<関東医大病院 14:12AM>
病院の中のとある一室に二人の少女がいた。
一人は赤い長髪をしていて、もう一人は藍色の髪を肩口で切り揃えている少女。
赤い長髪の少女はベッドから上半身を起こして窓の外を見ているが、その目には光が無くどこか放心しているようにも見える。
「あれからもう・・・2年も経ったんだね」
そう呟きながらもう一人の藍髪の少女は椅子に座って、ベッド上の少女の顔を悲しげな表情で見ている。
「・・・〜♪〜♪」
ベッド上の少女は、隣で腰掛けている少女でも聞き取れない声で何かを呟く。
その声質から何か歌を歌っているようだった。
「姫姉ぇ、私明日から数日間海に行くんだよ」
椅子に座っている少女がベッド上の少女に話しかけるが、話しかけられた少女は変わらず窓の外を見ながら歌っている。
「友達に誘われて、断れなくて・・・その・・・タケ兄ぃやシズ姉ぇも行ってきても良いだろうって・・・」
話していく内に少女は罰が悪そうに少しずつ下を向いてしまう。
心の中では自分は何を言っているのだろうと、目の前の少女に対して自分だけは幸せに過ごしていますと自慢したいのだろうか?そんなつもりは毛頭無いのだが、どうしても罪悪感に苛まれてしまう。
不意に少女は自分の頭に人の手の感触を感じた。
少女が顔を上げてみると、姫と呼ばれた少女が彼女の頭を優しく撫でていた。
まるで気にしてないとでも言うかのように。
しかし、その表情には感情らしいものが全く見当たらなかった。それでも少女は彼女が自分に微笑みかけてくれたように思えて涙ぐむ。
「姫・・・ねぇ・・・・・・!?」
突然、姫と呼ばれる少女が後ろに傾く。座っていた少女は咄嗟に身を乗り出して彼女の身体を支えに入る。
だが、無理な体勢のために支える事は出来ず、少女達はぼふっという音と共にベッドに倒れこんだ。
「んっ・・・姫姉ぇ大丈夫!?」
そう言って姫に顔を向けると、彼女は穏やかな寝息を立てて眠っていた。
どこか変にぶつけた様子も無い事に安堵し、少女は下敷きになった自分の手をゆっくり引き抜く。
「・・・また寝ちゃったんだね」
彼女は一旦寝てしまうと暫くは起きない。しかも次に目覚めるのは何時になるか分からないと言う。
そんな不可思議な行動を彼女は2年も繰り返していた。
「夢の中で・・・日月先輩に会えると良いね」
ベッドに寝た彼女、伊澄姫悸にそう呟くと少女、相川未来はあまり音を立てないように病室から出て行った。
未来は知らない・・・この旅先で彼女達が最も会いたがっている人物と再開するという事を。
仮面ライダーR【リベンジ】
盟約に縛られし者達
Episode.7[乱入]
<約3年前・埼玉県内某所 ??:??PM>
「はぁっはぁっはぁ」
一人の少女が息を切らせながら、都内の裏路地を必死に走り抜けている。
そんな彼女を一体の異形の影が素早く、だがおぼつかない足取りで追いかけていく。
走りながらも彼女は時折後ろを振り返りながら、自分を追いかけてくる謎の異形の影から逃げようと必死に走る。
「はぁっはぁ・・・きゃっ!?」
影の姿を見る為に後ろを向いた時に足が縺れて少女は前のめりに転んでしまう。
「いったぁ・・・」
転んだ時に打ったのか、腕や足に走る痛みに顔を歪めながらも少女は直ぐに立ち上がろうとする。
「ウケケケケケケケケケ!!」
「!?」
自分の直ぐ後ろで嫌な笑い声を上げる異形の影。
今、自分が置かれている状況を理解し、恐怖で身体の動きが止まってしまう。
それでも、ゆっくりと後ろを見ようと首を動かしている自分がいた。
そして、異形の影の姿が確認できた時、影は腕を高く掲げて自分に襲い掛かろうとしていた。
「っ!!」
この後自分に起こるであろう出来事を予想し、思わず目をきつく閉じる。
だが、少女が予想していた惨劇が起こることは無かった。
「ッシャアアアアァァァァアアアアアアァァァ!!!!」
「―っえ?」
突然の奇怪な叫び声に異形の影は振り上げた手を止め、少女も目を開けて叫び声のした方向に顔を向けた。
―ゴッ!!!―
「ガァッ!?」
瞬間、突風が吹いたような音と共に何かが異形の影を蹴り飛ばした。
突然の出来事に影は何もすることが出来ずに吹き飛び、近くのビルの壁に叩きつけられる。
そして、異形の影を吹き飛ばした“何か”は少女に背を向け、異形の影と対峙する。
その姿は全身緑色の筋肉を持ち、瞳は大きく丸い赤い目、口は鈍い金色のマウスガード。
額に同じく鈍い金色をした短い二本角を持つ緑色の怪人が少女の目の前に立っていた。
「ぁ・・・」
「よっす、大丈夫か?」
突然の事に呆けている少女に緑色の怪人は顔を向け、片手を上げて挨拶するように尋ねた。
普通の人ならこの緑色の怪人を見たら逃げ出すだろうが、少女にとって彼の姿は悪と戦う正義の戦士の姿に見えていた。
「ん・・・はい、大丈夫です!!」
転んだ時に打った腕と膝の痛みを我慢し、少女は直ぐに立ち上がり親指を立てて返事を返す。
それを見た緑色の戦士は先程吹き飛ばした異形の影に向き直る。
