前書き
ようやく本編です。誕生編が全くといっていいほど話が進んでいないと言う(笑)
かおりん「誰のせいよ、誰の」
きっと謎の陰謀団の陰謀だな。そう言うことにしておこう。
かおりん「・・・・・・・馬鹿?」
気にせずにいくぞ!今回からは他のヒロインも出るからな!かおりんもうかうかできないぞ!
かおりん「まぁ・・・私が主人公だし」
果たしてどうかな?
かおりん「ちょっと、どういう意味よ?」
それじゃ、始まり始まり〜
かおりん「ちょっと、説明しなさいよ!」

魔法少女ろじかるかおりん−激闘編−
第1話「商店街に走る白い影」(前編)

今日も平和だったわね・・・と美坂香里は思っていた。
授業は全て終わり、担任の石橋先生もHRを終えてもう教室を出ていっている。
隣を見ると、北川潤が机に突っ伏していたし、その前に座っている相沢祐一は隣の(つまり香里にとっては前の)水瀬名雪がまた机にひじをついたまま眠っているのを見て言葉をなくしているようだった。つまりはいつもと変わらない日常だ、と言うこと。
「お〜い、名雪〜、起きろ〜」
祐一が名雪に向かって呼びかけるが名雪は全然反応しない。
「そんなんじゃ名雪は起きないわよ」
香里が言うと、祐一は大きくうなずいて、
「知ってるよ。一応教室だからな。遠慮したんだ」
「名雪を毎朝起こしているものね。じゃ、どうやるの?」
興味津々で香里が尋ねる。
「毎朝あれだけの目覚ましの中でも寝てるからな、こいつは。ちょっとやそっとじゃ起きない。とりあえず、今日はこういう手で起こしたが・・・」
祐一は名雪の頭をぽかっと殴った。
「・・・・・・・・・痛い」
名雪がぼそりと呟く。
それから殴られた頭を押さえて殴った祐一をじろっと見る。
「祐一・・・また殴った?」
「こうでもしないと起きないだろ、お前は」
祐一は少しも悪びれた様子もなく言い放った。
「・・・う〜」
「仲、いいわね」
香里がそう言って微笑んだ。
「そんなことはないぞ。こう見えても・・・」
「それは前にやっただろ」
北川が顔を上げて言う。
「う〜む、新しいパターンを開発しないとダメだな。マンネリはダメだ」
そう言って祐一が腕を組んでうなずいている。
「と言うことで名雪、協力しろ」
「いちごサンデー二つでいいよ〜」
「さて、そろそろ帰るか」
祐一は名雪を無視してカバンを手に立ち上がった。
「う〜、無視しないで〜」
名雪がそう言って自分のカバンを手にして立ち上がった。
「帰らないのか、二人とも?」
祐一がまだ座っている北川と香里を見て言う。
「帰るわよ」
「そうだな、そろそろ帰るか」
二人もそれぞれカバンを手に立ち上がる。
四人がそろって教室を出ていくのをまだ残っていたクラスメイトが見送っていた。

靴箱のところで靴を履き替えながら名雪が
「そう言えば今日部活無いんだよ」
「珍しいわね」
香里がそう返すと
「じゃ、商店街でもよっていくか?」
そう言ったのは祐一だった。
「俺、賛成。何か食っていこうぜ」
北川も同意する。
「いちごサンデー」
名雪は相変わらずのようだ。
香里と祐一、北川は互いに苦笑して顔を見合わせた。
学校を出、また四人で話をしながら商店街まで歩いていく。
その間、祐一はやたらと「寒い」を繰り返していた。
「それでも今日はましな方だぜ?」
北川がそう言って祐一を見る。
「そのうち慣れるわよ」
そう言ったのは香里だ。名雪もその隣を歩きながらうなずいている。
「お前らと違って俺はこの辺の生まれじゃないからな。寒さには弱いんだ」
「別に熱帯に住んでいたわけでもないだろうに」
「ここは寒帯じゃないのか?」
「そんなわけないだろ」
香里と名雪は自分たちの前を歩いている祐一と北川の会話を聞きながら少々あきれていた。
あまりにも意味のない会話にほとほとあきれているらしい。
もっとも名雪は眠そうにしていたからそう思っていたかどうかは怪しいが。

