外も暗くなり、祐輝は店を閉めて店内の片付けを行っていた。
「ユー君、ご飯出来たよ〜」
「はーい」
片付けもそこそこ終わったので、すぐに店の奥へと向かう。
扉をくぐってテーブルに目をやると、豪華に見える食事が並べられていた。
特に高級な食材を使っている訳ではない普通の料理の筈だが、何故か物凄く上手く豪勢な感じに盛り付けなどが為されている。
朝の料理とは正反対だ。
「晩御飯は空ちゃんが担当、ロシアン料理でーす!」
「へぇ」
思わず感嘆の息を吐く。姉と違って料理のセンスは高いのかもしれない。
「何か失礼な事考えてない?」
「なにが?」
祐輝は特に何も考えてない事を装って椅子に座り、姫里も釈然としないものを感じながらも自分の椅子に座る。
「それじゃ、いただきまーす!!」
「いただきます」
祐輝はそう言って箸を付けようとすると、不意に空が自分を見ている事に気付く。
「?」
「あ、そうそう。言い忘れたがこれにはアタリがあるから気をつけな」
「アタリ?」
武志の発言に首を傾げる祐輝。武志は「当たれば分かる」と言って食事を始めた。
他の二人にどういう事か尋ねようと顔を向けるが、姫里はニコニコと笑いながら食事を進めていて、空は申し訳なさそうに祐輝を見ている。
(何があるんだ?)
三人の様子に不安を感じながらも食事を取る事にした。
アタリといっても辛いとか苦いとかの類いだろうと高を括り、それでも念の為に野菜炒めのピーマンから口に運んだ。
「ゴァ」
ゴトッ!!
・
・
・
・
・
飯…
飯が並んでいる。
これから毎日出る飯。
人々の空腹を煽るかのように飯が並んでいる。
その暖かな空気の中、
僕は机に突っ伏していた。
アタリがあるから気を付けろ。
そう言ったのは誰だったか。
テーブルの向こうで少女が呟く。
ロシアンだから…
何か言いたかった。
けれど、口は動かなくて、
喉から込み上げて来る衝動が辛かった。
声に出せない苦痛。
苦しさで頭が重くて、
前を向くことが出来なくて、
苦しくて、
辛くて、
色んな意味で凄くて、
僕は手を伸ばした。
「ご愁傷様」
それは、誰の声だっただろう。
手に冷たい感触が広がっていく。
水だ。
力を振り絞って水を口に持っていく。
身体に、水が浸透していく。
引いていく苦しみ。
思考が一つの言葉に染まっていく。
共鳴するかのように、
僕等は同じ言葉を連想していた。
死にそう…だよ(?)
(BGM:夢の跡)
その料理の味や後の事はよく覚えてない。
ただ一つ言える事は、他の料理は絶品だった。
なのに、あのピーマンだけは…謎の味がした。
祐輝の様子を見て空が心底申し訳なさそうに誤っていた。
それを宥めながら祐輝は風呂に入ってすぐ寝た。
・・・
翌朝。
陽に顔を照らされて、その光に祐輝は目が覚めた。
(まだ頭がボーっとする)
そこでハッとなって前日の事を思い出し、左右に首を動かして部屋を見渡す。
自分の隣には誰もいなかった。その事に本気で安心している自分がいた。
そうそう寝ぼけはしないか、と思って起き上がろうと腹筋に力を入れる。
「ん?」
そこで妙な違和感に気付いた。
首を持ち上げて違和感を感じる腹部を見てみると、何故かそこだけ布団が異様に盛り上がっている。
「まさか…」
祐輝は恐る恐る布団を掴んで上に持ち上げる。
布団の中では姫里が祐輝の腹の上で身体を丸めて、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
「…またかよ」
「…にゅん」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後書き
姫里「ОPだね」
作者:だね。
空 「・・・」
作者:あれ、どうかしましたか
姫里「あー、分かった! 料理下手にされたから落ち込んでるのね!?」
空 「はうぅ」
姫里「分かるわ空ちゃん。あたしも料理下手にされて怒り心頭、心頭滅却状態だからもう怒ってますよ!!」
作者:ちょっとまって、心頭滅却違うと思う。
姫里「それは置いといて、何で二人とも料理下手にしちゃったのよ!? 仮にも喫茶店の娘でしょ!?」
作者:待ってください! 違うんです。
料理が下手な訳じゃないんです!! ただ、何かがおかしくなるだけで…
空 「あまり…変わらないかと…」
姫里「うわ〜ん! 馬鹿作者―!!」
作者:マックスギャラクシいいいいいいいいいー!!?
・
・
・
姫里「グスッ…諸悪の根源も倒した事だし、帰ろっか?」
空 「? ちょっと待ってお姉ちゃん。何か落ちてる」
姫里「手紙?」
―カサッ―
ランドスマッシャーの紹介してないのでよろしく。
By,作者
姫里「む〜…」
空 「い、一応紹介した方が良いんじゃないかな?」
姫里「取り合えず設定ね? えーっと、今日の話までに出てきたのは〜っと…コレね」
空 「ランドスマッシャーについての解説だよね?」
姫里「それじゃ、言うね? 」
姫里&空
「ランドスマッシャー。
形状はサイクロン号ではなく、ビートチェイサーとオートバジンを混ぜた様な物。
最高時速520キロで走行、スマッシュの波形を感じて単独による自走も可能。
機体色変化や走行音の減少など隠密性だけでなく、荒地も走れる全地形走破も念頭に置かれたオフロードマシン。
後部のフォトンバーナーからエネルギーを放射する事で、短時間なら水上移動も可能。
本体の両脇にスマッシュ用の小型の銃と刀剣を一つずつ装備している。
銃はエネルギー光弾を打ち出す。刀剣は普段は実体剣でそのまま使えるが、スマッシュのエネルギーを供給すればファイ○エッジのようなビームセイバーにもなる。
マシン本体は結構丈夫。だけど何度も壁に向かって特攻とかしたら使用不能になるかも?」
空 「だ、そうです」
姫里「これだけ書いといて記入漏れあるかもって書いてあるよ? この人」
空 「あはは…」
姫里「は〜、もう今日は疲れちゃったから帰ろっか?」
空 「うん」
姫里「それじゃ、ここまで読んでくれた皆? ありがとね!☆」
空 「これからも宜しくお願いします」
姫里「それじゃー、まったね〜☆」