「ガァアアア!!」

「っく!」

勢いのついた虎女の突進を二の腕で受け止め、空かさず突き飛ばして距離をとるスマッシュ。

突き飛ばされながらも虎女はすぐに地面に四つん這いになって受身を取り、正に獣さながらの動きを持ってスマッシュに噛み付きに行く。

反射的に左腕を掲げて牙を防ぎ、突進の勢いに倒れぬように踏ん張る。

「グウゥゥゥ!!」

噛み付かれた分厚く硬い装甲を持つ手袋からギチギチと嫌な音が響く。

今の所耐えているが、このまま行けばいずれ装甲を貫通するかもしれない。

かと言って無理やり引き離そうとすれば、この虎女…元はただの小さな女の子の大半の歯を折ってしまうだろう。

(どうすればいいんだ!?)






仮面ライダーSMASH
第五話「風雲急!?現れる鋼鉄の戦士!!」




「先生、さようならっす!!」

「気をつけて帰れよー」

「ねぇねぇ、今日駅前行かない?」

「あー今日も疲れたー!」

堅苦しい授業も終わり、あるものは部活、または友人と遊びに行く約束をしたり自宅に帰る準備をする。

各々この後の自由な時間を好きに使うために行動に出ていく。

そのうち一つの教室の一角、姫里達も集まってこの後の行動を話し合っている。

「さてと、あたしはこれから習い事があるから帰るけど、姫里達はどうするの?」

「あ、わたしは姉やんの晩御飯作るんと、足りない日用品とかの買い物で一緒には無理んね」

「あたしはこの後部活」

「私は病院に行かなきゃならないから」

アリサの言葉に楓、姫里、空がそれぞれこの後の予定を話していく。

その横では男子二人、滝一と壮介は我冠せずといった感じでただ「ふーん」と相槌を打つ。

「ふーんって、二人は?」

「僕は…図書室によってから帰るよ」

「まぁ、やること無いからこのまま帰るかな」

「部活は?」

「・・・サボる」

姫里の質問に弱冠口篭りながらも答える壮介。

歯切れが悪いのは、相当長い間部活に出ていない後ろめたさの所為でもある。

「つまんないわね。そんなに暇してるなら部活に出なさいよ」

「だよね〜。短い学生生活なんだからもっとエンジョイしないと」

「うんうん。わたしもそー思う」

「あー…まぁ…それも若さゆえの過ちって事で」

「それで良いんか」

女性陣に圧される壮介はあさっての方向を眺めて現実逃避する。

そんな彼の様子に呆れる楓達。滝一と空はそれを苦笑しながら一歩距離を置いて眺める。

「じゃぁ、今日はみんな遊べないんだ」

「そういう事ね」

「そなら、これ以上話してると遅くなるから、わたし先に帰るわ」

「あたしも帰るわ。もう迎えも来てるだろうし」

「それじゃ、また明日ね」

「また明日」

「またね」

「お疲れーす」

楓の言葉を引き金にそれぞれ支度を始める。

楓、アリサ、空、壮介等帰宅組みは下駄箱へと向かい、姫里、滝一は図書室まで一緒に歩いていく。



「そう言えば姫里はどんな部活に入ってるんだっけ?」

歩いている途中、特に意味がある訳ではないが滝一は何となく聞いてみた。

お互い、と言うよりアリサ達も含めて彼等は話していてほとんど話しのネタが尽きない。

従って普段から無言で歩くというのは全くと言って良いほど無い。それだけ気が合う仲なのだろう。

「あれ、言ってなかったっけ?」

「たぶん」

「多分ってなによ多分って・・・別に良いけどね」

姫里の言葉に苦笑する滝一。

姫里の方も別に怒っているわけではないが、何となく棘のある言い方に聞こえなくも無いので仕方ないと言えば仕方ない。

「えっと、確か新体操部?」

「なんで疑問系?」

「だってあたしの部活、体操って言うよりダンス部って感じなんだもん。こうクルクルーって」

言いながら急にステップを踏み、鞄を持ったまま両手を小さく広げて軽く身体を回転させる。

