモしておいた紙を見ながら、彩は丸の内線に乗り換える。
石山洋介が言った文京区を目指し、彩は池袋方面の電車に乗った。

<都内某所 同時刻>
ソルンとゼルバは、ほぼ互角の戦いを繰り広げている。
ゼルバが押している様にも見えるが、ソルンはゼルバの攻撃を受け流し、弾き、躱し、カウンターの要領でゼルバを責めていた。
「それなら……」
そう呟き、ゼルバは一端ソルンとの距離を取り、再び迫る。
ゼルバは途中、木を蹴り、飛びながらソルンに迫ってきた。
ソルンは素早くキックの体制を取り、ゼルバと接触するタイミングを計る。
そしてある程度の距離に来た瞬間、ゼルバは身体を捻り、回し蹴りの体制を取り始めた。
ソルンは垂直にジャンプし、身体を縮める。
『ハアッ!!』
ソルンは左足を突き出し、ゼルバは右足を振り、激突した。
両者の力がぶつかり合うが、威力はゼルバの方が上回っていた。
「くっ!」
従って、力負けしたソルンは、ゼルバのキックに弾かれ地面を転がった。
着地したゼルバは直樹の姿に戻り、ソルンの元に駆け寄る。
「……やっぱり力負けしたか」
ソルンは起き上がりながら昇太の姿に戻る。
「そうですね。昇太さんの戦い方は相手に先手を打たせて、相手の体制を崩しつつ攻撃に転じるやり方ですね」
「ああ……とある都合上、そう言うやり方を覚えたんだ」
昇太は高校時代、合気道部に所属していた為、今までの戦い方にもその影響が大きく出ている。
「確かに戦闘では有利に進められると思います。でもキックの時にまでその動きが出ていて、その所為で力負けしてしまうようです、もっと前に攻めるようにした方が良いと思います。特にキックの時には」
「そうか……わかった、ちょっとここで特訓してみる」
「そうですね、では僕はこれで……」
昇太は礼をしつつ、去っていく直樹を見送る。
「さて……やってみるか」
軽く準備体操をして、昇太はイメージしていた事を試し始めた。

<文京区茗荷谷駅入口 10:22AM>
「着いた……」
彩は茗荷谷駅に到着し、電車を降りて外に出る。
正直、彩にとって右も左もわからない場所ではあるが、昇太を探す為、迷ってはいられない。
(……行こう!)
決意を固め、彩は歩き始めた。
探す時間は殆ど無い事も知らずに。
昇太に残された命の灯火は、あと4時間を切っている。

<都内某所 11:39AM>
あれから昇太は様々なキックを試してみるものの、中々これと言った物が出ず、時間だけが過ぎていく。
途中、息が上がってしまったので、昇太は休憩の為地面に腰を下ろす。
「……」
昇太は今まで見てきた戦士達のキックを思い出していた。
カノンは空中を1回転し、右足を突き出す。
ゼルバは空中を飛び、その勢いで右足を振り、回し蹴りの如く叩き込む。
ネオと呼ばれた謎の戦士は、敵を打ち上げてから自分も飛び、敵を斬るように右足を振り下ろす。
それぞれが、それぞれの方法で威力の高いキックを持っている。
今の昇太に足りないのは、勢いだ。
(勢いなら走る事で補えるけど……それだけじゃ足りない。もっと……もっと威力を上げるには……)
その時、カノンのキックを思い返して、1つの考えが出た。
(相沢さんは空中を回転している……あの回転を増やしてみるか……)
昇太はすぐさま思い付いた事を行動に移そうと立ち上がる。
狙いは目の前にある木。
「……」
昇太は走り出し、木との距離を詰める。
そして一定の距離になった時、昇太は大きくジャンプ。
空中を1回……2回……3回……4回転する。
「ハァッ!!」
そして左足を突き出した!
昇太のキックは木に直撃し、その反動が自分に来る。
着地した昇太は、今の感覚を体中で感じとっていた。
(……これだ!)
自分の中で確信が持て、昇太はC4号を探そうとバイクに歩み寄る。
その時、バイクに置いてあったバックで携帯電話が鳴っている事に気付く。
どうやら特訓に夢中になっていて気付かなかったようだ。
昇太は慌てて通話ボタンを押す。
「はい」
『お、やっと出たか。さっきから何度も掛けたんだぞ』
その声は昇太の友人の石山洋介だった。
「悪かった、それで何だ?」
『実は……深見がそっちに向かったんだ。多分もう着いてると思うが』
「深見さんが?でもそれがどうかしたのか?」
理由が全くわからず、昇太は首を傾げている。
『深見はな……その…お前を探しに来たんだ』
「えっ……」
ますます理由がわからず、昇太は考え込む。
だが、その理由が出てこない。
「何で俺なんだ?俺を探す理由が何処にあるんだ?」
『いや……それは、その……えっと……』
洋介はその答えが言い難く、言葉を濁している。
その時、木下雅美の声が聞こえ、洋介は雅美に電話を代えた。
『もしもし?聞こえますか?』
「ああ。それで、深見さんは何で……」
『彩さんは……広本さんの事が好きなんです』
「…………」
あまりの驚きで、昇太は少しの間、声を出せなかった。
頭の中で、昇太はかなり混乱していた。
「……ちょ、ちょっと待ってくれ!どうして俺なんだ?急にそんな事を言われたって、俺は……」
『……彩さんは広本さんがいなくなった日から、ずっと広本さんの事を心配していました。以前広本さんを探しに東京に来た時、広本さんが見つからなくて、彩さんは泣きそうな顔をしていました……きっと私達の知らない所で、彩さんは泣いていたと思います』
雅美の言葉に、昇太は複雑な表情をしていた。
自分の知らない所で、自分の所為で彩が泣いていたとしたら、自分が何とかしなければならない。
しかし、何をすればいいのだろうか。
いや、それはわかっている。
「……深見さんは俺の事を知ってるのか?」
『いえ……彩さんには言ってません』
今はまだ自分がソルンだと言う事は知らない。
しかし、彩と会った時には言わなければならない。
自分が未確認生命体と呼ばれている事を。
その事を言ったら、彩は何と言うだろうか。
泣き崩れるだろうか、それとも自分を化物呼ばわりするだろうか。
どちらにしろ、彩にとって良いものでは無い。
「……わかった。後は俺の方で何とかする」
『はい……すいません、広本さんが大変な事はわかっていますが……』
「気にするな、毎日戦ってる訳じゃないから」
そう言い、昇太は通話を切る。
「…………」
昇太の中では、様々な気持ちが渦巻いていた。
自分は彩に何と答えればいいのか。
しかし、中々良い答えが出てこない。
とは言え、彩に会わない訳にはいかない。
「……」
昇太はまずC4号を優先させ、バイクを走らせた。

