―――ザアアアアアアアアアアアアァァァァ――――

 

            雨が降っていた。

 

     そこに光は無く雨音と暗闇が周りを支配していた。

 

        その中に二つの人影が立っていた。

 

    否、性格には人ではない、異形の姿が闇の中睨み合っていた。

 

      片方は白色をし、鎧を身に着けたような姿の戦士

 

           もう片方は黒色をした戦士

 

    その二つの姿はほとんど同じといっても良い位酷似していた。

          違うのは体の色くらいだろう

 

      降りしきる雨の中、どちらとも無く語りだす。

 

        「― ―もう・・・…戻れないのか?」

 

     問いかける声...それは深い悲しみが籠められていた。

 

     「何を言っていル...コノ世に.モウ俺たちの居場所は無い」

 

           「オレも・・オマエモナ」

 

  何かを思い出すように...自嘲して笑っているように話をする。

 

     「モウ...俺達...コロシアワナケレバ…イ切ラレナ..イ」

 

           「けど、オレは君を止める...

 

             「それが僕達の....

 

 

 

              ―約束だから―

 

 

 

 

  そう言うと二人の手が光り出し、その光が収まった時何も無かった手に...

              命を奪うための

 

            銀色の剣が握られていた...

 

           お互いに剣を握り直し、構える。

 

                そして

 

    「「ゥウオオオオオォォオアアァアアァァァーーーーーーーー!!!!!!」」

 

       同時に叫ぶ...まるで自分の思いを振り払うように

 

          激しい咆哮と共に二人の姿が変化する。

 

   白色の影は腹部から暗い紫色の放電現象が起こり影の体を包みこみ、

白色の鎧が赤黒い血が固まったような色の重厚なものに変化し、持っていた剣も

  先端部分が伸び、血の流れたような赤い文様が刻まれたものに変化する...

 

 

対して黒色の影の腹部も光り出し、こちらは金色の雷が影の体を包んでいく。

  黒色の鎧に新に金の装飾などが施され重厚なものとなり、持っていた剣も

        先端部が伸び、黄金色に輝く剣に変化する...

 

               光が収まる

 

 

           …それが闘いの合図となった…

 

  「ゴォルドォォオオオオオォォォォォォォォォォォォアアァ!!!!!!」

 

  「クラウドオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーー!!!!!!」

 

           その時....鈍い音と共に...

 

            二つの影が交差した

 

       互いの胸にそれぞれの剣が突き刺さっている...

 

               ―そして―

 

            白色の戦士が膝をつき...

 

 

 

 

 

 

           黒色の戦士が仰向けに倒れる..

 

          それきり黒色の戦士は動かない...

 

         ………一時の静寂が辺りを包み………

 

 

 

               戦士は叫んだ

 

 

 

 

「ゥ...ゥゥ..オァアアアアアアアアああああああああああああああーーーー

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

         降りしきる雨の中…戦士は叫ぶ...

 

 

 

    その時、全てを消し去りそうな光が戦士達を包み込む。

 

   その輝きが収まったとき...二つの影は跡形も無く消え去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ―――彼があげた咆哮は勝利の雄叫びだったのかそれとも―――

 

仮面ライダーR【リベンジ】

繋がりを求めるもの編 仮面ライダークルス

Episode.1[接点]

 

              ***

<N県某市駅前 9:14PM>

「ふう・・・すっかり遅くなっちゃた。」

夜の駅構内から一人の少女が少し慌てて駆け出てくる。

「早く帰らないと...

そう言ってふと目に付いた光景に立ち止まる。

「あの人何してるんだろう?」

少女の瞳の先にはベンチに座りながら地面を見ている青年の姿があった。

「誰か待ってるのかな?」

「それはどうだろうね...