と言うことで商店街である。
「・・・・・どうした、相沢。何をそんなに構えている?」
商店街に入るなりいきなり周りを警戒するようにきょろきょろし出す祐一を不審に思ってか北川が尋ねる。
「イヤ・・・ここに来るといつも何か起きるんでな」
祐一はそう答えるとくるりと振り返った。
すぐ後ろにいた名雪が驚いたような顔をするがそれに構わず、祐一は更に向こうの方を見やった。
「・・・よし、いないようだな。で、何処に行く?」
「百花屋」
「北川、何かお薦めの店はないか?」
「百花屋」
「香里はどうだ?」
「う〜〜」
さっきから無視されている名雪がうなり声をあげて祐一をにらんでいる。
それに気付いた祐一が仕方なく名雪を見て、
「わかったよ。百花屋だな」
「うん。いちごサンデーだよ〜」
そんな二人の様子を見て香里と北川は笑っていた。
商店街の入り口から百花屋にむかいながらまた話を始める。
その時、いきなりそれはやってきた。
「うぐぅ〜・・・どいてどいて〜」
話に夢中になっている祐一達はそれに気がつかない。
「そこの人〜、どいて〜!」
自分からかわす気はないらしい。しかし、祐一達はやはり話に夢中で気がつかない。
「危ないよ〜!!」
そう言いながらそれは祐一の背中に直撃した。
「ぐあ・・・ああああっ!!?」
いきなり背中に全体重を乗せた体当たりを喰らい、一旦のけぞった後、そのままの姿勢で数メートルすすみ、それから豪快に顔面から倒れる祐一とぶつかっていった物体。
祐一にぶつかった物体とぶつけられた祐一はしばらくの間、その場で身動き一つしていなかったが、おもむろに祐一が起きあがり、後ろにいる物体に大声を張り上げた。
「どうして普通に登場できないんだ、お前はぁっ!!」
「うぐぅ・・・わざとじゃないよ〜」
「ワザとやられたらこっちがもたん!」
「事故だよ、そう、これは事故!」
「んなわけあるかぁっ!!」
かなり切れ気味の祐一。対してぶつかった物体・・・背中に白い羽のついたリュックを背負った女の子はマイペースで話を進めている。
周りにいた三人はその光景をただ呆然と眺めていることしかできなかった。
「そうだ!また追われているんだよっ!祐一君、助けて!」
「・・・・また・・・やったのか?」
「だからワザとじゃないって・・今日もお財布忘れただけで・・・」
「懲りない奴だな、お前も、そのたいやき屋も・・・」
そう言って大きくため息をつく祐一。
「だからワザとじゃないって・・・うぐぅ」
「懲りないうぐぅだ」
「ボクはうぐぅじゃないもん。月宮あゆって名前があるっていつも言ってるじゃない!」
「食い逃げ常習犯などうぐぅで充分だ」
「うぐぅ・・・祐一君の意地悪」
「祐一の意地悪」
「相沢君の意地悪」
「相沢の意地悪」
月宮あゆと名乗った少女の後に続けて三人が言う。
祐一は振り返ると、三人を見て、
「なんでお前らに言われなきゃいけない?」
「どう見ても祐一の方が意地悪だから」
きっぱりと答える名雪の横でうんうんとうなずいている香里と北川。
「ちょっと待て・・・問題を整理しよう。あゆ、お前はどうして俺にぶつかった?」
「たいやき屋のおじさんから逃げてたんだよ・・・そうだ、速く逃げなきゃ!」
そう言って走り出そうとするあゆの襟首を掴み、祐一が香里達を見る。
「つまり、だ。食い逃げ常習犯のあゆが例によって食い逃げをしているところ、俺に故意かどうかは知らないがぶつかったというわけだ。さぁ、誰が被害者だ?」
「・・・祐一かな?」
「六千三百十七歩譲って相沢君かしら?」
「なんだ、その六千三百十七歩って数字は・・・」
空いている手で額を押さえる祐一。
その間、北川はあゆが走ってきた方を見ていたが、
「おい、あの親父がそうじゃないか?」
向こうの方から顔を真っ赤にして周りをきょろきょろと見回しながら歩いてくる親父の姿が見えた。
「祐一君、放して〜」
「素直に謝るなら放してやろう」
「うぐぅ・・・わかったよ、ちゃんと謝るから」
あゆがそう言ったので祐一が襟首をつかんでいた手を放した。
すると、いきなりあゆが走り出した。まさに目にも留まらない早さで。
祐一は勿論、北川、名雪、香里すら声をかける暇もない。
「ごめ〜ん、今度ちゃんと謝るからぁ〜〜」
「逃げるなぁ〜!あゆ〜っ!!」
祐一が叫ぶ。
そこにようやくたいやき屋の親父がやってきた。
「おう、そこにいる兄ちゃん達、これっくらいの背の女の子、見なかったか?」
親父が手のひらを胸当たりで水平にして祐一達に聞く。
しかし・・・背の高さよりももっと目立つ特徴があゆにはあったような気もするのだがあえて誰も口にしなかった。
「その女の子ならあっちに行ったわ」
香里があゆの逃げていった方向を指で示して言う。
「ありがとよ、姉ちゃん!!」
たいやき屋の親父は嬉しそうに言うと、すぐに走っていった。
「ホントのこと、教えなくてもよかったんじゃないかな?」
名雪がそう言うと、香里は人差し指を立て、左右に振って見せた。
「私はね、嘘つきが嫌いなの。約束を守らない人もね」
そう言われて、何故か胸を押さえる祐一と北川。
更に名雪も何故か引きつったような顔をしている。
「と、とにかく・・・行くか」
祐一がそう言って皆を促す。
「そ、そうだね、いちごサンデーが待ってるもん」
名雪がいち早く反応して歩き出した。
彼女に続けて祐一達が歩き出そうとしたとき、何処をどう回ってきたのかいきなり脇道からあゆが飛び出してきた。
「うぐぅ〜、どいてどいて〜!」
「むむっ!」
さすがに二度目である。
その声だけで相手があゆだと気がついた祐一がさっと身をかわす。
先行する名雪、後ろに身をかわした祐一の間を駆け抜けていくあゆ。
しかし・・・いきなりそこであゆは豪快に顔から地面につっこんだ。
見ると香里が自分の足をちょこんと前に出している。
どうやらあゆはそれに自分の足を引っかけたらしい。
しかも走っていたスピードがスピードだったのでかなり豪快に転んでしまったようだ。
今は倒れたままぴくりともしない。
「何処をどう回ればここにでてくるんだ?」
祐一があきれ顔であゆを見下ろし呟く。
「・・・・・・・・うぐぅ・・・・祐一君、ひどいよっ!!」
いきなり顔を上げたあゆが大きい声で言う。
「イヤ、待て。これは俺じゃない」
祐一はそう言うと苦笑した。
「そうよ。足を引っかけたのはこの私」
そう言って香里が前にでる。
わざわざ両手を胸の前で組んでやたらと威圧感を出して、まだ顔しか上げてないあゆをじっと見据える。
「・・・うぐぅ・・・この人、怖い」
半泣き顔で祐一を見るあゆ。
「俺に言うな、俺に」
「誰が怖いですって?」
怒りのオーラをあらわに香里がずいっとあゆに迫る。
「確かに怖い・・・」
後ろで見ている北川がぼそりと呟く。
更に横で頷いているのは名雪だ。
そこにまたたいやき屋の親父が息を切らせてやってきた。
「おう、兄ちゃん達、また会ったな!ところでさっきの・・・」
「食い逃げ犯ならここにいるわよ」
香里がそう言ってあゆの着ているコートの襟首を持って無理矢理立たせる。
「うぐぅ・・・」
されるがままにあゆはたいやき屋の親父と対面した。
「やぁ、嬢ちゃん。久しぶりだね」
やけに笑顔になるたいやき屋の親父。
「ひ、久しぶりだね、おじさん!」
引きつった笑顔でこたえるあゆ。
「さあ、それじゃ・・・・いこうか」
「うぐぅ・・・・」
たいやき屋の親父はあゆを香里から受け取ると商店街を元来た方へと去っていった。その先には何故か大きな夕陽が沈もうとしている。
「・・・・しかし、あの親父・・・・店ほっぽりだしてて大丈夫だったのか?」
たいやき屋の親父の後ろ姿を見送りながら北川が言う。
「・・食い逃げ犯、あゆもこれで年貢の治め時だ・・・」
しみじみと呟く祐一。
「悪は滅んだわ」
うっとりと呟く香里。
そんな三人の後ろで名雪は
「ね〜、早くいちごサンデー食べに行こうよ〜」
一人すねていた。