<千代田区内某所 13:52PM>
『祐の字!』
未確認生命体C4号ことナノヂ・ゴバルを探している祐一に、ロードツイスターに搭載されている通信機から往人の声が聞こえた。
「国崎さん!C4号が見つかったのか!?」
『いや……別の、未確認生命体第30号が現れたんだ』
「何だって!?」
予想外の状況に驚く祐一。
昇太の命がもう1時間程しか無い状況で別の未確認生命体が現れてしまった。
非常にタイミングが悪い。
(こんな時に……くそっ!!)
非常に危うい状況に思わず歯噛みする祐一。
『現在港区の海沿いにいる……広本の事もあるが……頼む!』
申し訳なさそうに声を絞る往人。
いくら時間が無いとは言え、暴れているヌヴァラグをこのまま放っておく訳には行かない。
「……わかった」
祐一は進路を変え、未確認生命体のいる港区へと向かった。

<港区内某所 14:19PM>
海沿いの道を歩いている人達を水中から見ている者がいた。
その者は、最も人が集まった瞬間、一気に飛び出した。
雷魚に似た姿の未確認生命体第31号ダリジョ・ガバルは、そのまま集まった人達に襲い掛かる。
「!!!」
突然の未確認生命体の出現に、人々は慌てて逃げ出そうとする。
しかし、だれもその場から逃げる事は出来なかった。
そこにいた全ての人達が、ダリジョ・ガバルの餌食となってしまった。
ダリジョ・ガバルは辺りを見回すと、近くにまだ人がいる事に気付く。
1番手近な人を狙おうとしたが、その人は急に苦しみ出した。
「マヲジャ?」
やがてその人は皮膚を紫に変色させながら、絶命した。
ダリジョ・ガバルはその死に方に疑問を覚えた。
恐らく自分と同じ者、ヌヴァラグによる物だろう。
しかし、ゼースを行う場合、本来1体で行う物であり、他のヌヴァラグが同時にゼースは行わない。
「サナガ……ギャシュギャ・ザ……サラ・リリ」
そう呟くと、ダリジョ・ガバルは他の人を狙おうとする。
そこにロードツイスターが現れた。
「あれか……変身ッ!!」
ヌヴァラグの姿を見つけ、祐一は叫ぶ。
腰にベルトが浮かび上がり、その中央が光を放つ。
祐一の姿は戦士・カノンへと変わり、同時にロードツイスターもカノン専用マシンに変わる。
カノンはそのままロードツイスターでダリジョ・ガバルに突進した。
突然の攻撃を受けて吹っ飛ばされるダリジョ・ガバル。
(時間を取られる訳にはいかない……さっさと倒す!!)
ロードツイスターから下りると、カノンは焦る気持ちを押えながら構える。
「カノン!リリジャドル・ロサレバ・ゴモ・ロデザ・ゴドヌ!」
ダリジョ・ガバルはカノンの姿を見ると、すぐさま跳び掛かって来た。
カノンもダリジョ・ガバルを迎え撃つ。
そのままカノンとダリジョ・ガバルは激しい攻防を繰り返していた。
だが、互角ではなく、カノンの方がやや押されている。
そこに、Kディフェンサーに跨ったPSK−03が到着した。
PSK−03は、ブレイバーショットでダリジョ・ガバルの動きを止める。
ひるんだ隙に、カノンのパンチが叩き込まれた。
「待たせたな!」
そう言いながらPSK−03はカノンの元に駆け寄る。
しかし、カノンはそれを制した。
「待ってくれ、こいつよりもC4号の方を探してくれ!」
「C4号を?」
「早くしないと広本の命が危ないんだ!」
突然のカノンの言葉に首を傾げるPSK−03だったが、命が危ないと言われて驚く。
「命って……どう言う意味だ?」
「C4号の毒が広本の身体に埋め込まれたんだ、その毒があと2時間も経たない内に発生する……そうなったら……広本は毒死する」
そう言っている間に、ダリジョ・ガバルが迫って来た。
「だからC4号をそれまでに倒さなきゃならないんだ!もう時間がない……頼む!こいつは俺が倒す、お前はC4号を見つけて倒してくれ!!」
ダリジョ・ガバルを押さえつけながら、カノンは叫ぶ。
「……七瀬さん」
『……わかったわ、北川君は直ちに戻って来て』
「了解!!」
PSKチームのリーダー、七瀬留美の了解を得て、PSK−03はKディフェンサーに跨り、走り出した。
それを見たカノンは、ダリジョ・ガバルに意識を集中させる。
「今お前に時間を取られている暇は無いんだ!!」
カノンは全力でダリジョ・ガバルに迫る。