「キャッ!?」

突然後ろから声をかけられ、思わず声を出してしまう少女。

「あぁ、すまない..驚かせてしまったかな?」

少女が振り向くとそこには苦笑しながら誤る美しい銀色の長髪をした青年がいた。

その髪は後ろで一本に束ねられ、服装は膝丈より長い黒のコートを着ている。

「えっあ.いえ。そんなことないです!」

両手を左右に振りながら否定する少女に、青年は微笑む。

その青年は、先ほど少女が見ていた場所に目を向け話し出す。

...彼をどう思う?」

「え?どうって」

突然の質問に困惑する少女、青年は黙ってベンチの方を見ている。

取り合えず少女も先ほどのベンチの青年を見る。

青年は未だ地面に目を向けている。

「―ーーっ」

少女が何か話そうとしたとき、後ろから銀髪の青年が話し出した。

「彼も、この世界のカノンほど強ければ...な」

「え?」

青年の言葉に少女が振り向いたとき...そこに青年の姿はなかった。

「あっあれ...?」

辺りを見渡すがそれらしき人影はどこにも見当たらず、少女は困惑するばかりだった。

 

 

<N県某市内裏路地 9:24PM>

「何だったんだろう...あの人」

そうつぶやきながら少女は家路を歩いていた。

あの後いくら周りを見渡しても銀髪の青年は見当たらなかった。

「それに...あの人も」

少女は先ほどベンチに座っていた青年の事を思い出す。

「なんでこんなに気になるんだろう?」

少女は駅からこれまでベンチに座っていた青年のことを考えていた。すると...

            ―コッ―

「――――っ!!」

突然後ろから聞こえた音に肩をビクリと振るわせる少女。

こんな人気の無い場所に、しかも一人でいる時に後ろから音がすれば大抵の人は驚くだろう。

少し迷ったような素振りをした後、少女はそっと後ろを振り向く。

「あ~〜〜〜し〜んど〜いねぇ〜ぃってかぁ?」

そこには足取りのおぼつかない酔っ払いの中年男の姿があった。

「なぁんだ...

音の正体が分かりほっとする少女...しかし…

「ギャァアアアアアアアアあアアアアアアァァァ....!!!」

突然後ろから叫び声があがる。

それと同時に聞こえてくる鈍い音。

「!!?」

少女は瞬時に後ろを振り向く…するとそこには…・

先ほどの酔っ払いが首から血を流して倒れていた...

その隣にはハイエナの様な顔をした異形の影が口を動かしながら立っており、その口元からは赤い液体が流れ出ている...

「え......

それを見て少女は半ば放心状態となる。

「ジュル...フウウゥゥ...

一度喉を鳴らし、一息ついた異形の影が少女を見る。

そして少女の姿を確認すると一歩ずつ歩いて少女に近づいていく...

「ぁ.....

少女は頭の中で必死に逃げようと考えていた...しかし、足が震えて動いてくれなかった。

その間に異形の影は少女に近づきつつ右手を上に掲げる。

その時、一台のバイクが猛スピードで影に向かって突っ込んできた。

「!?ウィ!っガァ!!」

突っ込んでくるバイクに気付いた異形の影だが時すでに遅く、そのままバイクとぶつかり吹っ飛ばされる。

「大丈夫か!?」

ヘルメットを外し、バイクに乗った青年が声をかける。

「あっ」

その青年は駅でベンチに座っていた人物であった。

青年は少女に怪我がないと判断すると背負っていたバッグを放り投げバイクのアクセルを回しエンジンを吹かす。

「早く逃げろ...

そう言い放つと青年は立ち上がろうとしていた異形の影に突っ込んでいく。しかし...

「フゥンッ!!!」

「うぉあ!?」

異形の影は両手を突き出して突進してきたバイクを掴み、力任せに方向を変えた。

無理やり方向を変えられ、青年はバランスを崩しバイクの上から落とされてしまう。

「クックック...

愉快そうに笑う影、すぐに起き上がりその影を睨む青年、その様子にただ呆然としている少女・・・

..早く逃げろ!!」

少女がまだ逃げていないと分かり声を荒げる青年。

その隙に影は標的に向かい一気に走り出す。

「あ.に、逃げて!!」

少女が叫び青年が振り返る。しかしその時には影は青年の目の前に来て腕を振るっていた。

「「!!!」」

青年は両腕で防ごうとしたが影の怪力に吹き飛ばされ道端に転がりうずくまる。

「あ、、」

少女が青年に近づこうとするがその前に影が立ち塞がる。

「ツ..."メヱ゛ヶ?」

そう楽しそうに言いながら影は少女に近づいていく。

「ま.....