見ると、異形の影は両手を地面に付けて、うつ伏せ状態からゆっくりと立ち上がろうとしていた。
「ゥッシ!!」
掛け声と共に緑色の戦士は異形の影に向かって走り出す。
「ッシャァァァァァアアアアアアアアアアア!!!」
緑色の戦士が雄叫びを上げると、それに呼応するかのように両手全ての指先が硬質化し、太い棘の様な爪に変化していく。
そして、緑色の怪人は異形の影に飛び掛っていった。
<海岸沿いの道路 10:27AM>
あまり混んでいない海岸沿いの道を走るワゴン車の中で、寝ている少女を起こす声が聞こえてくる。
「未来ちゃん? 未来ちゃん!!」
「フォへ?」
自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、同時に身体が揺すられているのを感じ取って未来と呼ばれた少女は目を覚ます。
ゆっくり首を左右に動かし両隣にいる友人の顔を見ながら、覚醒しきっていない頭で今の状況を思い出していた。
どうやら海に向かう途中、うたた寝をしてしまったらしい。
(夢・・・かぁ)
懐かしい夢、まるで幻だったような数年前の体験を見た事に未来は鬱な気分になった。
「フォへ? じゃないよ〜。ほら! 海が見えてきたよ!!」
そんな未来の様子を眠気の所為だと思ったのか、未来を起こした長い金髪の少女が妙に明るく話す。
いや、そのはしゃぎ様からして、それが彼女の性格なのかもしれない。
「うん、綺麗だね」
未来は未だに眠気を含む瞼を擦り、顔を窓に向けて外の景色を眺めた。
<浜辺 11:41PM>
「暇だ〜」
夏真っ盛りのこの時期、本来なら多くの人で賑わう筈の海の家のカウンターに晃はボーっと突っ立っていた。
晃は鳥怪人との戦いの後、燃料代獲得の為にこの海の家でバイトを始めていた。
あまり人と接する職には抵抗があり最初は色々不安に思っていたが、予想に反して客足は本当に少なかった。
晃本人としては楽ができて有り難いのだが、あまり人が入らないのもバイト代を下げられるのではないかと不安に思う。
まあ、急遽臨時で雇ってもらった上に、明日で終わるのでそれほど収入は無いと覚悟を決めていたが。
「お疲れ様」
「あ、どうも。」
何時の間にかボーっとしている晃の目の前に、後ろ髪を縛った女性が近づいてきて声を掛けてきた。
「遅かったですね」
「まあね、どう? 仕事はもう慣れた?」
「はい、今の所すごく充実してます」
「店長が聞いたら嫌味にしか聞こえないわね」
女性はくすくす笑いながら店の奥で寝ている無精髭を生やした中年男性を見る。
一応この中年男性が店長なのだが、晃が働きに来てからもあまりの客の少なさにほぼ毎日昼寝をしている姿しか見られない。
まともに起きていたのは晃が面接に来た日とバイトに来た初日くらいだ。
「川口さん。これは何処に置けば良い?」
晃と話している女性、川口成美に両肩に荷物を掲げている銀髪の青年が店の入り口から声をかける。
「あら、銀澪。いたの?」
「いたの? って」
「冗談よ。ここまでご苦労様、後は彼が荷物運んでくれるから渡して」
「え? オレですか?」
別に嫌がっている訳ではないが、成美の言葉に戸惑う晃。
「何か文句ある?」
「いいえ、別に何も?」
「それじゃ、銀澪」
そう言って成美が後ろを振り返って銀澪を前に出させ、晃も荷物を受け取るために店先に出る。
荷物を受け渡す時、必然的に晃と銀澪のお互いの目が交差した。
「キミは…」
「え?」
「…いや、何でもない」
晃の顔を見た銀澪は一瞬驚いた表情を見せるが、それ以上は特に変わった様子を見せずに荷物を晃に渡す。
晃も妙な感覚を感じながらも、特に気にしないで荷物を受け取る。
「それじゃあ、俺はこれで」
「待ちなさい」
さっさと何処かに行こうとする銀澪の後ろの襟元を掴んで引き留める成美。
「これで終わりと思ってる?」
「…世話になった分は返すよ」
笑顔を向けながら悪戯気味に話す成美に苦笑しながら答える。
「そう、じゃぁがんばって行ってらっしゃい」
そう言うと掴んでいた手を離して小さく手を振る。
それに答えるように小さく手を振って銀澪は足早に立ち去っていく。
「仕事ですか?」
話終わるのを見計らっていた晃が銀澪のことについて訪ねる。
「さあ、良く分からないけど何か捜し物があるみたい」
「捜し物…か」
「それじゃ、私は今日はサボっても良い?」
「駄目でしょ?」
冗談を言いながら成美は店の奥に入っていき、晃も荷物を置きに後をついて行こうとする。
不意に振り返って砂浜を走っていく銀澪を見ながらも、晃は銀澪に対して妙な親近感を感じていた。
「あの〜?」
「あ、はい!?」
声をかけられた事にはっとし反射的に返事をする。
つい驚いて変な返事を返してしまったと思いながらも振り返る。
店内に入ってきた事にも気づかなかったとは、どうやらかなり気が抜けていたらしい。
「あっ!?」
「え?」
「おっ?」
顔を向けた途端驚いたような声を出すお客達。
そのお客達は以前この海辺で出会ったマスターや瑞佳等、今海にきている喫茶ホワイトのメンバー全員だった。
