彼女達の思惑〜美坂栞編〜

お昼休みに祐一さんを中庭に呼びだして貰うようお姉ちゃんに頼んだのは昨日の夜。
バレンタインの準備を始めたのはもっと前から。
ただのチョコじゃ、料理の上手な名雪さんに敵わないからここはもっとインパクトのあるものでないと祐一さんの印象に残らない。
そう思った私が用意したのは・・・特大サイズのチョコレートアイスでした。これならすぐその場で食べて貰えますから。
問題はどうやって持っていくか、です。
普通に持っていったらお昼休みまでに溶けてしまいますから・・・困りました。
まさかクーラーボックスを持って学校に行くわけにもいかないし。
結局、四時間目、学校を抜け出して(悪い子ですよね?)家にまで取りに帰ることにしちゃいました。
お姉ちゃんには内緒。
だってそんなことばれたら怒られますから。
今日はお母さんもお仕事で家にはいないし。
ばれなかったらいいですよね?

家に帰って持ってきたアイスのカップを背中の方に隠し持って祐一さんの来るのを待ちます。
お姉ちゃんがちゃんと伝えていてくれたらそろそろ来てくれるはず・・・あ、来た。
私に気付くと手を振ってくれています。なんか子供っぽいですよね、こういうところは。
「よお、待ったか?」
「少し待ちました。でもすいません、わざわざ来て貰って」
ホントは少しどころじゃないんですけど。
だってこの日が来るのをずっと待っていたんですから。
でも、来てくれたことが嬉しくて。
ちゃんとお礼を言わないとって思って。
思わず頭をぺこりと下げてしまう。
「構わないって」
祐一さんが優しくそう言ってくれます。
私はそれを聞いてから今まで後ろに隠し持っていたアイスのカップを差し出しました。
わざわざ探してきた祐一さん用の特大サイズです。
あ・・なんかちょっと祐一さんの顔が引きつってます。
それでも私は満面の笑顔を浮かべて
「ただのチョコじゃアピール度が足りないと思ったのでアイスにしちゃいました。はい、どうぞ」
ああ、また祐一さんの顔が引きつっています。流石にこの時期、この量は・・・。
でもでも、優しい祐一さんは・・・。
「ありがとう・・栞・・・」
そう言って受け取ってくれました。
ありがとうございます、祐一さん。
大好きですから。

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