そう言いながら青年はよろよろと立ち上がる。

影は青年のほうに振り向き、歩き出す。

「ぁ.

(ダメ..逃げて!)

少女は叫ぼうとしたが声が出ない。その間に影は青年に近づき殴りかかった...が、その拳は青年と影の中間部分で止まった。

いや違う、拳が当たる瞬間青年と影の間の空間が歪み、その歪みが影の拳を受け止めていたのだ...

その時青年の瞳の色が赤黒いモノに変化する。

青年は左手で影の拳を掴み...叫んだ。

...変身!!」

青年が叫ぶと同時に彼の身体に、人の形をした灰色の影が彼の身体にダブるように現われて、しだいに青年の身体と重なっていく。

身体が完全に重なったとき彼の体は異形の戦士へと変化していた。

体はやや水色を含んだ灰色のボディアーマーに覆われ、左右の手も同色の手甲とナックルガード、膝には同色のサポーター、足にも同色の足甲が備われ、手甲とナックルガードの間の手首、そして足甲の足首の部分は銀色の装飾をしている。

頭は丸く赤い大きな目、蒼色をした短い三本の角と額近くからのびる触覚にも見える二本の銀色の角を持った仮面のような姿をしており、腰には黒色で金の装飾が施されたベルトがつけられている。

(祐一さんと…同じ?)

水色の戦士に変化した青年の姿に自分の思い人の姿が重なる。

「ホオウ...」

それを見て影は感心したような声を出す。

そして捕まれていた手を振りほどく。

「まだ.この姿か...

手を振りほどかれ、一瞬だけ自分の姿を確認した青年..戦士はそう呟く。

そんな事など構わずに飛び掛る影。

それを受け止めパンチを繰り出す戦士。

しかし全く動じず逆に影は戦士に膝蹴りを放つ。

「グっ!!」

その一撃によろめく戦士、影は続けて右腕を振り下ろし戦士の背中を殴り、すかさず腹部に拳を叩き込み戦士を吹き飛ばす。

「グゥっぁ..!!」

宙を舞い地面に転がる戦士。

「ゥ..ォォァアアアアアアアア!!!」

戦士は起き上がると影に向かって走り出す。

そのまま勢いに乗り拳を叩き込む、しかし影は全く怯まず逆に戦士の顔を殴り飛ばした。

再び地面を転がり近くの壁にぶつかる戦士。

「フウー...

戦士の攻撃に落胆したかのようなため息を出す影。余裕の態度で戦士に歩み寄ってくる。

それに対し戦士は荒い息を吐きながら立ち上がる。

と、その時戦士は自分の隣に先ほど影に倒されたバイクが倒れている事に気付き、それを立ち上げ飛び乗る。

すると戦士の手が光り出し、バイクを包み込み、バイクの色、形が変化し戦士専用のマシン、グロウチェイサーへと生まれ変わる。

それを見ても影は特に反応しない。その態度は自分の勝利を確信しているものであった。

「うおオオオオォ!!!」

叫びと共にバイクを走らせる戦士、影は先程と同じように両手を突き出し受け止めようとする..

「グゲァッ!!?」

予想以上のパワーに驚きの声を放ちながら影が吹き飛ばされた。

戦士の力を受けたバイクはスピード、硬度、全ての点で通常のバイクを凌駕していた。

「フッ!」

反撃の機会を与えないように戦士はバイクを反転し再び影に突っ込んでいく。

影は起き上がろうとしたが戦士の突進によって吹き飛ばされる。

「グッギィイイ...!」

苛立たしげに呻きながら戦士を睨む影、戦士は三度特攻を仕掛ける。

「ハ""ルダァアアア!!!」

そう叫び突進してくる戦士をジャンプしてかわし、それと同時に戦士の顔面を蹴り飛ばす。

「っっッ!!?」

カウンター気味に攻撃を受けた戦士は仰け反り、バイクから落とされ背中から地面にぶつかり仰向けに倒れる。

「グッぁっク・・・」

頭部に痛恨の一撃を喰らいながらも戦士は何とか立ち上がろうとする。

しかし次の瞬間影は起き上がろうとする戦士の背後に回り思い切り左の肩に噛み付いた。

「ア゛ッアア゛ア゛アアアアアあ゛あああああああぁ!!!!」

あまりの痛みに叫ぶ戦士、その噛み付かれている肩からは赤い血が流れていた。

戦士は振り解こうとするが影はそのまま肩を食いちぎろうと更に力を込める。

「ッグ...ウチェイサアアアアア!!!」

激痛に苦しみながら戦士は自分の愛機の名を叫ぶ。すると

―ギギギギギギギギギギギギィィィィィィィィィィィン!!!