その時マスターと瑞佳は晃の顔を覚えていたが、晃の方は一般のお客さんという考えしか湧いていなかった。
<N県ものみの丘の遺跡 11:44PM>
突如N県に現れたものみの丘の遺跡。
その薄暗い内部を数人のグループに分かれた警官が探索していた。
「大野木さーん、どうして俺たち警察官が遺跡の調査しなくちゃならないんですかぁ?」
一人のまだ若い男性が同じチームにいる年配の警官に愚痴をこぼす。
「仕方ないだろう。以前、遺跡の調査で未確認が現れるってのが続いてんだから」
「そうっすけど、それなら本庁の仕事じゃないですか」
「本庁は未確認の被害で人員不足。だから俺達地元警察官から抜粋されたんだろう」
先輩の言葉が正しいと分かっているが、若い警察官は不満げに文句を言い続ける。
「それにしてもこの遺跡は…風化したって言うより、何かが暴れた後みたいに見えるな」
「そうっすね」
年配の警官、大野木がそう言ったのを聞いて、若い警官も遺跡の内部を見渡す。
遺跡内は地面が抉れていたり、壁が砕けている場所もある反面、綺麗に整った場所もある。
今現在、彼等のいる場所は他と比べると綺麗に整った廊下を手に持ったライトの明かりを頼りに進んでいた。
「気味悪いっすねこの遺跡。そこら中に未確認みたいな絵が描かれてて」
ライトで照らされた壁には人型の獣の絵が映し出される。
それは一つや二つではなく、この遺跡内部のすべてにそれぞれ違う種類の人型の獣の絵があった。
それらは全てが生きていて、すぐにでも襲ってくるのではないかとさえ思えてしまう。
全てがそれほどの生命力を感じさせられるものだ。
「大野木さーん」
二人が話していると、同じチームにいる他の警官が少し先の通路で手招きして二人を呼ぶ。
「おお、どうした〜?」
「これ、見てください」
そう言って指さした先の壁には凸出たスイッチらしい物がある。
「なんっすかね…これ?」
「そりゃぁやっぱ…スイッチだろ」
「でも、古代にスイッチなんてあるんすか?」
三人ともう〜んと唸ってそのスイッチを見る。
不意に大野木が調べてみようと手を伸ばし、その際スイッチを押さないように触れてゆっくりと手を動かす。
それをビクビクしながら見ていた二人の警官。
「どうですか?」
そう訪ねて身を前に乗り出す。
「うわ!?」
「えっ!?」
「おお!!?」
―カチッ―
一人が身を乗り出した事でバランスを崩し、前のめりに倒れる三人。
その拍子に壁のスイッチを思いっきり押してしまう。
―ウィイイイイイイイイン―
「な、何だ!?」
「まさか崩れたりしないっすよね!?」
その場に聞こえてくる機械が動くような音に困惑する三人。
大野木は周りを見渡して音の出所を探す。
「お、おい二人とも。ちょっとそこ見てみろ!」
大野木が示した場所、丁度スイッチの隣の壁がゆっくり横にスライドするように動いている。
「こりゃぁ驚いた」
「手押しの自動ドア?」
やがて壁の動きが止まり、しばらくその場にいたが他には何も起こらない。
警戒しながら三人は空いた場所に近づき、そこから奥に向けてライトを照らす。
幾つか台座のような物等が見えるが、物音など生き物の気配はないようだ。
三人は警戒を続けたまま中に入る。
「なんなんすかね…ここ」
若い警官は壁に手をつきながら部屋の中を移動する。
−カチッ−
「え?」
手に伝わる感触と音に驚くと同時にその部屋に眩しい光がともる。
「うわっ!?」
「何だ!!」
突然の光に目を開けていられず驚き慌てる。
しばらくその場でじっとしていると明るさに慣れたのか、ゆっくりと目を開ける。
そこは個室となっているような空間だった。
「なんだこりゃぁ?」
大野木はその部屋の中央の台座にある二つの物体を目にして疑惑の声を上げた。
台座の上には、一つは一本の太い角を持ったカブト虫、もう一つは刃のような牙を持つクワガタ虫の様な体を持つ作り物の甲虫が、台の上に隣り合わせに据えられていた。
<とある港町 12:21PM>
海に向かう道の途中の道で、三人の女性が談笑しながら歩いていた。
「でも、本当に良かったのかな?」
女性の一人、未来が一緒にいる二人の姉妹に対して尋ねる。
彼女は友人の両親の車でこの町まで来たのだが、その両親が家の片付けをしている間遊びに行くように言われ、それに甘んじている事に少し抵抗があった。
「大丈夫、ああ見えてウチの両親凄く仲良いから」
「そうそう、あたし達がいた方が却っておじゃまになっちゃうよ」
「そ、そうなの?」
「そうなの。だから未来ちゃんも、今日は嫌な事は忘れて思いっきり遊んじゃお!!」
「わ!? ちょ、ちょっと待って」
そう言って友人は腕を高く上げて未来の手を少し引っ張って一人早足で先に進んでいく。
未来と友人の妹は慌ててその後を追っていこうとする。
「すみません。姉さんがはしゃいじゃって」
「ううん、いつもの事だから」
「でも、ああ見えて姉さんも未来ちゃんの事心配してるんですよ?」
「え?」
その言葉を聞いて、未来は少し考え込む。
(私…そんなに暗い顔してるかな?)