<文京区内某所 14:26PM>
あれから彩は文京区内を歩いていたが、昇太を見つけられていない。
途中、公園があったのでそこで休憩する事にした。
「ふぅ……」
バックからペットボトルを出し、中に入っている水を飲む。
この時彩は気付かなかった。
自分の命が狙われている事に。
彩の背後で、ナノヂ・ゴバルが毒針を放とうと構えていた。
「ワン!!ワン!!」
その時、犬の鳴き声が五月蝿く響いていた。
何かと思い、ナノヂ・ゴバルは鳴き声の方を向く。
吠えている犬は、自分に向かって吠えている事に気付いた。
そして、その犬の飼い主であろう人はナノヂ・ゴバルの姿を見て声も出ないくらいに震えていた。
「チッ!」
自分の姿を見られ、舌打ちしながらナノヂ・ゴバルは鋏を構え、その人と犬に襲い掛かる。
その時、犬がナノヂ・ゴバルの足に噛み付こうとするが、あっさり鋏で千切られ、飼い主も同じ様に千切られた。
ナノヂ・ゴバルは殺したのを確認すると、彩のいた場所に戻ろうとする。
しかし、振り向いた瞬間、目の前に彩の姿があった。
先程の犬の鳴き声でこちらに気付いてしまったようだ。
「……あっ……ぁ……」
彩は声を震わせ、金縛りにあったかのように動けなくなっていた。
「チッ!ギナサソ・ゴゴシェ・ニメ!」
やや悔しそうな言い方でナノヂ・ゴバルは彩に向けて鋏を伸ばす。
彩は目を閉じる事も出来ず、格好の的となっている。
その時、何者かが跳び込んで、ナノヂ・ゴバルにキックを放つ。
ナノヂ・ゴバルは大きくよろけて、近くにあった木にぶつかる。
キックを放った人物は、彩の前に着地する。
そこにいる人は、彩が今までずっと探していた人……そして……彩が今1番会いたい人であった。
「昇太……君?」
彩は信じられないといった顔で昇太を見る。
昇太は彩に背を向けたまま、ナノヂ・ゴバルを見据えている。
「ロモデ……ビサン・ブネリザ!!」
立て続けに自分の思い通りに行かず、ナノヂ・ゴバルは怒っていた。
本当なら、昇太はこのままソルンになりたいのだが、後ろには彩がいる。
今は彩を安全な場所に行かせたいが、そう簡単にはいかない。
少しの間、膠着状態が続く。
やがて痺れを切らし、ナノヂ・ゴバルが迫って来る。
その時、背後から銃声が響いてナノヂ・ゴバルの身体に銃弾が撃ち込まれ、体制が崩れる。
「大丈夫か!」
現れたのはPSK−03だった。
左手にブレイバーショット、右手に高周波ブレードを装備したPSK−03は昇太と彩の元に駆け寄る。
「ここは俺に任せろ、お前はその人を!」
「はい!」
昇太は彩の手を掴み、公園の外へと走り出す。
PSK−03は2人を見送ると、ナノヂ・ゴバルに向き直る。
「ビサンモ・ネヲニ!ゴヲジョバ・ギナサガ!」
ナノヂ・ゴバルは怒りに身を任せ、PSK−03に迫る。

