「仮面ライダー」相沢祐一は改造人間である

彼を改造させた「カノン」は世界征服を企む悪の秘密結社である

仮面ライダーは人間の自由の為にカノンと戦うのだ




        Kanon 〜MaskedRider Story〜    
                   第四話       




○県山中にあったカノンの基地が爆発してから一夜明けた日、山中から離れたある一軒のファミレス
に相沢祐一の姿があった。祐一は食事を摂りつつ地元発行の新聞に目を通していた。

「(例の爆発は山火事として扱われている……)」

他に、現場から謎の建築物が出たとか身元不明の遺体が発見されたという記事は見当たらなかった。

「(やるしかないんだ……カノンと戦うんだ)」

コップを持っていた手に力を込める。すると、パリーンという音がしてコップが割れ、辺りに水を
撒き散らしてしまう。祐一は驚いて己の手を見つめる。

「(そうか、俺の身体は……)」

「お客様、大丈夫ですか?」

音を聞きつけたウェイトレスが慌ててやってきて破片を片付け、こぼれた水を拭いている。

「申し訳ございません、コップにひびが入っていたようで……あの、お怪我はございませんか?」

あくまでもこちらのミスですから、といった風にウェイトレスが謝罪する。

「……いえ、大丈夫です。気にしないでください」

怪我はありませんから、と告げて祐一はウェイトレスを下がらせた。その後祐一は店を出ると、今後どうするべきか
考えていた。

「(やはり、健吾さんの家に行ってサイクロンを手に入れるか……だが)」

祐一の脳裏に数年前の秋子と名雪の顔が浮かぶ。
現在では名雪は女性らしく成長しているだろうし、秋子は以前と変わらぬ容姿をしているだろうことは想像できた。
優しく微笑む二人。その笑顔を悲しみに変える真実−−健吾の誘拐から始まる一連の出来事−−を、祐一は話せそうに
なかった。

「まずは……家に帰ろう」

祐一はバイクのエンジンをかけると、家へと走らせた。


                         ★   ★   ★


暗闇の中に浮かび上がる雪の紋章……

日本の何処かに存在するカノンのアジトの一つ。ここで新たな怪人が誕生していた。
室内の中央に手術台らしき物がり、その上に一人の怪人が横たわっていた。寝ている怪人を見下ろすかのように、壁には
カノンの紋章が取り付けられており、そこから光と共に首領の声が聞こえてくる。

「目覚めよ……目覚めるのだ『蟷螂男』よ」

台の上で寝ていた怪人−−蟷螂男−−は覚醒すると台から降りる。
全身緑色の姿で、頭部は赤い目と触覚。背中には蟷螂の羽。そして左腕は、名が示す通り鋭い刃を持った鎌状になっていた。

「ギィーッ」

台から降りた蟷螂男は、カノンのマークに向かって一礼する。

「蟷螂男よ……お前の使命は、カノンの脱走者である相沢祐一の抹殺だ。カノンの意のままにならぬ改造人間は、邪魔者
 でしかない。ヤツを……相沢祐一を殺すのだ!」

「お任せ下さい、首領。必ずやヤツの首を取ってご覧にいれましょう」

「まずは、見せしめにヤツの家族を殺せ」

「ギィーッ!」


                         ★   ★   ★


ある都市の住宅街。すでに辺りは夜の闇で覆われており、街灯や各々の家が己の存在を主張するかのように光を放っていた。
その中の一軒に『相沢』と表札の掲げられた家があった。夕食も終わった時間で中からは家人の談笑する声が聞こえてくる。

「ねぇ、お兄ちゃんってばまだ帰ってこないの? 冬休みに入るなり出て行ったきり、もう1週間になるじゃない。
 お正月になっちゃうよ……バイクに乗せてもらいたいのに」