普段は普通に過ごしていると自分では思っている。
けれど、もしかしたら自分の知らない所で表情や仕草に出てしまっていたのだろうか?
「大丈夫だよ、悩み事がある訳じゃないから」
「うん、でも何か困ってたら言ってね?」
友人の言葉に一応頷いて応える。
実際に悩みがある訳ではない。
いや、悩んだりする事はあるが、それは過去の自分に対する後悔によるものだ。
その時に起こった事はほとんど知っている人はいない。自分も詳しい事を知らず、ただ結果を見ただけだった。
それだけで、自分はある人を非難した。
あの人は誰に知られる事もなく傷つき、戦っていた事を自分は知っていたのにも関わらず。
後にその事を反省し、その人に謝ろうと思った。
けれど、その人は卒業と同時に行方を眩ましてしまって連絡を取る事が出来なくなってしまった。
友人達の好意は嬉しいが、自分自身の後悔はどんな時も忘れる訳にはいかないと考えている。
少なくても、もう一度その人に会って、その人に謝れるまでは。
「ねぇ、ちょっと近道しない?」
不意に友人が近くの山道を指さしながら訪ねる。
「山を抜けるより普通の道を通った方が早いと思うけど?」
「何言ってるのよ、自然を見ながら海に向かうっていうのもおつでしょ?」
意味無く胸を張って言い切る友人。
その様子に苦笑しながらも、未来達は頷いてその提案に乗る事にした。
「よーし、じゃあ出発―!」
元気よく手を挙げて山道に入っていく友人に続いて未来達も山道へと入っていった。
<とある港町・山道 12:29PM>
山道から少し外れた木の少ない広場のような場所の真ん中で、セーラー服に近いデザインの服を着ている女性が立っていた。
女性の周りは冷気が立ち込み地面の雑草は凍り付き、それらが陽の光を浴びて輝き幻想的な光景を作り出している。
その女性は何をするでもなく、まるで何かを待っているかのように空を見上げている。
「…隠れてないで出てきたらどうかしら?」
女性は近くの茂みに顔を向けて語りかけ、数秒後茂みの中から銀澪が姿を現す。
「どういうつもりだ?」
訪ねながら銀澪は女性を睨み付け、警戒しながら少しずつ近づいていく。
「深い意味は無いわ。ただ、貴方に興味が沸いただけ」
「俺を呼び寄せるために力を剥き出しに解放していたのか?」
「そうね…完全な状態だったら、貴方を呼び寄せるのにもこれだけ手間も掛からなかったかもしれないわね」
そう言って女性は微笑み、銀嶺に向き直る。
「そうだな…だから今の内にお前を殺す!!」
そう言うと銀澪は両腕を前に突き出し交差させる。
「今日は話しをしたいだけ…それに今の貴方の力で私に勝てると思っているの?」
そう呟くと女性の右手に霧が集まり、やがて水となって棒状の形を形作ると徐々にそれが凍っていく。
パキィイイイイイイイイイィン!!
