彼女達の思惑〜沢渡真琴編〜

なんか下が騒がしい。
あゆがまた騒いでいるんだろうか?
昨日はあたしの邪魔ばっかりしていたもんね。
料理が下手なくせに張り切るんだから、名雪も困っていたし。
ちょっと様子を見に行こうかな?
読みかけのマンガをその場に残し、部屋を出る。
階段の上から様子を見ていると・・・あ、祐一がいる。
あゆが作ったたい焼きもどきを食べようとしているところみたい。
あれを食べるなんて・・・祐一も根性あるわね。
ちょっとつまんでみたけど・・とてもじゃないけど噛めなかったし。歯が痛かったんだから。
・・・・・がきっ。
わ、ここまで音が聞こえてきた。
二人とも黙り込んじゃった・・・。
秋子さんだけが平然としてリビングの方へ行こうとしている。
それに気がついたあゆがすかさず秋子さんを見て声をかけたけど・・・やっぱり祐一に捕まったようね。
ここからじゃよく見えないけど、祐一、かなり怒っているようね。
声に微妙に震えているもん。
さて、そろそろ行ってあゆを助けてあげますか。
あれでもあたしにとっては遊び相手だからね。
「あはははははははははははははははは」
やっぱりせいぎのみかたはこういう高笑いで登場しないといけないわね。
二人がこっちの方を見る。
一体何事か、と言う感じで。
あー、なんか気分いい♪
「所詮はあゆね。そのてーどなのよ!」
そう言ってびしっとあゆを指差す。
「う、うぐぅ・・・」
何か言い返したそうな顔をするあゆだけど、何も言い返せないでしょ?
「さぁ、祐一ッ!!これでも喰らいなさいっ!!」
あたしはそう言うとまだ熱々のチョコを載せたお盆を手に階段を駆け下りようとして・・・
「あう〜〜〜!!」
一瞬何が起きたのか全くわからなかった。
とにかくお尻を何回も打って、気がついたら目の前にあゆと祐一がいた。
「あたたた・・・」
ホントに痛かった。全くどうしてこんな事になるのよ!
そう思って顔を上げると・・・祐一が頭から茶色のものを垂れ流していた。
それを見たあたしはこみ上げてくる笑いをこらえることが出来なかった。
「あははははは、何やってるの、祐一!!」
「・・・・・真琴・・これはなんだ?」
祐一の声がかなり何かを押し殺したような感じだったけどあたしはまだ笑いを止められなかった。
「チョコに決まっているじゃない!なんだと思うのよ!!」
「・・・・・・一体どうしてこうなるんだ?」
「多分・・・湯煎してまだ固まってなかったんじゃないかな?」
まだ笑っているあたしに変わってあゆがそんなことを言った。
「何を作ろうとしていたんだ、真琴は?」
なんでか祐一はあたしじゃなくってあゆの方に尋ねている。
あゆが何か答えていたけど、あたしはもう祐一が面白くてただ笑い転げているだけだった。
ふと気がつくと祐一があたしを手招きしている。
あたしはすぐに起きあがると祐一のそばに駆け寄った。
「どう、嬉しい?」
にっこり微笑んでそう言うと、祐一もにっこりと微笑んで
「ああ・・・ありがたくて涙が出そうだぞ、真琴。その嬉しさをお前にもわけてやろう!」
そう言うが早いか、祐一は頭からたれ流れたままのチョコをすくい取り、あたしの顔に塗りつけた。
「あう〜、なにするのよっ!」
「うれしいだろ!!!まことぉっ!!」
また祐一がチョコをあたしの顔にべたっと塗りつける。
流石に頭に来たあたしが祐一に飛びかかろうとしたとき、足下に落ちていたあゆのたい焼きらしきものが引っかかり、あたしは豪快に祐一の胸に頭から突っ込んでいた。
「このっ!!」
あたしが祐一の顔に更にチョコを塗りたくると祐一も反撃とばかりにあたしにチョコを塗りたくった。
だんだん始めの目的がなんだったのかわからなくなっていたけど・・・これはこれで面白いからいいか。
祐一とあたしの関係はちょうどこんなものでいいんだって事!

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