そう言って不満気に頬を膨らませているのは、リビングのソファーに座っている少女だった。髪型は肩口で切りそろえた
ショートカットで活発な印象を受ける。

「そうねぇ、祐一の放浪癖にも困ったものね。まったく、誰に似たんだか……」

そう言って隣接するキッチンからお茶の用意をして入ってきたのは、先程発言をした少女によく似た女性である。こちらは髪を
背中までストレートに伸ばしていた。テーブルにお茶を置いて再度「困ったものね。和真さん?」と呟きながら向けた視線の先
には、この部屋で唯一の男−−祐一の父−−である『相沢和真』がソファーに座って居た。

「むぅ……」

明らかに自分に向けられた視線をかわすようにして、出されたお茶を一口啜る。

「まあたしかに、俺も若い頃はあちこち出歩いたものだが……しかしそのおかげで綾乃と、母さんと会えたんだぞ。悪い事ばかり
 でもないだろう?」

自己弁護するかのようにそう言って、妻−−『相沢綾乃』−−と少女を見る。
その言葉に同意を示したのは他ならぬ綾乃だった。

「それもそうね、祐一ってばけっこうもてるようだし今度のお土産は”ガールフレンド”かしらね?」

一方、そういわれて収まりがつかなくなったのは少女だった。

「な!? だ、駄目だよ、お兄ちゃんに、そんな!」

「あらあら、玲奈ってば本当にお兄ちゃん子ねぇ」

「お母さん!」

「あらあら……」

ずばり指摘され、さりとて受け流す事も開き直る事も出来ずに、少女−−『相沢玲奈』−−は母に向かって真っ赤な顔で抗議した。

「何時だったかしら? 祐一のクラスメイト達がテスト勉強に来たときも、玲奈ったらずっと不機嫌な顔してたしねぇ」

「ううう〜」

「困ったものねぇ……ふふ」

さっきと同じ台詞ながら、そのニュアンスは違っていた。

「それにしても……」

和真は自分への非難が無くなった事に安堵して話を始める。

「一週間も出歩いて連絡の一つも入れないなんて珍しいな……秋子くんの所にでもいってるのかな?」

そう言うと、綾乃と玲奈も話にのってきた。

「秋子の所にいるんだったら、秋子が連絡を寄越すわよ……そういえば秋子や名雪ちゃんとも随分会ってないわねぇ」

「ふむ……そうだな、年明けにでも皆で行ってみるか?」

「秋子さんと名雪お姉ちゃんの所にいくの? 私も行きたいよ!」

「じゃあ秋子に連絡してみましょう……名雪ちゃん、随分とキレイになっているでしょうね。ひょっとしたら祐一が……
 あの娘祐一と仲良かったしねぇ……ふふふ」

「お、お母さん!」

早速電話をかけようとする綾乃に、また慌て始める玲奈。和真は、そんな妻と娘の様子に苦笑するしかなかった。


                         ★   ★   ★


Pururururu……

祐一達の住む所から遠く離れたとある北の街。その住宅街の中にある『水瀬』と表札の掲げられた家の電話が鳴っていた。

ガチャ

「ハイ、水瀬です」

受話器を取り上げたのは長い髪を三つ網みで纏めた女性で、今や実質家主でもある水瀬秋子だった。

『あ、もしもし秋子? あたしよ』

「姉さん?」

それは遠く離れて住む姉の綾乃からの電話だった。

『どうそっちは、元気でやってる?』

「えぇ、姉さんも元気そうね。皆も変わりないかしら?」

『まぁね。相変わらずよ』         

「ふふふ……それより今日はどうしたの? ただ近況報告って訳でもないんでしょ?」

昔から姉の唐突な行動に付き合ってきたせいか、秋子には姉がどんな用件を切り出しても冷静に対処できる余裕が備わっていた。

『あ〜それなんだけどね。年明けにでも皆でそっちに遊びに行こうかと思ってね』

「皆で?」

『そう。一家皆で』

ここ最近は義兄の仕事で海外に居たり子供達の受験等でなにかと忙しく、電話でのやり取りくらいしか出来ないでいたので秋子も
寂しく感じていた。とくに健吾が失踪してからは名雪と二人、その想いも強かった。それだけの事を考えた秋子が出した答えは