彼女の動きに合わせてその長い金の髪も綺麗に舞い、それを気にすることも無く彼女はクルクルと回り続けていく。

「目、回らない?」

それは無用な心配だろうと思いながら聞いてみる。

ただ楽しそうにしている彼女の感想を聞いてみたかっただけなのだが。

「と、とめ〜て〜くれると〜嬉しい〜な〜ぁ」

「ええ!?」

予想を裏切り彼女は目をグルグルに回しながら、踏鞴を踏み、危なっかしい足取りでふらつき始めた。

目を回した彼女に苦笑する滝一。やがてこのままでは不味いと思い、駆け寄って姫里の手を取って回転を止めようとする。

「なーんちゃって」

「え?」

手を掴もうとすると姫里が先に滝一の手首を掴み、そこを中心に強引に滝一も自分の回転に巻き込んだ。

「わわわっわっわ!?」

「きゃはははははは!!引っかかった引っかかった!!」

病み上がりの人に対する行動ではないだろうと思うが、これも姫里なりの元気付けと言う名目の悪戯だ。

長い病院生活で退屈していたに違いないという独断と偏見から出た行為。決して悪気は無い・・・ハズだ。





同時刻・校門前。

「あ」

「どうしたん空ちゃん?」

行き先が同じ事から一緒に帰る事になった楓と空。

突然空がしゃがみ込んだ空に楓が駆け寄る。

「祐輝さんがくれたストラップが…」

そう言って空が見せたのは、尻尾が長い愛らしい狐の携帯ストラップ。

これは祐輝がアミーヤで働き、バイト代(もとい小遣い)からつい最近麻宮一家に一つずつプレゼントしたものだった。

そのぶら下げる糸の部分が何の前触れもなしに突然切れた。その事が不吉に思えた空は表情を曇らせる。

(もしかして祐輝さんに何かあったんじゃ?)

不安に思う空の肩にポンと手を置かれる。

「楓ちゃん?」

「大丈夫」

楓は総て分かってるとでも言いたげに微笑みながら空の肩に手を置く。

「紐が切れたらまた新しいのを付ければ問題なしす!!」

最も正論かつ的外れ的な励ましをする楓。

その満面の笑みからは冗談なのか本気なのか、長い付き合いでも読み辛い。

何となく発する雰囲気から本気なのだろうと推測できる程度だ。

「・・・そうだね」

苦笑しながら相槌を返して二人は歩き出す。

よく、紐が切れたら不吉の前触れと言われるが、この場合はどうなのであろうか。





 ・ ・ ・





「くっ・・・ォオオオ!!!」

「ガァア!?」

スマッシュは噛み付かれた状態のまま後ろに体重を落とし体制を崩す。

突然体制を崩され虎女も思わず噛み付く力が緩み、スマッシュはそのまま巴投げの要領で投げ飛ばす。

虎女は受身を取れずに思い切り背中から地面に叩きつけられ、痛みを堪えられないのか地面を左右に転がる。

対してすぐに起き上がり、身構えるスマッシュだが追い討ちをかける事は出来なかった。

「どうすれば良いんだ!?」

彼女と戦い始めて同じ内容の自問自答を繰り返してきた。

これまで三回ほど異形の怪人達と戦ってきたが、どれも倒した直後に爆発を起こして死んでいった。

そのどれもが正当防衛…と言うには行き過ぎかもしれないが、人に危害を加える者達だったから否応無く倒してきた。

けれど今回は、誰かから命令されて動いている何も知らない少女が相手なのだ。それを問答無用で倒す事は戸惑われる。

「ガルァアアアアアア!!」

「!?」

思考の海に落ちている間に虎女は起き上がり、鋭い爪をスマッシュに突き立てる。

反応が遅れてしまった為にかわすことが出来ず、思い切り胸に爪の突きを喰らいプロテクターから火花が散る。

続けて虎女は左右の腕を振るってスマッシュに襲い掛かり、それを上体を反らし、屈み、腕で弾きながら避けていくスマッシュ。

(どうやら装甲を貫くことは出来ないみたいだ…このまま体力を削って動けなくなった所を押さえる!!)