公園を出た時、昇太と彩は美坂香里と霧島聖に出くわした。
「広本君じゃないか、どうしたのだね?」
「そこの公園にC4号が出ました!」
「何ですって!?」
ヌヴァラグの出現に、表情が変わる香里と聖。
「今警察のPSKって奴が戦ってます、すいませんが深見さんを!」
昇太は彩を2人に頼むと、公園に戻ろうと走り出す。
しかし、彩は昇太の手を掴んでいた。
「……行かないで」
「えっ?」
彼女の事を知らない2人は、彩の行動に驚く。
「やっと会えたのに……また離れるなんて……そんなの…嫌だよ!!」
絞り出すような声で昇太の手を強く握り締める。
「広本君……彼女は?」
「……」
聖の言葉に、答えられずに俯く昇太。
だが、それだけで聖も香里も大体理解出来たようだ。
「……深見さん」
昇太の声で、彩は顔を上げる。
昇太は言い難い顔であったが、意を決した。
「……このままだと……どう足掻いても俺は離れる事になる」
「えっ……?」
その言葉には、彩だけではなく香里や聖も驚く。
「どう言う意味よ?」
「まさか……!?」
昇太の状態を知っている聖は、昇太の言葉の意味に気付く。
「知っていたのか?」
「すいません……話は聞いていました」
そう、昇太は聖達が話している事をドア越しに聞いていたのだ。
だから自分が死ぬ時間も大体見当が付いている。
「何?広本君に何かあったのですか?」
状況を知らない香里は、思わず聖を見る。
「広本君は……昨日未確認生命体C4号の毒を受けてしまった……だから……もうすぐ死んでしまうんだ」
その言葉で、彩と香里は驚愕の表情を現す。
特に彩は信じる事が出来なかった。
元気そうに見える昇太が、あと僅かで死んでしまうとは信じられなかった。
「……嘘でしょ?」
彩は思わず昇太を見る。
「嘘…だよね……?そんな事……ある訳、ない…よ、ね?ねぇ……昇太君……嘘なん、でしょ?……嘘って……嘘って言ってよ……お願い……嘘って……」
彩は涙を流しながら昇太に縋り付く。
「残念だが……本当だ。その毒は体内に埋め込まれてから約24時間後に発動する……広本君の身体に埋め込まれたのが昨日の午後3時くらいだ。だから今日の午後3時を過ぎた時……彼の体に埋め込まれた毒が回って……死ぬ」
「そんな……」
聖の言葉が突き刺さり、彩の手が昇太から離れ、崩れるように膝が落ちる。
「午後3時って……あと30分も無いじゃない!!」
聖の言葉に腕時計を見て叫ぶ香里。
現在午後2時半を過ぎている。
昇太の命が無くなるまで、既に30分を切っている。
「どうして……やっと……会えたのに……どうして……」
彩はうわ言のように呟きながら泣き崩れている。
昇太は、そんな彩に何も言う事が出来なかった。
「広本君の毒を取り除く方法は無いのですか!?」
「……現代医学では手の打ち用が無いんだ……私にはどうする事も出来ない」
香里の言葉に、聖は悔しげに拳を握り締めながら俯く。
「もし……方法があるとしたら……」
その時、昇太の口が開く。
「えっ?」
「C4号を倒すしかありません……他に手は無いのですから」
実際、昇太は直樹から方法を聞いたが、その事を聖達には言えなかった。
「しかし……」
「確立が低いのはわかってます。でもやるしかありません」
そう言って、昇太は公園の中に入ろうとする。
「昇太君!!」
だが、彩は慌てて昇太の手を掴む。
決して離すまいと両手で強く昇太の手を握る。
「嫌だよ!行かないで……お願い……お願いだから……行か…ない……で…」
瞳に涙を溜めながら、彩は昇太を留めようとしている。
そんな姿に昇太は胸を痛めるが、もう迷ってはいられない。
迷う事を……許されない。
「……悪い、そうはいかないんだ」
昇太は覚悟を決め、彩の目を見る。
そんな昇太の目を見て、彩は息を飲む。
「……変身」
目を閉じ、小さく呟く。
すると昇太の腰の部分が光りを発し、ベルトが浮かび上がる。
そのベルトの中央から光が放たれ、淡く発光し始める。
「えっ……?」
何処からもなく現れたベルトに驚く彩。
聖と香里は黙ってその光を見ている。
そして光は強く大きく輝き、昇太は戦士・ソルンへと姿を変えた。
「──────!!?」
彩は声にならない悲鳴を上げ、握っていた手を思わず離してしまう。
「それが……ソルンの姿ね」
香里と聖は、初めて見るソルンの姿に目を奪われる。
カノンに似て非なる戦士。
その姿が彼女達の瞳に映された。
「昇……太…君……?」
「これが……今の俺なんだ」
変わり果てた昇太の姿に、彩はショックのあまり身体を震わせている。
それを見て、香里は震えている彩の体を支えた。
「ど、ぅ…し、て……どうして昇太君が……こ、んな……こんな姿にならなきゃいけないのよ!!!」
彩は涙で溢れた瞳でソルンに向かって叫ぶ。
「わからない。だけど、俺はこの姿になって今を生きている人達の命を奪おうとする奴等と戦う事が出来る……だから俺は……やらなきゃならない」
ソルンは彩に背を向け、ゆっくりと歩き出す。
「……深見さんをお願いします」
背を向けたまま呟くソルン。
複雑な表情で彩を支えながらソルンを見る香里。
聖も声には出さなかったが、複雑な表情をしていた。
(俺は戦う……今を生きる人達を守る為に)
それがソルンの戦う理由。
ソルンは強く自分の意志を込めて拳を握り締める。
その時、ソルンの角に嵌め込まれている緑の石が光を発し、近くに停まっていた昇太のバイクを包み込む。
『!!』
突然の光に驚く3人。
そしてバイクを包む光は強く輝き、バイクをソルン専用のスーパーマシンへと変化させた。
銀の装甲に流れる真紅と蒼穹のライン。
刃を思わせる鋭利な金のフロントは、ソルンの角と似た形状をしている。
そのフロントの中央に輝く緑のライトが、ソルンの緑の石と共鳴する。
「これは……」
「……ストームエッジです」
「えっ?」
驚く3人を尻目に、ソルンはマシンの名を呟く。
「ストームエッジ……?『嵐を切り裂く刃』って事?」
「いえ、『嵐を秘めし刃』です」
そう言い、ソルンはそのマシンに飛び乗る。
すると、独りでにエンジンが掛かり緑のライトが点灯する。
同時にソルンはマシンと一体化したような感覚を覚えた。
「……行くぞ!!」
ソルンの言葉と共にストームエッジが動き出し、公園へと向かった。
「昇太君……」
去っていくソルンの姿を見て、彩は膝を着き、泣き崩れる。
香里と聖は、そんな彩を支える。
「深見さん……って言ったわね?」
そしてゆっくりと昇太の今までの経緯を話し始めた。

