前書き
作者D「・・・暑い日が続いておりますが皆様お元気であらせられたらいいなぁ」
かおりん「暑さで壊れかけているわね」
作者D「既に壊れているという話もありますが」
かおりん「で、今回は何よ?」
作者D「相変わらず問答無用ですね、かおりん様は。夏!暑い!と言うことで新作を考えてきました」
かおりん「ふ〜〜〜ん」
作者D「何ですか、そのしらけた目は!!お疑いですか!?」
かおりん「疑っている訳じゃないわ。ただ・・・色々と貯まっているものがあるのによく新作を考える暇があったな、と・・・」
作者D「あうう・・・と、とりあえず始めてしまおう・・・(涙)」


「あう〜・・・あ〜つ〜い〜」
水瀬家のリビングにだらけきった声が響いた。
声の主はこの家の居候、沢渡真琴だった。
彼女は言葉通り、汗びっしょりで床の上でぐったりと伸びている。
「そりゃそうだ・・・夏だからな・・・」
リビングのソファにぐったりともたれかかって真琴に答えたのは相沢祐一。
水瀬家の主、秋子の甥で秋子の娘、名雪の従兄弟であり恋人でもある。
「夏だから暑いのは決まっているんだよ〜」
祐一の隣に座っている名雪が続けてそう言った。
かなり暑いのだが、その目は半分閉じかけている。
「・・・・・・クーラーつけようよ〜」
真琴はくるりと回転し、背中を床に着けて祐一を見上げてそう言う。
「・・・秋子さんに言ってくれ」
ぐったりとした感じで祐一が答える。
秋子が首を縦に振るわけがない、と思ってそう言ったのだ。
「夏は暑くて、冬は寒いもの、自然が一番なのよ」
そう言って秋子はエアコンを滅多につけることはなかった。
もっとも冬場はみんなが風邪をひいてはいけないので暖房をつけるようにはしているのだが。
「あ〜〜〜〜つ〜〜〜〜い〜〜〜〜」
「うるさい!」
流石にイライラしてきたのか祐一はクッションを手に取ると真琴に向かって投げつけた。
クッションが見事に真琴の頭に命中する。
「あう〜〜〜!!!何するのよ!!」
ばっと起きあがる真琴。
「あー・・・くそ暑いから怒るな」
「あう〜・・・」
祐一にあっさりとあしらわれて、真琴はまた床に転がった。
「ね〜・・祐一・・・お母さん居ないからつけようか・・・?」
名雪がぼうっとした声で言う。
「良いのか?」
「うにゅう・・・いいと思うよ・・・」
祐一はソファから立ち上がると、エアコンのリモコンに手を伸ばした。
電源ボタンを押すが反応がない。
「・・あれ?」
何度も試してみるがやはりスイッチは入らない。
「おかしいな・・・」
リモコンをひっくり返してみると紙が貼り付けてある。
それにはこう書いてあった。
「夏は暑いものです。エアコンのリモコンの電池は抜いておきました。我慢我慢。秋子」
それを見た祐一は唖然となった。
恐るべし、秋子さん・・・。