まともに攻撃を受けたことによりスピードは驚異的だが、攻撃力はそれほどでもない事を知って幾分か冷静になる事が出来た。

冷静になれば相手の戦い方がただ突っ込んでくるだけの単調なものだという事にも気付く。

攻撃が単調ならば冷静に見て対処すれば幾らでも避けようがある。

「ガァ!!」

虎女は攻撃が当たらないことに苛立ったのか、大きく跳躍して飛び掛る。

それをしゃがんでかわし、届かない事を知りながら拳を着地した虎女に向けて突き出し威嚇する。

怯んだのか、それともイラついてるのか虎女は身を低くしながら距離を測り、スマッシュも身構えいつでも応戦できるようにする。

「来るか!?」

「グァラァ!!」

虎女が飛び掛り、スマッシュはそれを受け止めようと腕を盾にするように身構える。

『フッ!』

だが二人が激突する瞬間、上空から何かが落下し虎女を殴り飛ばした。

「ギャゥ!」

「なっ!?」

虎女は近くの壁に激突して倒れこみ、スマッシュは突然の乱入者に困惑する。

目の前に現われた者の姿は、色や弱冠の形の違いは有ってもほとんど自分と変わらない。姫里達が見れば確実に呼ぶであろうその姿。

灰色の姿をした仮面ライダーとも呼べる姿をした者が目の前に立っている。

「貴方は?」

『お前と・・・同じだ』

目の前のライダーはゆっくりと振り向き呟くように答えた。

妙にくぐもったその声にスマッシュは何か妙な違和感を感じる。

「オレと…同じ?それはどういう・・・」

『話しは後だ・・・先にあの怪物を殺す』

「なっ!?」

吐き捨てるように言うとライダーは一気に駆け出し虎女に殴りかかっていく。

起き上がり始めた虎女はライダーの接近に気付くが、動き出す前に拳を叩き込まれ吹き飛ばされる。

「ガゥ!!」

『フン!』

身じろぎする虎女を容赦なく蹴り飛ばすライダー。

地面を転がる虎女の体を引っ掴み、無理やり立たせてまた殴り飛ばす。

「ガゥゥゥ…」

ライダーの猛攻に虎女は怯えたように鳴き始める。

いや、怯えたように…ではなく本心から怯えているのだ。

怯えたその瞳には先ほどの獣の意思はなくなり、今にも泣きそうな少女のものに近い。

だが、そんな様子にも関係なくライダーは攻撃を加えようと拳を振り上げる。

「やめろ!!」

ライダーが振り下ろした拳をスマッシュが腕を突き出して圧し止める。

『どう言うつもりだ?』

「幾らなんでもやり過ぎだ!この子は元は普通の女の子なんだぞ!?」

『無駄だ、体細胞変合薬を施された実験台は死ぬまで元には戻らない』

「・・・そんな!?」

信じたくない言葉に驚くスマッシュをライダーは腕を振り払って突き放す。

『我々はそんな危険分子を排除する為に作られた選ばれし存在だ』

「選ばれし存在?」

聞き返すスマッシュにライダーは機械的に、また宗教勧誘者のように話し始める。

『そう、犯罪に走る者達に制裁を与える、神に変わる審判者…それが我等オーディンだ』

「オーディン?」

『オーディンは総ての犯罪者を裁く正義の組織…審判に間違いは無い』

そう言いながら虎女に止めを刺そうと構えるライダー。

ライダーが近づき、足音を立てる度に虎女は怯え始める。

その様子に黙っていられなくなり、スマッシュは思わずライダーの前に立ちふさがる。

「待ってください!」

『なんだ?』

「薬の事を知ってるなら…それを作ってる組織や抗体もある筈です!」