...ウソ!?」

それまで悲痛な表情で二体の戦いを観戦していた少女が驚愕の表情を浮かべた。

戦士の叫びに呼応するかのように、グロウチェイサーと呼ばれたバイクがひとりでに走り出し、まるでそれ自体が意思を持っているかのように戦士と影に向かって突進していった。

影は怒りに任せ噛み付いていてそのことに気付いていないようだ。

グロウチェイサーはそのままスピードを上げ、戦士ごと影を跳ね飛ばした。

「グガッ!?」

「ァグっク!!ゥ..

吹き飛ばされ離れる二体。

戦士はよろめきながらも立ち上がり、左手を前に、右手を腰に落とし左足を前に出した構えを取る。

するとベルトから右足にかけて光の線が走り、右足にオレンジ色の炎が現われる。

そして影に向かって走り出す。

「ゥァアアアアアアア゛ア゛ア゛!!!!」

それを見た影はすぐに起き上がる。その間に戦士は一定の距離で大きくジャンプし、右足を突き出す。

キックが影の胸に命中し、着地する戦士。

いくらか後ずさった後影の胸からオレンジ色の炎が現われ...消える。

「グッ.アバグ..ミズギダバ.....ズギャァDボズ」

そう言って影は戦士たちとは反対方向に走り出し逃げた。

影の姿が見えなくなると戦士は元の青年の姿に戻る。

「ふーっう..

ため息を出す青年...その顔には大量の汗が流れ、服は左肩の部分が赤く染まっている。

「あ..あの...

おそるおそる青年に声をかける少女、それに気付いた青年は周りを見渡した後先程放り出したバッグを背負い、よろめきながら急いでバイクに近づく、

その時にはバイクは元の市販の物に戻っている。

「まっ待ってください!!」

慌てて呼び止める少女、しかし青年はバイクにまたがりアクセルを回す。

―ボンッ!!―

その瞬間バイクのマフラーから嫌な音と共に黒い煙が飛び出てきた。

「くっそ.......

そう呟くと青年はバイクごと左側に倒れこんだ。

「だっ大丈夫ですか!?」

その様子を見て少女が慌てて駆け寄り、青年の体をさすり声をかける。

その時少女は見た..青年の手が干からびていくのを...それと同時に青年の顔が苦痛で歪んでいく。

(どっどうしよう...

困惑しながらも少女は青年に呼びかける。

青年はだんだんと自分の意識が無くなっていくのを感じた。

朦朧とする意識の中、自分を呼ぶ声にどこか懐かしさを感じながら、青年は深い眠りに落ちた。

それとは別に二人は気付かなかった...先程影に殺された男が跡形も無く消え去っていたことに...

これがカノンに関わるもの・・・美坂栞と未確認達とは別の敵と戦う宿命を持つ戦士、日月晃の出会いであった。

 

<水瀬家前 9:56PM>

静かな家の中、水瀬秋子は台所で家事を行っていた。

夕飯を終え、台所で洗い物をしていると不意に玄関のチャイムが聞こえてきた。

「あら?、何かしらこんな時間に...

作業を中断し、タオルで手を拭き玄関に向かう。

「どちらさまですか?」

そう言いながらドアに手をかける。

「秋子さん...名雪さぁん」

ドアの外からは今にも泣きそうな感じの声が聞こえてきた。

秋子はその声が自分の良く知る人物のものだと分かると急いでドアを開ける。

「栞ちゃん!?どうしたの?」

するとそこには先程謎の影に襲われていた少女..栞が青年に肩を貸して立っていた。

先程の場所から栞は青年に肩を貸しながらここまで歩いて来たようだ。

「秋子さん...さっき...

