彼女達の思惑〜水瀬名雪編〜

うにゅう・・・・・すっかり寝ちゃってたようだよ・・・。
なんか下が騒がしい・・・一体なんだろ?
まだ重たい瞼をこすりながら私は部屋のドアを開けた。
玄関先の方から祐一と真琴の声が聞こえてくる。
むう・・・祐一は私の恋人なのに。
あ、あゆちゃんもいる。
二人が一緒になんか騒いでいるのを見ておろおろしてるよ。
止めたらいいのに。
「ちょっと、何やってるの?」
階段を降りてそう言う。
見ると玄関先で真琴に押し倒された祐一がなんか顔中真っ黒にしている。
真琴もだ。
甘い匂いが玄関先に充満しているって事は・・・・真琴のチョコだね。
昨日の晩作り方を一緒に考えてあげたからすぐにわかったよ。
二人とも楽しそうにじゃれ合ってる。
何故かむっとした私は思わず近くにあった来客用スリッパを手にとって二人を叩いていた。
「食べ物を無駄にしないの!」
思わず不機嫌なのがわかるくらい大きい声で言っちゃった。
しゅんとなった真琴と祐一をその場に残して私はリビングに向かう。

何となく祐一とも気まずくなっちゃったけど。
それでも朝約束したから・・・。
お風呂に入ってから冷蔵庫で冷やしていた大きなハート形のチョコを手にして祐一の部屋に向かう。
今日はチョコまみれになった祐一が先にお風呂に入っていたからもう寝ちゃったかな?
私じゃないんだし、まだ寝ているって事はないよね。
祐一の部屋の前に断ってドアをとんとんとちょっと控えめにノックする。
「・・・名雪か?」
中から祐一の声。
すぐに私だってわかったみたいなのは嬉しかった。
「うん・・・入っていいかな?」
「ああ」
祐一の返事を聞いてからドアを開ける。
祐一はベッドにもたれかかって何か考え事をしていたように頭の後ろで腕を組んでいた。
私の方を見るとその腕を解いて、
「まだ起きていたのか?」
ニヤリと笑ってそう言ってきた。
ひどいよ、私だってまだこの時間なら起きているもん。
もっとも祐一の顔に浮かんでいる笑みからただ言ってみただけ、私をちょっとからかっただけだって事はすぐにわかったけど。
「朝、約束したからね」
そう言って私は手に持っていたチョコを差し出した。
「あゆちゃんや真琴に負けないよう頑張ったんだよ」
もっともあの二人には邪魔ばかりされていたような気もするけど。でも、二人の思いはよくわかるから。
「いや、あの二人は勝負にすらなってないし」
祐一がそう言って私の顔を見た。
確かにあの二人のチョコ、とてもじゃないけど食べられるような代物じゃなかったね。
それでも受け取ってあげた祐一ってやっぱり優しい。
ちょっと悔しくなった私は祐一のそばにまで寄ると、さっと祐一の背中に手を回して抱きしめた。
祐一は何も言わずに受け入れてくれる。
「今日・・一緒に寝ちゃダメかな?」
折角のバレンタインデーだったのに余り一緒にいられなかったから。
せめてもの我が儘。
「・・・子供じゃないんだぜ?」
困ったように言う祐一。
どっちかというととまどっているみたい。
「真琴と一緒に騒いでるの見て、ちょっと悔しかったんだよ?」
思わず本音が口をついて出た。
それを聞いた祐一は目を閉じて一言だけ言った。
「・・・・馬鹿」
「馬鹿でいいもん」
すかさず言い返す。
そう、祐一と一緒だったら何でも良い。
祐一はずっとそばにいてくれるって約束してくれたし。
私もずっと祐一のそばにいるって決めたし。
小さいため息が聞こえた。
と、同時に祐一の手が私の背中に回されて・・・長い髪の毛をその手がゆっくりと梳いていく。
「やれやれ・・・困ったお姫様だ」
そう言って祐一は・・・。
私の身体を持ち上げて・・・。
ベッドの上に・・・。
「今夜は・・・寝かせないぜっ!!」
うう〜・・祐一、エッチだよ〜!!

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