<港区内某所 14:35PM>
カノンとダリジョ・ガバルの回りには続々とパトカーが集まり、警官の人々が彼等を囲む様に立ち塞がっている。
「ノドノド・ゼースン・ナリガリナネシェ・ソダル!」
ダリジョ・ガバルはカノンに向かって一気に突進して来た。
素早くカノンはジャンプし、ダリジョ・ガバルの頭上を飛び越える。
標的を失ったダリジョ・ガバルは、目の前にあった太めの木の枝を突き破る。
カノンはそこから1本の枝を手に持つ。
「フォームアップ!!」
言葉と共に、白い装甲が紫に変化する。
それと同時に、手にしていた枝が紫の剣に変化した。
「ゴニャグ・マ!」
ダリジョ・ガバルは体制を立て直すと、鋭い牙でカノンに噛み付く。
カノンはそれを左腕で受けつつ、剣をダリジョ・ガバルの腹部に突き刺す。
「グッ!?グゥゥゥ……」
ダリジョ・ガバルは負けじとカノンの腕を力任せに噛みながら、両手で剣を持ち、抜こうとする。
噛まれているカノンの左腕の装甲には罅が生じ始める。
さらにダリジョ・ガバルの力は凄まじく、このままでは剣が抜けてしまう。
「この……っ!!」
カノンは負けまいと、噛まれている左腕を無理矢理動かし、剣を握らせる。
それでもダリジョ・ガバルの勢いは止まらない。
カノンが押し切られるのも時間の問題だった。
「!!」
その時、カノンの前方から銃声が響いた。
現場に到着した往人がライフルを撃ったのである。
さらに傍にいた住井や他の警官達も一斉に銃の引き金を引く。
無数の銃弾がダリジョ・ガバルの背中に撃ち込まれるが、ダメージを受けている様子はない。
しかし、ダリジョ・ガバルの気を引くには十分だった。
立て続けに銃弾を受け、ダリジョ・ガバルは往人達の方に気が向く。
その隙を付き、カノンは体当たりの如く剣を押し込んだ。
「!!ニ、ニサッシャ!」
慌てて力を入れ直そうとするダリジョ・ガバルであったが、主導権は完全にカノンに握られた。
「ウオォォォォォォォォッッ!!!!」
カノンは剣を強く握り、全ての力を込める。
そして剣はダリジョ・ガバルの身体を貫く!
貫かれた部分から古代文字が大きく浮かび上がり、そこを中心に光の罅が広がって行く。
やがて、罅は腹部の装飾品に集中し、ダリジョ・ガバルは爆発した。
「はぁ……はぁ……」
カノンは肩で呼吸をしながら白の姿に戻る。
そして呼吸が落ち着くと、急いでロードツイスターに跨り、走り出した。
『祐の字、聞こえるか?』
その時、ロードツイスターの無線機から往人の声が聞こえた。
「ああ!C4号は出て来たのか!?」
『その通りだ!場所は文京区、今PSKの奴が戦ってる』
「広本は?」
『わからん、だが多分そっちに向かってると思う、俺もすぐに向かう!』
「わかった!」
カノンはアクセルを回し、全速力でC4号の元に向かう。
残り時間はほんの20分程度。
「間に合ってくれ……っ!」