栞は必死に説明しようとしたが上手く口が動いてくれない。

「とにかく話は中で聞きますから入りなさい。」

聞きたいことはあるがこんな時間に外に居させるのは良くないと思い、中に入るよう促す

それから数分後、

「はい、どうぞ」

リビングで座っている栞に秋子が温かいスープを差し出す。

「すいません...こんな,,」

栞が言うのを秋子は笑顔で静止した。

「いいのよ..栞ちゃん、それと少しは落ち着きました?

優しい声で問いかける。

「はい。おかげさまで...

微笑みながらそれに答える栞。

「そう..それで栞ちゃん.何があったのか話してもらえますか?」

少し間をおいてから問いかける。

「はい、実は―」

栞はついさっき起きたことを説明した。

帰り道の途中異形の影に襲われたこと、その時先程二階に運んだ青年が助けてくれたということ、

一瞬、青年が変身したことを話すべきか迷ったが、秋子には全て話すべきだと思い、先程のあらましを全て話した。

「そうだったの...怖かったでしょう?」

そう言って本当に辛そうな表情になる。

「はい...でも、あの人が助けてくれましたから。」

一息おいてから聞き直す。

「どうですか?あの人...

そう聞いた時、秋子は頬に手を沿えて思案するように押し黙る。

その様子を黙ってみている栞。

そして秋子が話し出す。

「大丈夫ですよ、出血も止まっているし怪我もそれほど大したものではないみたいですから…でも」

「?・・どうかしたんですか?」

「あ.いえ、何でもありません。」

ゆっくり首を振って答える。

「そうですか...?」

「取り合えず今は落ち着いてるようだし、ゆっくり寝かせてあげましょう...

優しく、諭すように言う。

「はい...

「それじゃあ悪いとは思いますけど、取り合えず連絡が無いと家族の方も心配するかもしれませんしね」

そう言うと机の上に置かれているバッグに手を伸ばす。

「良いんでしょうか?」

「良くはないわね」

そう言って舌を出して微笑み、二人で身元を確認できるものが無いかを探し始める。

バッグを開けてみると大きさのわりにあまり荷物は入って無かった。

中に入っていたのは財布、携帯電話、手帳、筆記用具、食パン二枚入りの袋、スポ―ツドリンク、そして着替えが二、三着ほどであった。

「免許証でもあれば良かったんですけど…」

鞄に手を突っ込んだり逆さにしたりしてみたがそれらしきものは見あたらなかったようだ。

(無免許運転?)

栞は先程青年がバイクに乗っていた姿を思い出す。

まあバイクに乗ってて免許証が見つからなければ疑問に思うのが当たり前だろう。

「これで分かるかしら?」

秋子は携帯を開き操作していく。その時栞は手帳を手に取り中を見てみる。

すると中から一枚の紙のようなものが床に落ちていった。

「?..なんだろう?」

拾い上げるて見てみるとそれはプリクラであることが分かった。

そこには楽しそうに笑っている四人二組の男女の姿が映っていた。

よく見ると四年前の発効日が記入されているのが分かる。

その写真には先程の青年と肩を組んで笑いあっている青年と同い年くらいの明るそうな男子、一人は慌てるそぶりをした赤髪のショートカットをした少女、もう一人は大人びた雰囲気のある黒長髪の少女が写っていた...

この写真を見たとき不意に駅前の事を思い出す...

あの時の駅前で見た彼の姿が、今は何故か悲しんでいるように見えた気がした。

「−ふう−」

とその時、秋子がため息が聞こえ思考は中断される。

「どうかしたんですか?」

写真を手帳にしまい、秋子の方に顔を向け聞いてみる。

「ええ、名前は分かったんですけど...免許証とか居場所を示すものは何も」

そう言って持っていた携帯を栞に手渡す。

「何もでませんね」

しばし携帯の画面を眺めてそう呟く。

 その携帯にはプロフィールの所に唯一本人の物と思われる[ヒノツキアキラ]という名前が書かれているだけだった。

アドレスに電話番号は表示されておらず、履歴も無く使っているのかさえ怪しいものであった。

「取り合えず、今は待ちましょう。それに栞ちゃんも疲れたでしょう?もう遅いですから今日は家に泊まっていってください」

「…それじゃあお言葉に甘えて...少し電話借りますね、一応家に連絡してきます。」

そう言ってリビングから出て行く栞、普段なら最初に断っていただろうが今の彼女は精神的な疲労と自分を救ってくれた青年  、日月輝のことも気になるので秋子の申し出を素直に受ける事にしたのだった。

そして栞がリビングから出て電話をかけているときに秋子は表情を曇らせていた...