ガラスが割れるように音を立てて氷が砕け散り、その下から上下で若干形の違う刃を持った槍が現れた。
銀澪は構わず手首を返して腰に落とし、ベルトを出現させ自分の顔の前で両手を×の字に構え掌を前にするように手首を返しながら正面に伸ばす。
「変身!!」
そう言って銀澪は素早く走り出す。
それと同時に銀澪の体が変化し、両刃剣を持った灰色の戦士、アストへと姿を変える。
「覇アアァアアアアアア!!」
走る勢いを付けたままアストは飛び掛かり気味に両刃剣を突き出す。
女性はその様子に呆れたような溜息を出しながら左掌を剣に向けて突き出し、二つの影が交差する。
「なっ!?」
目の前の光景に驚きの声を出すアスト。
女性を貫くかに見えたアストの両刃剣は、女性の突き出した掌の指と指の間に挟み込まれて止められた。
アストは力を込めて押し切ろうとするが、剣は微動だにせず動かない。
「少し…話しをしましょう…ね、カノン殺しの戦士?」
<浜辺 12:40PM>
太陽も高く昇り、暑さも増した浜辺には相変わらず人が少なかった。
そんな浜辺にある一軒の海の家では、祐一達と成美、晃が楽しげに話をしている。
あの後、店内に瑞佳達を招き入れると成美と佳乃がお互いの姿を見て挨拶をした。
どうやらこの二人は顔見知りだったらしく、再会を喜ぶ様な話が始まった。
その事もあり、何時しか晃が瑞佳やマスターの事を思い出すのに時間がかかったり、ガソリン代捻出の為に働いている事を成美がからかうように話した所為で両者はかなり打ち解けていた。
「それにしても、川口さんがここで働いてるなんて知らなかったよぉ」
「まぁね、長い休みは時間が余るからよく手伝いにくるのよ」
佳乃と話しながら、店のエプロンを付けた成美がかき氷を乗せたお盆を持ってくる。
「はい、これはあたしからの奢りよ」
「本当?」
「クスッ本当よ」
そう言いながらホワイトのメンバー全員にかき氷を配っていく。
「でも、良いんですか?」
瑞佳が心配したように言う。
「大丈夫よ、男連中からは倍額で支払ってもらうから」
「ちょっと待ってくれ、俺達には奢ってくれないのか?」
笑顔で言い切る成美の言葉に反応した祐一が尋ねる。
「男の甲斐性見せるチャンスよ?」
「横暴じゃないか」
「こうでもしなきゃ、採算とれないのよ」
どうやら成美は本気で男連中の分まで奢るつもりはないようだ。
その事にマスターと祐一は苦笑いを浮かべ、お互いの顔を見合わせる。
今二人の頭の中ではいかに相手に代金を支払ってもらうかが考えられている。
「それに、ここら辺にも未確認が出たって話が他の県にも広がったから、お客の入りが悪いのよ」
少し疲れたような表情をして話す成美。
未確認生命体が現れたという話が出回った事により、他県からのお客が減ってしまった事に店の事を心配しているらしい。
地元市民もここ暫く現れなかった未確認が自分の住んでいる町で活動していたと聞いて、一時期子供たちの外出について役場などで話し合いが行われたくらいだ。
「そう言えば、どうして第三号までこの町にいたのか気にならない?」
「え?」
成美が発した言葉に内心驚く祐一達。
「だって前までは東京の方に集中してたのに、いきなりこんな辺鄙な町に来るのっておかしくない?」
「そ、そうかなぁ?」
「よっぽど守りたいものでもあるんじゃないですか?」
会話から離れていた晃が、手にカレーライスを乗せたお盆を持って成美達の話に割って入る。
「カレーなんて頼んだか?」
「これは自分のです」
本当はもう少し時間が経ってから休憩に入るのだが、お客が少ないので構わず昼食をとる事にしたのだ。
その晃の出した答えに聖が興味を示す。
「君は確か日月君と言ったか?」
「はぁ」
「どうして君は第三号が護る為に戦っていると思ったんだ?」
聖の言葉にどう説明するか唸りながら、晃は近くのテーブルの椅子を引っ張り出す。
「恨みとか本能だったら所構わず暴れるだけでしょう? 今の所、誰かを傷つけたとか言うのは聞かないし…」
言いながら椅子に座る。
「それに、何かを守ろうとしないと…命を懸けた戦いには勝てませんよ」
その時、晃は知らず知らずの内に手を振るわせて握り拳を作っていた。
祐一達には背を向けている状態だったので、幸いその行為に気づいた人はいなかった。
しかし、瑞佳は晃の背中を見て祐一と似たような雰囲気を感じ取り、首を傾げる。
「ま、オレだったら絶対他人の為に命掛けたりしませんけど」
冗談まじりに話を締めくくると、晃は持ってきたカレーを食べ始める。
「情けないな、男なら誰かの為に強くならないと。女もそうだけどな」
「絶対嫌です」
同じように冗談まじりに話すマスターの言葉に速攻で答える晃。
「い…嫌ですって」
「絶対とまで言うか?」
その早さに瑞佳達は少し顔を引きつらせる。
「…誰かの為って考えてると……何も出来なかった時に余計に辛くなるだけですよ」
そう、守りたくても守れない時はある。その事実に直面した時に湧き出てきたのは後悔だけだった。
晃の言葉に祐一は彼が自分に近いものを持っているような感覚を感じ取っていた。
「まるで体験したかのような言い方だな」
「そうでもないですよ…ただ、自分がどれだけ頑張っても…過程や結果、見る人が悪いと感じればそれは只の迷惑行為でしかない。人の事を気にして行動すれば自分が傷付くだけですよ」
人の為を思って行動しても、それが全てその人の為になるとは限らない。
だから自分は他人の為に命を掛ける事はもうしない。
今戦うのは自分が自分が誰かを護る事を嬉しく感じられるからだと分かったからだ。
自分の戦いは他人の為ではなく、自分自身の為。
だからこそ、命を投げ出す事はしないが全力で何かを護る為に戦える。
そこまで考えて晃は周りの空気が重苦しくなっていることに気づいた。
何時から自分はこれ程自分の心の内をさらけ出せるようになったのかと頭を抱えたくなる。
この場合良いのか悪いのか判断に困る。
―――フィイイイイイイイ―――
自分が作り出した空気の重さをどうやって始末しようか考えていると、晃の脳裏に怪人がでた時の警告音が駆け抜ける。
(なんだ? いつもと何か違う?)