<文京区内某所 14:52PM>
ナノヂ・ゴバルは鋏を大きく振り、PSK−03の装甲を切り裂く。
「くっ!このぉッ!!」
PSK−03はその攻撃を耐えると、超振動サーベルを振る。
だが、ナノヂ・ゴバルは身体を低く構え、超振動サーベルを躱しつつ、その腕を狙って鋏を突き出す。
鋏はPSK−03の腕を捕らえ、その腕を挟み切ろうと力が入る。
「くそっ!」
PSK−03は慌ててブレイバーショットを撃ち込むが、ナノヂ・ゴバルの装甲には通用していない。
「スジャ・ジャ!」
ナノヂ・ゴバルはブレイバーショットが握られている左腕を掴んだ。
やがて、花火を散らしながら腕の装甲に罅が入る。
『右腕の装甲、このままでは持ちません!!』
『北川君!!早くその鋏を何とかしなさい!!』
切羽詰った留美と斎藤の声が聞こえる。
「くそ……っ!」
PSK−03はどうにか挟まれた腕を引き抜こうとするが、既に鋏は腕の装甲に食い込み、どうにも出来ない状態だった。
このままでは、腕が挟み切られるのも時間の問題である。
その時、PSK−03の耳にバイクのエンジン音が入る。
エンジン音はやがて大きくなり、彼の目の前にその姿を現した。
それは、ストームエッジに乗ってこちらに向かって来るソルンだった。
ソルンはストームエッジを跳び上がらせ、ナノヂ・ゴバルに突撃する。
ナノヂ・ゴバルは直撃を受け、鋏がPSK−03の腕から抜け、大きく吹っ飛ばされる。
「北川さん!大丈夫ですか!?」
ストームエッジを止め、ソルンはPSK−03を見る。
「俺は大丈夫だ。それよりお前の方が危ないんじゃ……」
「まだ時間はあります。それと、今北川さんの持っている装備の中で1番強力な物を用意しておいて下さい!」
そう言うなり、ソルンはストームエッジを動かし、ナノヂ・ゴバルに突っ込んで行く。
PSK−03は言われるままにKディフェンサーに戻り、ブレイバーバルカンを取り出した。
「カノンソジョギ!サジャロデモ・イャサン・ヌヅガ!!」
起き上がったナノヂ・ゴバルは鋏を広げ、ストームエッジを狙う。
(下だ!)
ソルンはストームエッジに意志を込める。
すると、ストームエッジはスライドさせ、ナノヂ・ゴバルの鋏を躱しつつ、ナノヂ・ゴバルの周囲を回りながら攻撃を繰り返す。
周囲からの攻撃に翻弄され、ナノヂ・ゴバルは身動きが取れない。
ソルンは一旦ナノヂ・ゴバルと距離を取り、再びナノヂ・ゴバルに向かう。
「ノヲマ・ソモ・ロサレソドショド・ギッシェギャヅ!!」
ナノヂ・ゴバルは今度こそとストームエッジを挟み切ろうとした。
(跳べ!)
再びソルンは意志を込める。
ソルンの意志通りにストームエッジが跳び上がり、鋏は空を切る。
ストームエッジはそのままナノヂ・ゴバルの顔面に直撃した。
ナノヂ・ゴバルは大きく吹っ飛ばされ、地面に叩き付けられる。
ソルンはストームエッジを止め、ゆっくりと下りる。
その時、ソルンは訓練の感覚を思いした。
(奴を倒すには……もっと強い力が必要……もっと力を……)
自分の中で強く祈った。
さらに強力な力を得る為に。
すると、ソルンの頭部の金の角が左右に分れる。
そして分れた角の中に埋め込まれていた白い石が光を発する。
ソルンは右足を下げながら両腕を胸の前に引き寄せ、右腕は下に回しながら引き、左腕は上に回しながら逆手のまま前に伸ばす。
光はソルンの身体を伝いながら左足に集まる。
「スジャジャ!ジョヲマゴルゼギジェソ・ゴモ・ロデモガダジャバ・グジャゲバニマリ!!」
起き上がったナノヂ・ゴバルは、来いと言わんばかりに胸部を突き出す。
ソルンは構えたままPSK−03を横目で見る。
PSK−03はブレイバーバルカンをグレネードモードに切り替え、いつでも発射出来る体制になっていた。
それを確認すると、ソルンは左手を強く握り、走り出す。
光の集中している左足が地面を踏む度に光の飛沫を上げる。
一定の距離まで来ると、ソルンは大きくジャンプ。
そのまま空中を1回……2回……3回……4回転する。
「オオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
そして左足を強く突き出す!
光を込めた左足がナノヂ・ゴバルの装甲に直撃する!
ナノヂ・ゴバルは大きくよろめきながらも、踏ん張った。
ソルンは着地すると、下を向いたまま動かない。
(効かなかったのか!?)
キックの直撃を受けても踏ん張ったナノヂ・ゴバルを見て、PSK−03は思わず驚く。
「フフフフッ……ジャガダ・スジャジャショ・リッ──」
言葉が止まり、突如ナノヂ・ゴバルが苦しみ始める。
何と、ナノヂ・ゴバルの装甲が砕け、そこから古代文字が現れた。
大きく、強く焼き付けられた古代文字は、ナノヂ・ゴバルの身体全体に光の罅を発生させる。
「タッ!?タガマッ……ロデモ・ガダジャザ……」
己の自慢の装甲が破られ、狼狽しながらもがくナノヂ・ゴバル。
「北川さん!」
「任せろッ!!」
ソルンの言葉と共に、PSK−03はブレイバーバルカンの引き金を引く。
発射されたグレネード弾は、的確に古代文字に着弾する!
そして大爆発を起こし、ナノヂ・ゴバルは四散した。
「間に合ったか!?」
PSK−03は慌てて時間を確認する。
現時刻は、3時を過ぎている。
「大丈夫みたいですよ」
ソルンの様子を見るに、毒の発生前に倒す事が出来たようだ。
それを確認すると、PSK−03は帰還命令を受けてその場を去る。
「広本君!」
PSK−03と入れ替わるように、香里と聖がソルンに駆け寄る。
そして、2人の後ろには彩もいた。
「……」
ソルンは昇太の姿に戻り、3人の元へ歩み寄る。
途中、ロードツイスターも現われ、乗っていた祐一が慌てて駆け寄る。
「C4号は倒したの?」
「身体の方は大丈夫なのか?」
「やせ我慢してないよな?」
3人が一斉に言葉を発する。
「倒しましたし毒の心配もありません、だから我慢する必要はないですよ」
3つの質問に全て答える昇太。
昇太の言葉を聞き、3人はほっと胸を撫で下ろした。
一方、彩は何も言わずに俯いている。
しかし、その瞳には涙が溢れていた。
「昇太君……」
そう呟くと、溢れていた涙が流れ、彩は昇太に駆け寄り、そして抱き着いた。
「えっ!?ちょっ……深見さん!?」
彩の突然の行動に、昇太はどうすればいいかわからず、うろたえていた。
それを見た香里と聖は、何も言わずにその場を去る。
祐一も慌ててロードツイスターを押して2人の後を追う。
「心配したんだから……すごく……すごく心配したんだから……っ!」
彩は涙を流しながら昇太の胸に顔を埋める。
昇太は相変わらずうろたえたままである。
そのままどれくらい経ったのか、彩はようやく落ち着いたようだ。
「昇太君……」
彩はそっと顔を上げて昇太を見る。
「私………昇太君が……昇太君が好きなの!」
そして彩にとって、1番言いたかった言葉を口にした。
その言葉は、昇太にとって雅美から聞かされていた言葉。
「昇太君が居なくなってから……ずっと昇太君の事ばかり考えてて……気が付いたら……好きだって気付いて……好きって気持ちが止まらなくて……もう、耐えられないの」
再び昇太の胸に顔を埋め、募らせた想いをぶつける。
その想いに答えを出さなければならない。
どんな結果になろうとも、決着を付けなければならない。
「……深見さん」
閉ざされていた昇太の口が開く。
「俺は……奴等、ヌヴァラグとの戦いを終えるまでそっちには帰れない。それが何時になるかもわからない。それでも……俺を好きだって言えるのか?」
「言えるよ……昇太君があんな姿になっちゃったのはショックだけど、それでも、あの人達の話を聞いて、あの姿をしていても昇太君のままだってわかったから……私の知ってる昇太君だって」
彩ははっきりと、そして強く答えた。
だが、それでも昇太の中でまだ踏み切れなかった。
「……本当に、俺でいいのか?まともに一緒に居られるかどうかもわからないんだ……それでも……いいのか?」
昇太の言葉に、彩は少しの間俯く。
そして答える代わりに、そっと昇太の頬にキスをした
昇太は驚きの余り、固まってしまっている。
「……これが、その答えだよ」
僅かに頬を赤く染めながら、彩は呟く。
その後、彩は真剣な表情になる。
「だから……昇太君の答えを教えて。私の事を何とも思ってないのなら、このまま私から離れて。でも……もし、こんな私でも良いって言うのなら………ここで……キス、して」
そう言うと、彩は昇太から1歩離れる。
出された2つの選択肢。
今こそ、その答えを出す時。
(…………………………)
昇太は暫くの間、俯いて黙っていた。
彩は震えてしまいそうな体を必死に押えていた。
僅かな沈黙が2人の回りに流れ、ようやく昇太は顔を上げる。
そして………彩の唇にそっと自分の唇を押し当てた。
ほんの僅かな時間、しかし2人にとってはとても長い時間。
その中で、2人は唇を離した。
「これが……俺の答えだ」
「昇太君……昇太君っ!!」
また彩の瞳に涙が溢れ出し、ぎゅっと昇太に抱き着く。
「怖かった……このまま行っちゃうって思ってたから……すごく、怖かったの!……でも……今は、すごく……すごく嬉しいよ……っ!!」
彩は自分の気持ちを素直に表した。
そんな彩を、昇太は強く抱き締める。
昇太の行動に安心したのか、彩は昇太に身を委ね、静かに涙を流していた。
そのまま暫くして、彩は泣き止む。
「深見さん」
「ちょっと、そんな他人行儀な呼び方……しないでよ」
涙を拭きながら、少し悲しそうに呟く彩。
「ご、ごめん……じゃあ、彩…でいいのか?」
「うん、そう呼んで」
「わかった、彩」
そう言い、お互いに笑い合う。
丁度その時、昇太の携帯電話の着信音が鳴る。
それはメールで、差出人は香里だった。
『話が済んだら2人でホワイトに来なさい。絶対よ』と液晶画面に表示されている。
メールの文字を見て、昇太は思わず苦笑いを浮かべる。
同時に、少し嫌な予感がしていた。
しかし、行かなかったらどうなるかわかっているので、行かないと言う選択肢は最早無い。
「もしかして、さっきの人から?」
「ああ……仕方ない、行くか」
そう呟き、昇太はマシンの所に歩み寄る。
変身が解かれた後のストームエッジは、元のバイクの形に戻って無かった。
金のフロントが無くなり、全体的に灰色になったが、緑のライトはそのまま残っている。
昇太はストームエッジに跨ると、ゆっくりと動かし、彩の前に止まる。
「行くぞ」
そして、ヘルメットを彩に渡した。
「うん!」
彩は嬉しそうに頷き、ヘルメットを被ると、昇太の後ろに座り、昇太の背中にぎゅっと抱き着く。
それを確認すると、昇太はストームエッジを走らせた。