『それを見つける余裕があると思うか?』

悪魔でも冷淡に話すライダー。

確かに彼の言う事は正しい。だが、それを理解は出来ても納得は出来ない。

迷い続けるスマッシュ。その後ろから様子を見ている虎女は何時の間にか大人しくなっていた。

「それでも…それでもオレは……この子を…この子のお母さんに会わせてあげたいんだ!!」

「…お…母…さん?」

その呟きは虎女から発せられたものだと分かったのはスマッシュが振り返ってからだった。

彼女は異形に変わった瞳から涙を流し、体は徐々に元の人間のものに変わってきていた。

『なに?』

「これは!?」

その現象は少女に使われた薬品の効果が薄かったのか。

それともスマッシュの少女を思う気持ちが奇跡を起こしたのかは定かではない。

だが、驚く事に虎女の体はゆっくりとだが確実に人間の少女…もとのすずなという少女へと戻っていく。

「元に…戻るのか?」

少女に駆け寄り、しゃがみ込んで様子を見る。

やがて所々打撲の痕が残っているが、すずなは完全に人の姿に戻る。

「おにいちゃん…ありがとう」

「あ!?キミ!!?」

すずなが倒れこんだ事に驚くが、すぐに抱き起こした時に小さく息を吐いてる事を知って落ち着く。

どうやら気を失っただけらしい。

「…良かった」

すずなを支えながら安堵し胸を撫で下ろす。





その後ろで様子を見ていたライダーはおもむろに腰のベルトに付いたレバーを下げた。

『チャージ』

篭った声で呟き、ベルトから青い光が発せられ腕のラインを伝って拳に宿り発光する。

スマッシュは自分の後ろから聞いた事のある高い音が鳴り響いている事に気が付き振り返る。

『フン!!』

「な!?」

瞬間、ライダーの特殊エネルギーを纏った拳がスマッシュの頬を掠める。

直感的に首を反らしていた為に紙一重で避けることが出来たが、まともに喰らっていたらどうなっていたか分からない。

ライダーは避けられた事に大した感慨を受ける事も無く、機械的ともいえる動きで左右の拳を突き出す。

すずなを抱えながらもスマッシュはそれらを避け、片方の腕ですずなを支え、もう片方の腕で飛んできたライダーの拳を受け止める。

「どういうつもりだ!!」

『支部での後始末はその支部の連中が行なう…それが我等の決まりだ』

「なんだと…まさか…お前は!?」

交わった拳を振り払い、互いに離れ距離をとる。



『第22支部廃棄種、No−339…貴様を排除する』

「そうか…オレがいたあの施設はオーディンとか言う組織なのか」

ただ短く言い終えると握り拳を向けて構えるライダー。

スマッシュはすずなを自分の後ろに下げて寝かせ、ライダーに向き直り構える。

両者は身構えたまま円描くように横移動し、すずなが横側に見える辺りで走り出す。

『フン!!』

ライダーが勢いを乗せたストレートパンチを身を低くして避け、脇を通り抜けて反撃しようとするがそれより先にライダーが振り向き左右のジャブを突き出していく。

数発ガードした所でスマッシュは体を密着させ、相手の両肩を抑えて力任せに押し付けていく。

踏ん張ることが出来ずに後ろへと追いやられるライダーだが、体を半回転させてスマッシュを振り払う。

バランスを崩してよろけるスマッシュだが、何とか持ち直しベルトのレバーを下げながらライダーに向き直る。

『チャージ!!』