感じ取った感覚に戸惑いを覚えながら椅子から立ち上がる。
「すみません川口さん。午後の作業オレ抜きでお願いできますか?」
「サボるつもり?」
「腹に爆弾抱えて作業し続ける自信はないです」
「さっさと行ってきなさい。それとカレーある所でそんな事言わない」
「はい、すみません」
苦笑しながらそう言うと晃は走って店から出て行った。
「食中毒じゃないだろうな」
その様子を見ていたマスターがふと思った事を口に出す。
「あら、おじさま。あたしの目が節穴とでも?」
この店の材料は大体成美が買ってきている。ついでに言うなら今晃が食べていたカレーも彼女が作ったものだ。
「いや、そんな事は」
「あなた達二人割増料金支払い決定ね」
「ちょっと待て! 何でオレまで!?」
「連帯責任よ」
さらりと言い切る成美に頭を抱えながら唸るマスターと祐一。
その様子を見ながら苦笑する瑞佳達。
その時には先ほどまでの重苦しい雰囲気が大分軽くなっていた。
<とある港町・山道 同時刻>
晃が異様な感覚を察知した頃、未来達は不可思議な光景を目にしていた。
彼女達が通ってきた山道から少しはずれた場所に、季節を無視した道の様に続いている凍った雑草が続いていた。
「わぁ〜」
「これ、どうなってるの?」
目の前の光景に呆けていると、突然未来がその雪の道に沿って走り出した。
「み、未来ちゃん!?」
友人達が呼び止める間もなく未来は森の奥へと走っていく。
その事に戸惑いながらも後を追いかけようと走り出す。
(何でだろう…これを辿っていけばあの人に会える様な気がする)
凍り付いた雑草を見た時、当てのない予感、不確かだが心の底から止められない衝動が沸き起こる。
沸き上がる心に従って未来は氷の道に沿って走っていった。
<とある港町・山林 13:17PM>
太陽の日差しが木々に遮られ、心地良い風が吹く森の中で一人の体格の大きな男がゆっくり歩いていた。
その男の手にはかなり太く長い錫杖が握られ、服装は所々破けていて何か事故にでも遭ったかのようだが、男の体には外傷は全く見あたらない。
少し歩いていると、男の前方の木の陰からカウボーイ風の男が現れた。
「ビナヌブヂジャマ・ラタシィ」
「ラニマ・ヴァ・ゴカパガ…ババカモ・セリジェ・ギシャモガ?」
カウボーイ風の男が気安く話しかけるのに対し、錫杖の男は警戒心を剥き出しにして問う。
錫杖の男にしてみれば、既に関係を絶った同じ腸から生まれた同僚は母親の刺客と同じだからだ。
彼は他者の命令を聞く事を嫌い、母、グリチ・ヴァ・ゴチナの命令をも無視して仲間内を離れた。
その行為にグリチ・ヴァ・ゴチナの怒りを買い、命を狙われた事もあった。
したがって、ラニマ・ヴァ・ゴカパ等にとって彼はある種の裏切り者なのである。
「ババカバ…カノンミ・ゴドナデジャ」
カウボーイ風の男は怒りを抑えながら話し、その姿を蜂種怪人、ラニマ・ヴァ・ゴカパへと変える。
ラニマ・ヴァ・ゴカパが錫杖の男を探し出したのはその力を借りるためだった。
目の前にいる相手は自分と同じ階級でありながら、上の階級であるボメショ・ヴァ・ゴバルに近い実力を持っていた。
もしかすれば自分達と離れてから更に実力を上げているかもしれない。
カノンとぶつければそれなりに戦果が期待できそうだという考えもある。
「ボル、ノデジェ・ロデミ・シィガダン・ガネショ・リルモガ?」
含み笑いを浮かべながら問いかける。
「ノルジャ」
「ブヲ…グジャダヲ」
答えるラニマ・ヴァ・ゴカパに錫杖の男はどうでも良いとばかりに言い放つ。
「ロデバ・ロデモ・ギャヂシャリ・ギョルミ・ギャヅ」
そう言うと錫杖の男は足早にラニマ・ヴァ・ゴカパの隣を通り過ぎようとする。
「ゴヴァリ・モガ?」
「マミ?」
自分の隣まできた錫杖の男に対して、ラニマ・ヴァ・ゴカパは嘲笑するように呟く。
その言葉に錫杖の男は足を止めてラニマ・ヴァ・ゴカパに向き直る。
「レダノルマ・ゴション・リリマザダ…ボヲショルバ・カノンガ・ゴヴァリヲジャ・マリガ?」
ラニマ・ヴァ・ゴカパはそう言ってにやりと笑う。
その様子に少し腹を立てた錫杖の男は蜂の姿をした怪人の姿に変化し、左手をラニマ・ヴァ・ゴカパに向ける。