なぜなら彼女は日月から水瀬の一族と闇の力に近い...けれど全く異なる様な奇妙な力を感じていたからである。

先ほどそのことを栞に話すべきか少し迷ったが、これ以上心配させる必要も無いと思い黙っていることにする。

それに家に入れたのは彼が憔悴しきっていた事と栞を助けたという話から少なくとも悪人ではないと思ったからだ。

今は二人ともゆっくり休ませる事にしよう...そう思い栞の寝床を整えに二階へ上がっていった。

 

<??? 11:47PM>

どこかの森の中、先程栞たちを襲った影が木の幹に座り込んでいた。

「グゾ!!ガノ.ザグガ..!!!」

叫びながら木を殴りつける。殴られた部分から木は音を立て崩れる。

「ヤツアタリトハ、ミットモナイナ...

近くの林の中から同じ顔をした、それで少し体格の大きい影が現われそう語る。

「ヴルザイ!!」

「うるさいのは貴様だ、ハイディアスW...

体格のあるハイエナ種の後ろから狼のような顔をし、額にも目を持つ三つ目の影が現われ達者な日本語で静かに諌める。

その狼種の影の後ろにはもう一体ハイエナの顔を持つ影が控えている。

「何にやられた?」

静かな声で問う。

「ベドゥニ...ウダンジダダ..ッゲア!!?」

「何にやられたのだ?」

ハイエナ種、ハイディアスwの首を掴み力をこめ、再び問いかける狼種。

「ジ...ヂヶル..モドゥゴドニ...

首を絞められ素直に答えるハイディアスw

返事を聞いた狼影は力を込めていた手をはなす。

そして狼影は口に笑みを浮かべ、ほうっとうなずく。

「Эョ...ツギハ、ワレガ.ゲニヴェヲカリマショウ...

そう言いながら狼影に近づく大型ハイエナ種

「ヴザゲェヴヌ!!ゴガァボレブ...

「黙れW..Wが?に逆らうか...

大型ハイエナ種、?に講義するwだが狼影の言葉に押し黙る。

「ソレデハ...ヒノアケタコロニ.....

そう言うと大型の影、?は森の暗闇に消えていった。

その後を悔しそうに睨むw。

狼影ともう一体のハイエナ種はそれを黙って見送る...

 

<水瀬家二階の一室 7:48AM>

「う.......

呻きながらも日月は目を覚ます。

「こ...は?」

そう言って日月は起き上がろうとするが、未だ体力が完全に回復していないのか体に力が入らない。

取り合えず自分が今どこにいるのか確認するために頭だけでも動かす。

一通り見渡すとどうやらそこは病院などではなくどこかの家の部屋だと認識する。

(オレは確か..

日月は何故自分がこのような場所にいるのか思い出そうと記憶を探る。

(昨日の夜に.女の子が襲われてて...それで....

その後のことは、ハッキリとは思い出せない...嫌、思い出したくなかった...というのが正しいかもしれない。

日月が思考していると部屋の扉が開く音がした。

日月がはっと音がした方に振り向くと、そこには青色をした長髪の女性が虚ろな目をして立っていた。

しかも何故か腕にカエルの人形を抱えて...

「ぁ.あの...

突然の来訪者に驚きながらも日月が何か言おうとする。女性はおぼつかない足取りで日月に近づく。

日月のベッド前に立つとその女性は突然後ろに振り返り何か呟く。

...ケロピーは…」

呟きながらその子は人形を頭の上高くに掲げ、

「・・・ここ」

そのまま後ろに倒れこんだ。

・・・日月の真上に

そして肩の傷口に思い切り伸し掛かった...