日も暮れて、すっかり薄暗くなった商店街。そんな中をとぼとぼと歩いている影があった。誰あろう、あゆである。
つい先ほどまで食い逃げしたたいやき分のお金の代わりに手伝わされていたのだ。
「うぐぅ・・ひどいめにあったよ・・・・」
そう呟いた彼女の後ろで一人の少女が微笑んでいた。
「・・・・お姉ちゃん・・・力が欲しい?」
その声に振り返るあゆ。
「お姉ちゃんに・・・力を上げるね」
その声と共にあゆにの意識はブラックアウトしていた。

第一話 完

次回に続く

後書き
はい、第一話が完成しました。間に某イベントを挟んだのでかなり遅くなりました。
かおりん「今回はだよもんが出てこなかったわね」
日常風景だけで終始したような気がする。
かおりん「何か私って怖い人になってない?」
きっと気のせいでしょう。
かおりん「魔法とかも一度も使ってないし」
それは次回のお楽しみだ。次回は魔法でもバトルがメインになる予定だし。
かおりん「あんたってよく『予定は未定』って言葉使うわよね?」
ぎくっ!な、何を仰るんですか、かおりん様。今回は決してそのようなこと・・・。
かおりん「何を焦っているのよ?」
あ、焦ってなんかないぞ。ただこの先の展開がもう決定しているからどうしようとかロジカル魔法をどうしようとか一切思ってないからな!
かおりん「バレバレじゃないの」
と、とにかく、次回は本格的にろじかるかおりん始動だ!
かおりん「おー」
・・・・平和的に終わったな、珍しく・・・・


戻るわよ 一つ前に戻るの? もう一つ先へ行くのね?

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