直後、錫上を持った蜂種怪人の左手の平から何かが打ち出されラニマ・ヴァ・ゴカパの頬を掠り、その何かは後ろの方の木に命中して小さな穴をあける。
「リサモバ…!?」
「ビジョシュ・リリヴァンデシャザ」
何が起こったのか分からないラニマ・ヴァ・ゴカパの顔に、錫上を持った蜂種怪人が素早く手の平をかざす。
「リサモ・ロデヴァ…ラタシィ・ヴァ・ゴバルジャ」
ラタシィ・ヴァ・ゴバルにとって母の死に興味は無く、自分のやりたい様に行動するだけだ。だから、気に入らないものは何であれ殺す。
何かを打ち出す手の平を向けられ、ラニマ・ヴァ・ゴカパは後悔しながら死を覚悟した。
だが、その二体の間に突然茂みの中から二つの陰が飛び出してきた。
「ヌッ!?」
突然の乱入者に驚きその場を飛び退く二体の蜂種怪人。
「ギナサヴァ!?…カノン……リギャ…ソジョギガ?」
ラタシィ・ヴァ・ゴバルは乱入者の内の一人、カノンに似た姿をしたアストを見て呟く。
「こいつ等は」
「…この世界の進化型ね」
一方森の中を抜けてきたアストと女性も距離を取り、二体の蜂種怪人を警戒する。
「カノン・ギナサバ・ゴドヌ!!」
ラニマ・ヴァ・ゴカパは母を葬った相手とは違うが、カノンと似た姿をしたアストに憎悪を持って襲いかかる。
それに気付いたアストは剣を横薙ぎに振るって牽制し、ラニマ・ヴァ・ゴカパの動きを止める。
そこを狙って女性がアスト目掛けて槍を叩き付けるように振り下ろす。
「くっ!」
アストは振るった剣を引き戻して槍を受け流し、そのまま体を回転させて回し蹴り放つ。
女性はそれを難なくかわすが、横からラニマ・ヴァ・ゴカパが女性に向かって飛び掛かっていた。
ラニマ・ヴァ・ゴカパにしてみれば女性は自分の戦いの邪魔でしかない。だから、先に排除しようと考えての行動だった。
「馬鹿ね」
ラニマ・ヴァ・ゴカパの行動に女性は面妖な笑みを浮かべて槍を振るう。
ラニマ・ヴァ・ゴカパは咄嗟に後ろに飛んで回避したが、かわしきれずに腹部に浅くはない切り傷が刻まれる。
しかし、その傷口からは血は流れず、代わりに傷口が急激に冷えて凍り付く。
「マ…ミ!?」
自分の身に起こった現象に困惑し、腹部に走る異常に片膝をつく。
その様子を気に止める事無く、女性はすぐに自分の背後に槍を振るって追撃しようとしていたアストを遠ざける。
「…簡単にはいかないか」
「ふふ…そっちも褒めてあげますわ。先程の攻撃…反撃出来るとは思っていませんでした」
アストと女性は二体の蜂種怪人のことなど気にしていないかのように、お互いジリジリと横に動きながら間合いを計る。
「リリアサ・ジャマ・ラニマ」
アストと女性の戦いに加わろうとせず、ラタシィ・ヴァ・ゴバルは中傷するようにラニマ・ヴァ・ゴカパに話しかける。
ラニマ・ヴァ・ゴカパは低く唸りながらラタシィ・ヴァ・ゴバルを睨み付ける。
乱戦となりかねない三つ巴の戦場に、バイクに乗った晃が到着し、戦場の近くの茂みにバイクを止めてヘルメットを取り様子を見る。
「あれは!?」
晃は女性と対峙している自分の変身した姿に似ているアストの姿に戸惑う。
今までの相手も大体自分の姿と違っていた為、自分に似た姿のアストは敵と味方どちらに組するのか判断できなかった。
(あいつもオレと同じなのか?)
晃が敵の区別に戸惑っている内にアストは女性に向かって斬りかかっていった。
「なっ!?」
その光景に驚き、反射的にベルトを出現させ、一気に変身の動作を行う。
「変身!!」
手をベルトに叩き付けると同時にアストに向かって走り出す。
走っている間に晃はクルスの姿に変わり、茂みから飛び出してそのままアストに殴りかかっていった。
「うおおおおお!!」
<関東医大病院 同時刻>
病院の中の一室。
そこにあるベッドの上で眠っていた少女が、突然目を開き状態を起こす。
だが、その目は病室にあるものを写してはいない。けれど、彼女の瞳の奥には確かにある場所の景色が映し出されていた。
その景色には二体の蜂種怪人、セーラー服に似た服を着た少女、自分と相対しているアスト。
実際その場にいるかのように、そこにいる者達の会話、空気が感じられる。
誰に知られるでもなく彼女、伊澄姫悸はクルスが置かれている現状を彼の目を通して見続けていた。
Episode.7[乱入]closed.