「ィ!?ッヅアアアアアアアああああああああアアアああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!???」

朝から青年の叫びがこだました...

予断だが倒れこむ少女の姿はさながらジャーマンスープレックスの体制に酷似していたらしい...

ついでにこの叫び声によって近所から文句が来たという事も加えておく。

 

Episode1[接点]Closed.

To be continued next Episode. by MaskedRider Revenge

cross story

 

 

次回予告

突然現われたカノンと似たような力を持つ日月晃。

彼は自分を解放した栞達に対し暴言を吐く。

晃「勘違いするなオレはあんたを助けたわけじゃない。」

栞「どうしてそんなこと言うんですか!?」

晃の言葉に何故か過剰に反応してしまう栞。

その最中、新たな影たちがそれぞれ動き出す。

晃「オレには何の関係もない...

 

心に迷いが生まれし時、力はその輝きを失う。

次回、仮面ライダーR【リベンジ】

繋がりを求めるもの編Episode2「偽心」

その心に宿るのは救いの光りか破滅の闇・・・

 

 

 

後書き。

 

まず始めに御免なさい。<(_ _)>

しおりん「わ!?、いきなりどうしたんですか?」

いえ、かの名作仮面ライダーカノンをぶち壊しにしかねない駄文を出した事の謝罪です。

しおりん「私や秋子さんの言葉遣いも変ですし、ここの後書きも第一話の後書きを真似してますしね」

書き方が(つなげ方が下手)分からなかったんですよおおぉ

しおりん「言い訳ですか?」

Оu、Yes! ちなみに次回はさらにキャラの(言葉遣い)性格が悪化してます。

秋子さん「却下!(コンマ一秒)」

コンマですか!?

秋子さん「何かに挑戦しようとするのは大変良いことなのですけど・・・」

しおりん「せめて使用するキャラの言葉遣いくらいは当然ですよね」

うぅぅ・・・ウイルスやカミソリメール来ないように努力します。

しお+秋「その前に文章能力を上げたほうが良いと思いますけど」

晃「と言うかオレ主人公なのにほとんど喋れてねぇし・・・」

なゆなゆ「わたしも出番少ないよ〜」

作文すらまともに出せない作者で本当にスミマセン…

 

設定資料

 

日月 晃[ひのつき あきら]

20歳

一応この話の主人公。

性格としてはア○トの津上○一と足原○を足して2で割り、

氷川○の不器用さをもったボケキャラにしたいと思ってます。(予定かよ!?)

過去に起こった出来事のせいで今は極力他人と接しないように振る舞っている。

けれど本心は他人が傷付くのを見るのがつらく、放っておけないという優しさをもっている。

カノンと黒麒麟の戦いから数日後に何の前触れもなく突然変身能力を身につけ、5年前から戦い続けている。

 

 

水色の戦士[仮面ライダークルス リダクションフォーム]

 

このフォームは不完全で、ブートライズカノンと同じ様なもの。

著しく体力を消耗したり、心に迷いがある時にこの姿になる。

本当はまともに変身できるのだが、ちょっとしたトラウマを持っており、それが日月をこの姿に変えている。

戦闘能力は今の精神状態だと四聖獣、青龍戦のかなり弱っているカノンと同じ位か下。

必殺技は右足に炎の力を込めたキックを放つアンフィニッシュト。

 

グロウチェイサー

 

最高時速320Km 

クルス リダクションフォーム時の愛機。

自我を持つ機械生命体であり、クルスの意思を受けて単独でも走ることが出来る。

クルスと同じ色をしており、この話ではクルスと同じく未完成の姿。

 

ハイディアスW

 

ハイエナの様な姿をした未確認達とは違う異世界の怪人。

噛み殺した獲物を消滅させるという特殊能力を使い殺人を行う。

(噛み付いてるときに死ななければ助かる事もある。対外食い千切られて死にますけど)

俊敏な動きで標的に襲い掛かる。

Wは複数存在するという意味で、一番下っ端にあたる。

位は下からW(ダブル)・?(シータ)・Э(エース)・?(ニュー)・王(ウォー)・?

 

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