スマッシュの口から機械的な声が出て、ベルトから白い光が白いラインを伝わり右腕に宿り赤い光に変化し発光する。

『チャージ』

それを見て取ったライダーも同じようにベルトのレバーを下げてベルトから青い光を発して腕のラインを伝わせ拳を発光させる。

光が腕を伝う速さは同じなようで、先にアクションを起こしたスマッシュの方が先制を取り拳を振り上げながら一気に走り出す。

「おオオオオオオオオオオオオオァア!!」

『フン!!』

お互いに拳を突き出す。スマッシュの拳とライダーの輝く拳がぶつかり合い、激しい何かが鏡が割れるような、または破裂するような轟音が響く。

二人の戦士はその衝撃に大きく弾き飛ばされ、スマッシュは近くのゴミ置き場に。ライダーはビルの壁に激突して倒れる。

「くぅ…うぇい!」

ゴミ置き場のゴミを払い除けながら起き上がり、一瞬右手に響く痛みと痺れを気にしながらライダーの倒れた方向を見る。

相手もダメージが大きかったのか、右手を押さえながらヨロヨロと起き上がっているのが見て取れた。

だが、その腕からは火花が飛び散っているのが見える。どうやらスマッシュよりもダメージがでかいようだ。

(っく、強い…オレと同じ力を持ってる奴がいるなんて!!)

スマッシュは自分と同じ姿と能力を持つ相手にかなり戸惑っていた。

施設…ライダーが言うには第22支部から逃げ出したとき、中林と呼ばれていた者が残した組織に手を出すなと言う言葉も納得できる。

自分と同等の能力を持つものがいるならそれ以上の力を持つ者もいるだろう。それを相手にするだけの覚悟は今はまだ彼には無い。



『予想外の戦闘力…ライトハンド損傷、バッテリーに異変…』

ライダーは淡々と呟くと再びベルトのレバーを下げてエネルギーを右足に集中させる。

スマッシュもそれに応戦すべく同じようにベルトレバーを下げて必殺キックの体制をとる。

右足が強く輝き、互いにチャージが完了すると同時に大きく跳躍してキックを放つ!

『トウ!』



「デァアアアアア!!」

空中で拳の時と同じように必殺の一撃がぶつかり合い、激しい光が爆発するように巻き起こる。

両者共に足に強烈な衝撃と痛みが走る。だが、今度はライダーの足が衝撃を殺しきれずに大きな亀裂が入り、火花を飛び散らせながら双方吹き飛ぶ。

「グァ!?」

『ギギッが…ガガ!?』

スマッシュは地面を転がり、痛みに痺れる右足を気にしながらも起き上がろうとする。

顔を上げて見ると、ライダーの方はバチバチっと音を立てながら火花や電光が飛び散り、大きな亀裂からは細かい機器が見受けられる。

『ガ…脚部損傷…コア……回路に異常発生…行動…フ…か……ふ……の〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』

体を起こそうと首を持ち上げつつも機械的な声を発しながら叫ぶライダー。

やがて力尽きるように倒れ、その複眼から光が消えて真っ黒になり数回電光と火花が鳴った後に爆発を起こした。

「…ロボットだったのか」

少し放心した様に焼け跡を見ながら呟く。

ライダーが倒れた場所を見ながらスマッシュは決して良いとは言えない何とも言い様の無い気持ちを抱いていた。

自分と同じ姿をし、同じ能力を持っていた相手。それが鉄の塊である機会であった事。それが彼自身の存在を知らせるもののような気がしていた。

(やっぱり…人間じゃなかったのか)