「了承」

『本当? よかったわ』

「それで、何時こっちに来られるの?」

『う〜ん、詳しい事はまだ何も。とりあえず遊びに行こうって決めただけなの』

「あらあら……相変わらずね、姉さん」

『まぁ、祐一が帰ってきたら決めるから』

「祐一さん?」

祐一……姉の息子であり自分の甥。以前はよく遊びに来ていた少年の姿が脳裏に浮かぶ。長い事会っていないが今では
立派に成長しているだろう。

「祐一さん、何処か出かけているの?」

『あの子ったら休みに入るなり、新しく買ったバイクで遠乗りに出かけちゃってね。遊びに行こうって話が出たのも、祐一が
 秋子の所に行ってるんじゃないか? って言ってたからなのよ……そっちに行ってない?』

「いえ、来てないわ。心配ね……」

『大丈夫よ。一応は男の子だし、なんたってあたしと和真さんの息子だしね』

「ふふ……そうね」

秋子は以前祐一達が遊びに来ていたときの事を思い出した。たしかに小さい頃から頭が良くて、名雪や玲奈の休みの宿題などの
面倒をみていたし、また運動神経も良かった。少々の困難を切り抜けるだけの裁量は持っている筈だった。

『じゃ、そういう事だから。詳しい事決まったらまた電話するわね』

「ええ、何時でもいいから。皆によろしくね」

『ありがと。名雪ちゃんにもよろしくね。おやすみ……』

「あっ、姉さん!」

秋子はふいに予感めいたものを感じて、電話を切ろうとした姉を呼び止めた。

『何、どうしたの?』

「あ……いえ、何でもないわ」

だが、なぜ自分が姉を呼び止めたのか説明できる訳もなく、秋子はごまかすしかなかった。

『?? 変な秋子ね。まぁ良いわ、おやすみ』

「えぇ……おやすみなさい、姉さん」

ガチャ

今度こそ、電話が切られたので秋子も受話器を置く。しかし秋子が先程感じた不安のようなものは未だ心の奥底で燻っていた。

「気のせい……よね」

「お母さん、電話だったの?」

そう言って娘の名雪が部屋に入ってきた。風呂上りらしく、お気に入りの猫柄のパジャマに苺柄の半纏姿で長い髪にはタオル
が巻かれていた。秋子は不安を顔に出さないようにして名雪に答えた。

「えぇ、姉さんからよ」

「綾乃伯母さんから?」

「ふふふ……名雪、前に”伯母さん”って言って怒られたの忘れたの?」

「わ、わわ。お母さん、今のは内緒にして!」

「ふふ。あのね名雪、近い内に姉さん達が遊びに来るそうよ」

「えっ? それで、祐一も来るの!?」

今までの慌てぶりから一転して、今度はとても嬉しそうな顔に変わる。

「えぇ。皆で来るそうよ」

「何時来るの?」

「年明けって言ってたわよ。詳しい事が決まったらまた電話するって」

「そうなんだ。う〜楽しみだよ〜」

もう待ちきれない様子の名雪を見て秋子も微笑む。

「(そうね、さっきのは気のせいよ)」

「祐一も玲奈ちゃんも元気でやってるかなぁ」

「皆、元気でやってるそうよ……祐一さん、きっとカッコよくなって女の子にもててるでしょうね。恋人いるのかしら?」

「え? わ、わわ。駄目だよそんなの!」

「あらあら……ふふ」

「う〜、お母さん意地悪だよ」

この北の街でも、祐一の事で母が娘をからかっていた。


                         ★   ★   ★


ガチャ

「どうだった? 秋子くんは何だって?」

話が終わったのを見計らって和真が聞いてくる。尤も話の様子から大体は理解しているので確認程度のものだった。

「ええ、『了承』よ」

「やった! う〜楽しみだな〜」

それを聞いた玲奈も、遠く離れて住む従姉妹と同じく待ちきれない様子で喜んだ。

「まぁ、後は祐一が帰ってきてから……」

バリーーン!