To be
continued next Episode. By MaskedRider Revenge
Episode.
Asuto&Cross story
次回予告
異なる目的を持つ者達の戦いは決着の付かないまま終わりを告げる。
しかし、氷の道を辿っていた未来はその戦いに巻き込まれてしまっていた。
「くそぅ!!」
犠牲を出さない為に、見失った蜂種怪人達を見つけるべく晃は海の町を走る。
一方未来は霧島診療所で人を探していると話す。
「わたし…ある人に謝りたいんです」
ラタシィ・ヴァ・ゴバルを見つけたクルスは苦戦を強いられる。
「なんだ!?」
戦いの最中、グロウチェイサーに異変が起こり、クルスの頭上には飛行する甲虫が現れる!
愛機に起こる異変、突如現れる甲虫。これらは一体何を意味するのか!?
真実を知るのは少女の思い。
次回、仮面ライダーR【リベンジ】
盟約に縛られし者編 Episode.8「凱甲」
想い受け、垣間見せるは力の片鱗!!
設定資料
相川 未来(あいかわ みき)
19歳
高校時代の晃の後輩、というか友人。
元々は明るく活発で元気の象徴といった性格であった。
しかし、2年前晃を憎んでしまった事に罪悪感を感じ、控え目な性格になってしまった。
時折、未確認のニュースを聞いては現地に向かって晃を捜している。
緑色の戦士 (仮面ライダーデーヴァ:イレギュラーフォーム)
晃が始めに変身していた姿。(この時、霊石は一つだけだった)
容貌、戦い方などがブートライズ、エミニートカノン、アインに似通ったものがある。
これも不完全、というより規定外の姿なのだが戦闘力は上記の戦士たちと同等。
指を硬質化させた爪での攻撃や咆吼など野獣の様な戦い方を得意とする。
(今の戦い方にはこの時の名残が若干見られる。)
必殺技は足の先を硬質化させて相手を突き蹴る、ピアースキック。
ラヌヂ・ヴァ・ゴバル
蜂種怪人。
元ラニマ・ヴァ・ゴカパ達の仲間。
他人の命令に従うのを嫌い、力の向上に貪欲である。
その為、武器を使う戦い方を自身に取り入れ、いつの間にか位も上がっていた。
手の平から針ではなく小さな固まりを打ち出す事が出来る。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後がき
ふぅ…ようやく晃の友人を出すことが出来た。
晃 「けど…微妙だよね」
まぁ、重要なのはきみの近くまで辿り着いた未来ではないから構わないのさ。
さて、次回はクルス番の聖鎧虫が登場予定です。
晃 「良いのか? 色んな意味で…」
う〜ん。取り合えず無くても物語り進められるけど、後のバトルの為に少なくとも二、三回は出す予定。
ちゃんと合体するし、色んな機能ついてるから楽しみにしてや。
銀澪 「緑の戦士については?」
それは書いてあるように晃の最初に変身した姿です。
今と姿形、能力など結構違うけど、学生時代彼はずっとこの姿一本で頑張っていました。
実力はファイティングフォームと大差ないかな? ちなみに、今からこの姿に戻ることは出来ません。
晃 「何故に?」
そりゃ、あの人が…危ないねぇ。
晃 「あの人って…誰だ? そして何をしてる!?」
この先のことに関わるからノーコメント。
今の内にどう説明するか構想建ててますから待ってなさい。
???「脇役の少女たちはこの話以降出ないのかしら?」
読者の反応次第ですねぇ…
(この人の名前どうしようかなぁ…氷の女性、本気で名前募集中)
成海 「なら私は大丈夫ね。だって気に入ってくれた人が出たんだからレギュラーでしょ?」
未来 「わたしや姫姉ぇは!?」
機会があればレギュラーです。
成海 「機会があればってどうゆう意味よー!!」
未来 「…次回頑張ろう(泣)」
晃! 銀澪!! GO!!!
晃 「犬か?」
銀澪 「仕方ないか…」
ガシッ ズルズル…
成海 「え? ちょっと何よ!? またどっか変な土地に放り出すつもりじゃないでしょうね!? っていうか離しなさいよ!! ここで抗議しないと出番が〜!!………」
ゴスッ!!
晃 「今度は頭突きか…と」
スッ ズビシ!!(未来の背後から首にチョップ)
未来 「うっ!! なんで私まで……?」
晃 「何となく」
ガクリ…
…返事がない…ただの屍のようだ。
晃 「安心しろ。傷はやばい…ポックリ逝け!」
未来 「ゴトリ…」
ボケれるなら大丈夫だろう。
さて、次回の為にバイクの名前を考えておこう。
ではまた、次回に〜。
晃 「…なんだこの終わり方?」