暗く沈んだ気持ちになりながら、スマッシュはようやくすずなの事を思い出し彼女の元へと駆け寄っていく。

体に負担をかけないよう心掛けながら彼女を起こし呼びかける。だが、すずなは眠ったまま起きようとしない。

「どういう事なんだ?」

「戦闘で失った体力を取り戻す為に眠っているだけだ…少し立てば起きる」

少女の体を気遣う不安から漏れた呟きに答える青年の声に驚きながら反射的に振り返る。

そこには逆行に映し出された五つの影があった。

「キミ達は!?」

「彼の言葉を借りるなら…お前と同じだ」

「…まさか!?」

スマッシュが呟き、五つの影が前に出てその姿を前面に曝け出す。

そこに現われたのは二本のアンテナが伸び、それぞれ黄・白・緑・青・紫・ 赤色をした仮面に縁取りがされた同色の二つの複眼。

身体は黒いボディスーツに胸部から腹部にかけてそれぞれ仮面と同じ色のアーマーが施され、手足も同色の手袋とブーツを、そこに至るまでの側面には一本の黄色いライン。

目の前に現われた彼等はスマッシュと大きく酷似し、先ほど戦ったライダーと色違いの姿をした五人組。

「コード・H−MS。ナンバー339………なか…いや、神銅祐輝だな」

「お前は?」

五人の内赤い姿をしたライダーが前に出て話しかける。

スマッシュは自分でも知らないうちに体を強張らせていた。

「俺はコード・T−MS。ナンバー152…コードネームはスラッシュだ」

「スラッシュ」

スマッシュは大きな焦りを感じながらすずなを抱き抱え五人の様子を伺う。

五体一…しかも先ほど戦った者と同系の相手。しかも自分はすでに消耗している上にすずなも目を覚まさない為に逃がす事が出来ない。

五人のライダーは焦るスマッシュにゆっくりと近づいていく。

その足音はまるで死刑宣告を告げる時計の音のように聞こえた。













<つづく>





















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後書き





姫里「どーもー!姫里だよ☆」

空 「妹の麻宮空です」

姫里「なんだか今回はゴロゴロライダーが出てきちゃったね」

空 「色はショッカーライダーですか?」

作者:多分…最初の灰色のは当て馬だから戦闘も短絡にしといた

姫里「って言うか敵だったのね灰色のは」

作者「そだよ、そんな最初から強い仲間は現われないよ」

姫里「それもそうね」

空 「あ、そう言えば祐輝さんとライダーの方達は力は同じなんですよね?」

作者:そだよ

空 「なら、どうして祐輝さんの方が競り勝ったんですか?」

作者:それは彼の体の秘密に触れるからまた今度

姫里「本当に考えてるの?」

作者:一応…今言えるのは作りがちょっと違うからってことぐらいだね。

姫里「ふーん」

空 「じゃあ、そろそろ今回の怪人紹介を始めましょうか」

姫里「そうだね、じゃぁ下に乗せよっか」

作者:て言うかシリーズ化するのか?紹介。







海原 すずな (うみはら すずな)=虎女、(コード・H―BE ナンバーU73)

苗字は海原。父親は組織から何かの薬を大量に受け取っていたがやがて中毒死。

それからは母と二人暮らしで過ごしていたが、組織に実験体として目をつけられてしまう。

母親と共にオーディンに連れて行かれたが隔離されてしまい、親に会いたい一心で組織の言うことに従う。

肉体改造の薬を打たれて体組織が全体的に変化し獣人と化した。



灰色ライダー(コード。ナンバーT―RF)

全身機会の正真正銘の機械、ロボットであり感情は無い。名称というか名前は”レスタ”

第22支部で作られたが、施設が爆発したとき任務で留守だったために難を逃れた。

その後他の支部へ行き蜘蛛男、蝙蝠男が倒された報告を受けてスマッシュの排除を命じられる。

どうやら支部脱出時に祐輝の逃亡は知られていたらしい。今の所どこにいるかまでは分からないらしい。

ベルト内に施された光子エネルギー『フォトンストリーム』によって稼動。

それが無くなれば電池切れおもちゃ同様に機能が停止する為、任務後は素早く組織に戻り補充する必要がある。





作者:こんな所か?

姫里「ライダーのコードとかナンバーって意味あるの?」

作者:頭にくるアルファベットで元になったもの(種族というか属性?)を表し、次のアルファベットが強化のモチーフになったもの。

  Noは被験者何番目ってとこ。

空 「祐輝さん達はどういう意味があるんですか?」

作者:これ以上は面倒だからまた次回に廻させてください。

姫里「も〜」

空 「それでは今回はこれで失礼させて頂きます」

姫里「みんな、こんな読みにくい話に付き合ってくれてありがとー!☆」

空 「また皆さんと会える日を楽しみにしています」

姫里「それではさらばじゃ〜☆」






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