突然リビングのガラスが割られて、何かが部屋に飛び込んできた。

「ギィーッ!」

緑色の全身、赤い目、左手には鎌……それはカノンの怪人、蟷螂男だった。

「「キャーッ!」」

「な? バ、化け物!?」

綾乃と玲奈の悲鳴が重なる。和真はその悲鳴を聞くと、二人の元に駆け寄り背後に庇う。

「な、何だお前は!?」

「相沢祐一の家族だな?」

「!?」

目の前の怪人が人の言葉を喋った事より、祐一の事を知っている事のほうに驚いた。

「祐一の事を知っているのか!? 一体……!?」

「相沢祐一は、我らカノンに刃向かったのだ。よって家族共々抹殺する」

「「「!!」」」

怪人−−蟷螂男−−がそう告げて、左手の鎌で威嚇しながらゆっくりと近づいて来る。

「お前達は早く逃げろ!」

和真は後ろに庇う二人にそう言うとドアの方へ押しやる。綾乃と玲奈がドアへ向かうが、そのときドアが開いて
全身黒づくめの男達−−戦闘員−−が飛び込んで来た。

「イーッ!」

「「キャッ!」」


                         ★   ★   ★


その頃、祐一はようやく自宅の近くまで来ていた。

「(さて……父さんたちにどうやって話したらいいかな?)」

自分の身にあった事、健吾の事、これからの事。話さなければいけないことは沢山あったが、本当に話してしまっても
良いか? そう考えながらバイクを走らせていた。その時、バイクのライトの照らす先に倒れている人を見つけた。

「なんだ?」

キキキーッ

バイクを停めて近寄ってみる。どうやら会社帰りの男性らしくカバンを持ち、コートを着ていた。

「どうしたんですか、しっかりしてください?」

男を抱え起こして声をかけると、すぐに男は目を覚ました。

「あ、あれ? 私は一体……」

どうやら状況を把握してないらしく辺りを見回しながらそんな事を呟いていた。

「ここに倒れていたんですよ。何があったんですか?」

「え〜っと、たしか……お、そうだ。家に帰ろうと歩いていたら突然眠くなってきて……」

「突然眠く……ですか?」

「ああ、あと変な連中を見た気がするなぁ。全身黒づくめで『イーッ!』とか言ってたような? まあ、ここ最近仕事が
 忙しかったから疲れて夢でも……」

「(黒づくめ……まさか、カノンの!? ハッ、まさか父さん達が!?)」

祐一はそれだけ聞くと、男には構わずにバイクにまたがり家へと急いだ。

「くそっ、無事でいてくれ! 父さん、母さん、玲奈!」


                         ★   ★   ★


和真たちはリビングの隅に追い込まれていた。周りは蟷螂男と戦闘員に囲まれて逃げ場は無かった。

「ううう……」

怯える娘とそれを庇う妻を見て和真は、なんとか二人だけでも逃がそうと取り囲んでいる蟷螂男達を見回す。

「さぁ、死んでもらうぞ」

「何故だ、何故殺されなければならないんだ! 息子が……祐一が何をしたというんだ!?」

「お前の息子は、カノンの一員となりながら我々に刃向かったのだ。それで十分死に値する。貴様ら家族も同様だ」

「な!?」

祐一がこんな化け物連中の仲間になるなど信じられなかった。

「そんな出鱈目を誰が信じるか!」

じりじりと包囲の輪が狭まってくる。戦闘員が腰に差してある短剣を抜いて構える。

「クッ!」

和真はドア近くの戦闘員の一瞬の隙を突いて飛び掛った。戦闘員の首と短剣を持っている腕を掴み、腹に膝蹴りを撃つ。
そしてよろめいた所に、今度は手刀を叩き込んだ。包囲の輪が崩れたところへ妻と娘を逃がす。

