好きな人がいた

その人は黄金色の麦畑で蒼い光と共に消えた

気になる人がいる

その人は裸の巨大な桜の下に蒼い光と共に現れた

　　群雲の覆う夜空を蛍火のような光を散らし、飛ぶ二つの巨大な影がある。昆虫を人型にしたようなそれらは追いつ追われつ、時に交差しつつ美しく夜空を舞う。

　　ふと、うち一つが眼下の生い茂る森へ降り、もう一つがそれを追う。二つの影は下半身の、昆虫で言う腹にあたる場所の背から、追われる側は蜂の羽をはためかせ、追う側は蜻蛉の羽をはためかせ30メートルは有ろう巨木の狭間を縫っていく。

　　「いい加減にしろ！久瀬！協力しろとは言わない。邪魔しないでくれ！」

　　「反乱を傍観しろと？する訳ないだろう！相沢！」

　　二つの影は交差するたびに火花を散らし舞い踊る。

　　「紅魔領は、レミリア様は地上界を侵略するつもりなんだぞ！」

　　「より大きな力がより多くを統べる！人間の！国と言うものの歴史だろ！」

　　「生まれ故郷なんだぞ！地上界は俺たちの！」

あれから七年、あの人が消えた麦畑はもうない

私たちが通う高校が、今はそこに建っている

あの人の影を見せてくれる物はもうない

あれから七年、あの人と共に魂魄の剣を学んだ

我が魂魄家の仕える西行寺家の為、家を出て久しい

あの人は遠く、紅魔の地で働いている

　　蜂の羽を持った白い影は長太刀を振るい、蜻蛉の羽を持った黒い影はクレイモアを振るい宙を舞う。

　　「ガイランなんて最初期型でこれほどか」

　　「俺と俺のガイラン、白姫ならこれくらいはな！」

　　互いの武器を弾き合う。その一撃ずつが鳴らす音色が影たちが散らす光と相成って幻想的な情景を創っていく。

　　ふと、木々が騒ぎ出す。群雲を遮り、百メートルはあろう巨大な影がさす。

　　「紅天龍！紅美鈴（ホン　メイリン）の船か！」

　　「おいおい、オーラシップは反則だろ」

　　龍の顎を想わせる赤い巨大な浮遊戦艦である。

表では普通の生活を普通に送り、裏ではあの一瞬の非日常を想う

私を親友と言ってくれる人がいる

佐祐理

その人にも全てを隠して今日も想う

普段は主の従者として、有事の際は主の護衛として生きる

親しみを持って接してくれる優しき主

幽々子様

その方と共に今日も彼を想う

　　「祐一さん！戻ってきてください！今ならまだ演習って誤魔化せますから」

　　「そんな必要はない！反逆者はここで討つ！」

　　「張り切り着すぎだ！白姫とお前のオーラバトラー、性能差考えろよ！？」

　　巨鯨の如き戦艦の周囲を、尚も舞う。

この日も普通に送り、深夜に学校に来る

あの非日常をまた想う

この日もいつも道理に働き、寝る前に夜空を眺める

いつか会う日をまた想う

　　二機のオーラバトラーを蒼い稲妻状の何かが覆い、周囲の空間が徐々に蒼い光に包まれてゆく。

　　「美鈴様！二機のオーラ力が上昇！この光・・・オーラロードが開きかかっています！」

　　「そんなっ！？祐一さん、和明さん！戦いをやめてください！このままでは・・・」

　　蒼い光は二機を中心に強まって行く。やがて、それは爆発にもにた勢いで膨張していく。

　　「開いた・・・急速旋回！」

　　「駄目です！間に合いません！オーラロード、突入します！」

校舎の屋上だ月を見ていた

突然屋上の目の前、グラウンドの上空で蒼い光が溢れる

あの人が消えたあの時と同じ光だった

屋敷の庭から月を眺めていた

突然空の遠い向こう、紅魔領の方向で蒼い光が煌めく

あの人が現れたあの時と同じ光だった

「「この日私たちの平凡な日常が終わる」」

オーラバトラー戦記

幻想の鍵

近日公開

　　**後書き**

　　カッとなってやった。反省はしていない。

　　ってな感じで衝動的に書きました。嘘予告です。続きません。

　　なんかビビっと来て、気が付いたら一晩で書き終えていた。KANONと東方プロジェクトのオーラバトラー物・・・・・・

　　なんかマジで取り憑かれた？な感じで。いや、どれも好きではあるんですがとても自分の執筆速度とは思えなくって。NAKINAもこのスピードで書けたらな～と思います。

　　そんな感じですがこれからも見捨てずに次回を待っててください。