<都内某所・廃ビル 15:32PM>
薄暗くなってきた廃ビルの中、長髪の男がまるで眠っているかのように音を立てずに座っている。
そこへ、小柄な男が現れ、長髪の男に歩み寄る。
「ナノヂガ・カノンソジョギミ・ギャツデ・シャ」
「……ノルガ」
長髪の男は目を開け、小柄な男の方を向く。
その時、別の足音が2人の耳に響く。
とても静かな、それでいて遠くからでもはっきりと聞こえる足音。
やがて、その足音の主が姿を現す。
2人の目に映ったのは、真っ黒に覆われた着物を着た女性だった。
金の簪に舞傘を持っており、どれも高級感を漂わせる。
(ギャバヂ・ラモロガシャミバ・シィガギョデサリ)
小柄な男は、黒い着物を着た女性の威圧感を感じ、その場から離れた。
「……ロサシィニシェ・ロヂサニ・シャ」
長髪の男は椅子から起き上がり、黒い着物を着た女性に向かって、まるで紳士のような礼をした。
「イョルギョルバ・ギリシェリヅ・カノンソジョギモ・シィガダ・ラマジョデム・マ・ジャザ・ヴァデダミバ・ガサルサリ」
そう言い、黒い着物の女性は手にしている黄色い扇子を開き、扇ぐ。
「ヴァデダバ・ゴモササ・ゼースン・シュシュゲヅ・ギャシュダザ・ルゾグ・サジェバ・マ」
黒い着物の女性は扇子をたたみ、歩き出す。
長髪の男はその後を、ただ静かに着いて行った。