真夏の午後の過ごし方


エアコンのリモコンの電源が入らないことを伝えて、名雪の隣に座る祐一。
「・・・・家の中にいても暑いだけだな・・・何処かに出かけるか?」
その一言を聞いた真琴と名雪の目がキラーンと光った。
「真琴、肉まんが食べたい!!」
「私、いちごサンデー!!」
「誰が何か食べに行くと言った」
呆れたような目を向ける祐一。
「俺はこのまま家にいても暑いから何処か出かけるか、と言ったんだ」
「だから真琴は肉まんが食べたいって」
「私、百花屋がいい〜」
祐一はこめかみを押さえた。
「・・・解った・・勝手にしろ。俺は部屋で寝てくる」
そう言って立ち上がる祐一。
「あ、あ、冗談だよ、祐一」
立ち上がった祐一を見て慌てて言う名雪。
少しだけ不服そうな顔をして祐一はまたソファに腰を下ろす。
「で、どうしようか?」
今度は名雪が言った。
「出かけるとしても・・・何処に行くかと聞くと・・・」
「真琴肉まん!」
「今頃売っているか!!」
「私いちごサンデー・・・」
「お前もしつこい!!」
同じパターンも三度目となるといい加減イヤになってくる。
それがたとえ恋人の言うことであっても、だ。
「図書館なんて涼しそうで良いかも・・・ああ、ダメだ」
祐一は頭に浮かんだ考えをあっさりと捨て去った。
「どうして?図書館なら涼しいよ〜」
「ダメダメ。あいつが静かにしていられるはずがない」
そう言って祐一は床の上に伸びている真琴を見た。
真琴がじっと本を読んでいられるとは思えない。それがマンガなら話は別だろうが。
「じゃ・・・買い物でも行く?」
「お前の買い物につきあうと俺が疲れる・・真琴も一緒なら尚更だ」
名雪の提案を一蹴する祐一。
「う〜、欲しいぬいぐるみがあったのに・・・」
「また買わせる気だったんかい、おまえは・・・」
不服そうに頬をふくらませる名雪を見て祐一はまたこめかみを押さえる。
「ねーねー、真琴は・・・」
真琴が床から何か言っているが祐一は無視していた。
「・・妥当な線で・・・プールとかどうだろう?」
祐一がそう言うと、名雪と真琴は一瞬嬉しそうな顔をしたがすぐにイヤそうな顔になった。
「真琴、水着なんか持ってない・・・」
「う〜、私も去年のしかないよ・・・」
二人が口々に言う。
祐一はそれを聞くとまたまたこめかみを押さえた。
「名雪、去年のでも別に良いだろ、水着なんか。それに真琴は名雪のお古でも貰ったらいいじゃないか」
それを聞いた真琴と名雪が頬をふくらませる。
「やだよ〜。毎年毎年新しいデザインのがでるんだよ。去年の何かもう時代遅れだよ〜」
「名雪とはサイズが違うの!!あわないんだから!それを知ってて言っているなら許さないわよ!!」
二人の怒りに火をつけたようだ。
「ああ、解った解った。今度買いに行こうな、新しい水着」
そう言って二人をなだめた祐一はため息をつくと、時計を見た。
まだ午後1時過ぎ。
今が一番暑い盛りかもしれない。
また沈黙が部屋の中を包み込む。
カチコチと針の進む音だけが聞こえてくる。
「あう〜〜〜、あ〜つ〜い〜」
また真琴がそう言った。
「夏だから暑いのは当たり前なんだよ〜」
名雪がまた同じ事を言う。イヤ、微妙に違うような気もするが。
祐一は余りもの暑さにぐったりとしていた。
「・・・やっぱり何処か行くか・・・」
そう言って立ち上がる祐一。
「あう〜・・・もういいよ・・・」
真琴が寝そべったまま言う。
「だったら真琴は留守番だね。行こう、祐一」
そう言って名雪も立ち上がった。
今さっきまで暑さにぐったりしていたはずなのに今は嬉しそうな顔をして祐一の腕に自分の腕を絡めている。
「暑いからひっつくなよ・・・」
ちょっとだけイヤそうに祐一が言うが名雪は離れようとはしない。
と、それを見た真琴がばっと起きあがり、名雪とは反対の方の腕に自分の腕を絡めてきた。
「あ〜、真琴、何しているんだよっ!!」
「べ〜だ。祐一は名雪のものじゃないよーだ」
真琴はそう言って名雪に向かって舌を出して見せた。
名雪はむかっとした表情を隠さず、真琴を睨み付ける。
「真琴・・・祐一の恋人は私なんだよ」
少しの間真琴と睨み合っていたがやがてそう言って、やや勝ち誇ったような顔をして名雪が真琴を見る。
その言葉に少しだけ引く真琴だが、すぐににやりと笑って、
「ふっふーんだ。名雪から祐一を奪い取るなんて簡単なのよ!」
「ふう〜ん・・・そうなんだ・・・」
馬鹿にしきったような名雪の声。
やれるものならやってみろ、と言わんばかりの態度だ。
「う・・・」
名雪の自信に真琴が揺らぐ。
今まで見たことのないくらい冷たい視線を真琴に向けている名雪。
「なぁ・・・とりあえず暑いから離れてくれないか?」
祐一がそう言うが二人にはあっさりと無視される。
勝ち誇った、自信たっぷりの名雪、それに対し、やや自信の揺らいできている真琴。
二人の間に挟まれている祐一。
普段だったら両手に花、と嬉しい場面なのだろうが・・・今はただ暑いだけである。
互いに牽制しあっている名雪と真琴。
祐一はあきらめたように天井を向いた。

夕方になって秋子がようやく外出先から帰ってきた。
「ただいま〜」
玄関から奧に向かって声をかけてみるが返答がない。
「おみやげ買ってきたわよ〜」
こう言えばたいてい食いしん坊の真琴が顔を見せるのだが、彼女も顔を見せない。
名雪が出てこないのはおそらく寝ているからだろうと勝手に予測する。しかし・・・祐一まで出てこないのはどうしてだろうか?
もしかしたら二階の名雪の部屋か祐一の部屋で何かしているのでは・・・などと下世話なことを考える。
まだおばあちゃんと呼ばれるのは勘弁して貰いたいわね・・・とか思いながらも秋子は笑みを浮かべてリビングのドアを開けた。
すると、ソファの上で名雪、祐一、真琴の順で並んですーすーと寝息を立てながら眠っているのが見えた。
「あらあら」
秋子はそんな3人を見て、また微笑んだ。
一度リビングを出て、洗面所からバスタオルを持って来て3人の上にかけてやってから、エアコンのリモコンを取り出し、スイッチを入れる。
涼しい空気がリビングを満たしていく。
ぐっすりと眠っている3人をその場に残し、秋子は微笑みながら台所へと消えていった。
ある暑い夏の一日はこうして過ぎていくのであった・・・。


あとがき
作者D「ああ、久々に普通のSSを書いた気がする・・・」
かおりん「確かに。前に書いたのは・・・何だっけ?」
作者D「フッ・・記憶にないなら教えよう。NO・・・」
かおりん(ばきっ!!!)
作者D「ぐおおっ!!!いきなり何をする、かおりん!!!」
かおりん「あら・・・何かしたかしら?」
作者D「思い切り殴らなかったか?」
かおりん「気のせいよ」
作者D「ンなわけあるかぁっ!!!」
かおりん「ほう・・・?」
作者D「気のせいだったみたいです、はい」
かおりん「さぁ、とにかく今回の反省は?」
作者D「何故に反省から始まるのか不思議だが・・・とりあえずオチもなければ何もない。ただ単に日常を書いただけに終わった」
かおりん「本当はもっと別の作品になる予定だったのにね」
作者D「うーん、名雪とのラブラブ話だったんだけど・・・初めに真琴が出てきた時点で既に変わってしまっていたな」
かおりん「精進が足りないのよ」
作者D「ほっとけ。ああ、こっちもオチないまま終わりそうだな・・・」
かおりん「精進が・・・」
作者D「はいはい、解りました・・・(涙)」

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