彼女達の思惑〜水瀬秋子編〜

玄関の前で腕を組んで何やら考え込んでいる人影がありますね。
あのコートの色からして・・・祐一さんでしょうか?
一体何を考えているんでしょうか?
大体見当つきますけどね。
今日はバレンタイン。
きっとあゆちゃんと真琴がどんなチョコをくれるのか不安なんでしょう。
昨日は二人で大騒ぎしながら作っていましたから・・・結局昨日の間には出来なかったようですが。
お陰で名雪が膨れていた、と言うのは内緒です。
自分の分そっちのけで二人の手伝いをやらされていましたから。
私はと言えば・・・二人に「自分の力でやるからいい」と言われて追い出されていました。
ちょっと残念ですが・・・娘達の実力を知るいい機会です。

祐一さん、まだ何か考えているようですね。
ちょっと驚かしましょうか?
そっと後ろから近付いていって肩をぽんと叩きます。
「お帰りなさい、祐一さん」
一瞬キョトンとした顔になりましたが祐一さんはそれ程驚いてないようでした。
ちょっと残念。
「ただいまです・・・秋子さんこそお帰りなさい」
あ、そうだ。忘れないうちに渡しておいた方がいいですね。名雪達の前で渡すのもなんですし・・・。
「ふふ・・・そうだわ、名雪達より先に渡しておきましょうか?」
そう言ってカバンの中から買っておいたチョコを取り出します。
「はい、祐一さん。バレンタインのチョコです」
にっこりと笑って差し出すと、祐一さんはそれを受け取って大きく頭を下げました。
「あ、ありがとうございます」
「こんなおばさんからで御免なさいね」
ホントは少しもそんなこと思っていませんよ。自分で自分をおばさんだと思ったらお終いですから。
「な、何言っているんですか!凄く嬉しいです!」
本当に嬉しそうに祐一さんが言ってくれました。
まさか私から貰えるとは思ってなかったようですね。
名雪とのことがありますからどうしようかな、と思っていましたがこの笑顔を見るとあげてよかったと思います。
「・・・そう言えば、秋子さん、今仕事帰りですか?」
急に声のトーンを落として祐一さんが尋ねてきたので私は何事かと思いましたがいつもの笑みを崩さずに答えます。
「そうですよ」
「・・・真琴とかあゆにチョコの・・・」
ああ、そのことですか。
大丈夫ですよ、私は一切手伝っていませんから安心してください。
「二人とも自分でやるって聞かなくて」
それを聞いた瞬間祐一さんの顔が引きつりました。
「名雪も二人に負けないよう一人で頑張ってましたよ」
それがどうやらとどめだったようです。
祐一さん、もてるって大変ですね。

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