<喫茶店ホワイト 15:47PM>
ホワイトの前に現れるストームエッジ。
昇太と彩はストームエッジから下りると、入り口へと向かう。
「あっ、そうだ、言い忘れてたが……」
「何?」
「この店の何人かは俺の事を知ってるけど、知らない人もいるから俺の事は黙っててな」
「わかった」
確認すると、改めて中に入ろうとする。
しかし、良く見ると店の電気が点いてない。
「昇太君、これ見て」
さらに彩がドアに張り紙を見つけた。
その張り紙には、『本日は特定のお客様の予約の為、貸し切りとさせて頂きます』と書かれていた。
「……特定のって……俺達…か?」
「多分……そうだと思う、よ」
少々緊張しつつ、昇太はドアを開けた。
中は真っ暗で。誰もいる気配がない。
2人はそのままカウンター席まで来る。
「誰かいませんか〜?」
彩は奥の方を見ながら誰かいないか確認する。
『!!』
その時、電気が点いたと同時にカウンターの下から祐一達が現れ、一斉にクラッカーを鳴らした。
「きゃっ!?」
思わず昇太の腕にしがみ付く彩。
一方昇太は呆気に取られた表情をしていた。
「話は香里ちゃん達から聞いたよ、いや〜若いっていいね」
真っ先にマスターが2人を見て笑う。
「ささ、今日はパーティだ。存分に楽しもうじゃないか」
「おお〜!!」
ノリよくマスターの言葉に反応する佳乃。
「と、言う訳だ」
笑いながら昇太の肩を叩く祐一。
こうして、ホワイトの中では大いに盛り上がっていた。

Episode.10「覚醒」Closed.
To be continued next Episode. by MaskedRiderSorun


次回予告
一時の安らぎを過ごし、彩は洋介達の元へと戻る。

昇太の帰る場所を残す為に。
彩「気を付けてね……」
祐一「負けられないんだ!!」
遂に動き出した皆瀬の一族。
大切な人を助ける為、祐一は戦場に向かう。
直樹「放っては……おけません!」
昇太「借りがあるからな」
同時に、影でも動きが始まる。
その影を向かえ打つ為、今、戦士が並び立つ。
???「光変身!!」
次回、仮面ライダーソルン「集結」
今こそ集え!戦士達よ!!


設定資料

ダリジョ・ガバル

雷魚の姿をした未確認生命体。
気性が激しく好戦的で常識外れな力を持つ。
鋭い牙を持ち、厚さ30mmの鉄板をも噛み砕く。


ナノチ・ゴバル

蠍の姿をした未確認生命体。
左腕から猛毒の卵の入った針を人の体に埋め込み、約24時間後に毒を発生させて毒死させる能力を持つ。
だが、ただ卵を埋め込むだけでは人の体温で消滅してしまう為、小型の球体を一緒に埋め込み遠距離から力を送って結界を張って卵を守るものの、その球体は数に限りがある為、何人も殺す事が出来ない。
胸部は非常に堅牢な装甲をしており、並の攻撃はびくともしない。


ストームエッジ

ソルン専用の疑似機械生命体型オフロードマシン。
ソルンが乗る事で起動され、ソルンの意志を感知して様々な行動を行える事で完璧なコンビネーション走行が可能。
最高時速は520km/h


ストームエッジ:ステルスモード

非戦闘時のストームエッジの姿。
意志の疎通を行う緑のライト以外の形状は大きく変化しているが、ソルン(昇太)の意志に応じて行動を行う所は変わらない。
ソルンの変身に応じて本来の姿になる。
この時の最高時速は200km/h

本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース