彼女達の思惑〜月宮あゆ編〜

玄関が開く音がした。
今リビングにいるのはボク一人。
名雪さんは帰ってくるなり台所の惨状を見て呆然としていたけど一生懸命掃除して使えるようにしてから何かやっていたようだけど今は二階に上がっている。
真琴ちゃんは二階の自分の部屋でマンガでも読んでいるのか全く降りてこない。お昼ご飯の時にあったぐらいだ。
ボクはというと、さっきから誰も相手にしてくれないので仕方なくずっとリビングでテレビを眺めている。
っと、誰か帰ってきたんだっけ。
あの声は・・・祐一君と秋子さんだ!
ボクは早速テーブルの上に置いていたお盆を手に玄関へと走り出した。
「祐一君、お帰りっ!!」
そう言って一番始めに祐一君を出迎えることが出来た。
いつもなら真琴ちゃんとかが先を越すんだけど。
「はい、これ!」
ボクは素早くお盆を差し出した。
そのお盆の上にはボクが昨日から一生懸命になって作ったたい焼き・・・ちょっと焦げちゃったけど・・・が乗っている。
勿論バレンタインだから中身はあんこじゃなくてチョコだけどね。
「ボクが一生懸命作ったんだよ!」
「あ・・・ああ・・・」
元気よく言ったけど、祐一君はどうもその逆。余り元気なさそう。一体どうしたんだろう?
「祐一君?」
ちょっと首を傾げて祐一君の顔をのぞき込んでみる。
体調悪いのかな?
でも、祐一君はすっと手を伸ばしてボクが作ったたい焼きに手を伸ばしてくれた。
ゆっくりと口に運ばれるボクが作ったバレンタイン用のたい焼き。
祐一君の口にたい焼きが入り、噛みき・・・・れなかった。
なんかがきっと言う堅い音がして、祐一君の顔が引きつっている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なんかとってもイヤな沈黙がボクと祐一君の間を流れていく。
この沈黙はやばい・・・そう思ったボクは慌ててリビングに向かっている秋子さんを振り返った。
「えっと・・・秋子さん、今日の晩ご飯、何かな?」
そう言って逃げようとしたらがしっと肩を祐一君の手がしっかりと掴んでいた。それからボクは無理矢理祐一君の方を振りむかさせられてしまう。
ああ、なんか祐一君が凄い笑みを浮かべている!!
「あゆ・・・」
「あはは・・祐一君、目が笑ってないよ」
ボクは引きつった笑顔を浮かべるしかできなかった。
うぐぅ・・・そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ。
何処で間違えたんだろう?
「お前の一生懸命はよくわかった・・・」
それはそれで嬉しいんだけどね、祐一君。
凄く怖いよ・・・。
「俺はいいから自分で食って見ろ」
「うぐぅ・・・」
困った・・・・ボクにそんなつもりはなかったんだけど、やっぱり失敗したら・・・怒るよね?
ああ、そんなつもりじゃなかったのに!!
やっぱり先に味見しないと・・・ダメかなぁ?

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