「早く、今のうちだ!」

「和真さん!」

「お父さん!」

「えぇーい、戦闘員どもよ、ヤツを殺せ!」

「イーッ!」

和真は掴んでいた戦闘員を、一斉に襲い掛かってきた戦闘員に投げつけた。それに怯んだ戦闘員の一人を殴り飛ばす。
殴られた戦闘員はそのまま蟷螂男の所まで転がっていった。蟷螂男は戦闘員を蹴り飛ばすと、自ら和真の前に出て対峙した。

「あくまで我々に刃向かうか……死ねぇ!」

「くっ……」

蟷螂男が飛び掛ってきた。和真は蟷螂男の振り回してきた腕を掻い潜ると、戦闘員が落とした短剣を拾い上げて背後から
切りつけた。

カキーン!

だがその攻撃は、振り向いた蟷螂男の左手の鎌で止められていた。

「な!?」

今度は蟷螂男が受け止めた体勢のまま、和真を殴り飛ばした。

「グァッ!」

ドンッ

口から血を流し、壁に激突した。

「和真さん!」

「お父さん!」

「ギィーッ! 他愛もない」

蟷螂男はそう言って笑うと、止めをさそうと鎌を振り上げた。

「綾乃、玲奈! 早く逃げろ!」

和真はそう叫んで、蟷螂男に抱きついて動きを封じた。

「えぇい、離せ!」

だが、いとも簡単に振り解かれると再度壁に叩きつけられた。

「死ねぇ!」

和真は鎌の攻撃を、持っていた短剣で防ごうと構えた。だが……

パキーン

ズバッ!!

短剣は容易く折られて、鎌は和真の身体を切り裂いた。

「ガハッ!」

血を流し、和真の身体がゆっくりと倒れてゆく。

「イヤーッ!」

「クッ」

悲鳴を上げる玲奈にこれ以上の惨劇を見せまいと、綾乃は娘を抱きしめる。

「に……げ……」

それだけをようやく喋ると、和真は絶命した。

「次は貴様らの番だ」

蟷螂男は和真の血が滴る鎌を、抱き合って震えている綾乃達へ見せつける。

「あなただけでも逃げなさい!」

綾乃はそう言って、自分の腕の中で震えている娘をドアの方へと押しやる。

「お母さん!」

「逃がさん!」

蟷螂男がそう叫ぶと、左腕をこちらに向けた。

ドシュッ!

「うっ!」

綾乃は一瞬動きを止めて、それからゆっくりとうつ伏せに倒れた。

「え……お、かあ、さん?」

玲奈は何が起こったか分からなかった。倒れている綾乃を見るとその背中には何か刃物のような物が刺さっていた。
それは鎖が付いており、その先は蟷螂男の左腕に繋がっていた。蟷螂男が腕を振ると綾乃に刺さっていた鎌が抜けて元の左腕に
収まった。鎌が抜けた瞬間、綾乃の身体が震える。そして背中から血があふれだして床を赤く染めてゆく。

「イヤーーーッ! お母さん、お母さん!!」

玲奈は、倒れている綾乃にすがり付いて必死に揺さぶった。すると綾乃が僅かに顔を上げた。

「れ……な、に……げ…………」

それだけ言うと、綾乃は事切れた。

「あ……あ、ああ……」

「フハハ。親子仲良くあの世へ行け」

蟷螂男がゆっくりと近づいてくる。

「おとうさん……おかあさん……」

玲奈は座り込んで、既に死んでいる両親を見ていた。優しかった両親の事が頭に浮かぶ。そして……

「後は貴様だけだ……」

「ひっ!」

蟷螂男は玲奈のすぐ側まで来ていた。涙目のまま見上げる玲奈。蟷螂男が左腕を振りかぶる瞬間、玲奈は叫んでいた。

「お兄ちゃんっ!!」




続く

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